
池井戸潤さんの同名小説を原作とする『アキラとあきら』は、2017年のWOWOW「連続ドラマW」と2022年の劇場映画という、二度にわたって映像化された作品です。同じ「アキラ」の名を持つ二人の銀行員が、正反対の信念をぶつけ合いながら巨大グループの倒産危機に挑みます。ドラマ版と映画版でキャストがほぼ総入れ替えになっているため、「どちらの相関図を見ているのか」が分からなくなりがちな作品でもあります。ここでは『アキラとあきら』のキャスト・相関図を両バージョンに分けて整理し、あらすじから結末、主題歌、配信情報までまとめて解説します。
- 『アキラとあきら』は池井戸潤の小説を原作に、2017年のWOWOWドラマと2022年の映画で二度映像化されている
- ドラマ版は向井理と斎藤工、映画版は竹内涼真と横浜流星がそれぞれW主演を務めた
- 相関図は「階堂家(東海郵船)」「山崎家(町工場)」「産業中央銀行」の三つの軸で捉えると整理できる
- 父・階堂一磨役の石丸幹二だけが、ドラマ版と映画版の両方に出演している
- 映画版はリーマンショック前後に時代設定が変更され、上映時間128分にまとめられている
- 映画版主題歌は back number が書き下ろした「ベルベットの詩」
『アキラとあきら』キャスト・相関図の基本情報とあらすじ

『アキラとあきら』は、倒産した町工場の息子・山崎瑛と、大手海運会社の御曹司・階堂彬という、生まれも育ちも正反対の二人を主人公にした企業小説が原作です。二人は日本有数のメガバンク「産業中央銀行」に同期として入行し、融資という仕事を通じて何度も衝突します。まずは作品の基本データと、『アキラとあきら』キャスト・相関図の全体像を押さえていきましょう。
- 原作は池井戸潤の小説で、2017年5月17日に徳間文庫から文庫オリジナルとして刊行された(720ページ)
- 2017年のWOWOW版は全9話、2022年の映画版は上映時間128分と、尺がまったく違う
- 相関図の中心線は「山崎瑛」と「階堂彬」という同名の二人を結ぶ一本の線
- 対立の火種は階堂彬の叔父二人(階堂晋・階堂崇)が主導するリゾート開発計画
- ドラマ版は第34回ATP賞テレビグランプリ ドラマ部門で最優秀賞を受賞している
『アキラとあきら』の原作と二つの映像化
原作は池井戸潤さんの小説『アキラとあきら』です。徳間書店の雑誌『問題小説』に2006年12月号から2009年4月号まで連載され、単行本化を経ずに2017年5月17日、徳間文庫から文庫オリジナルという形で刊行されました。720ページという分厚さで、その後2020年8月20日には集英社文庫版が上下巻に分けて刊行されています。『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』といった池井戸作品と同じく、銀行と企業の現場を舞台にした重厚な人間ドラマです。
最初の映像化は2017年、WOWOWプライムの「連続ドラマW」枠でした。2017年7月9日から9月3日まで、毎週日曜22時から全9話が放送されています。主演は向井理さんと斎藤工さんのW主演。演出は水谷俊之さんと鈴木浩介さん、脚本は前川洋一さん、音楽は羽岡佳さんが担当しました。制作はWOWOWと東阪企画です。WOWOWは有料放送のため視聴率は公表されていませんが、作品としての評価は高く、第34回ATP賞テレビグランプリのドラマ部門で最優秀賞を受賞しています。
二度目の映像化が2022年の劇場映画です。2022年8月26日に東宝配給で全国公開され、監督は『君の膵臓をたべたい』などの三木孝浩さん、脚本は池田奈津子さん、音楽は大間々昂さん、撮影は柳田裕男さんが務めました。上映時間は128分、興行収入は7億6700万円。キャッチコピーは「最後に土下座するのは誰だ!?」という挑発的なもので、公開前に総勢22名の豪華キャストが一挙解禁されたことも話題になりました。
二つの映像化で決定的に違うのが時代設定です。原作とWOWOWドラマ版は1970年代前半のオイルショックからバブル期、そして失われた10年までの約30年間を描きますが、映画版はリーマンショック(2008年)前後へと時代を移しています。128分という尺に収めるための大胆な再構成で、少年期のエピソードも圧縮されています。
『アキラとあきら』キャスト・相関図の全体像
『アキラとあきら』のキャスト・相関図は、三つのグループに分けて考えると一気に見通しが良くなります。
一つ目が階堂家と東海郵船です。父・階堂一磨が社長を務める大手海運会社が家業で、長男の彬はそこを継がずに銀行へ進みます。代わりに跡を継ぐことになるのが弟の階堂龍馬。そしてこの一族に、叔父の階堂晋(東海商会社長)と階堂崇(東海観光社長)がぶら下がっています。相関図でいちばん不穏な線が引かれているのがこの叔父二人で、彼らが主導するリゾート施設建設計画が、物語後半の危機をすべて引き起こします。
二つ目が山崎家です。瑛の父が営む山崎プレス工業という町工場が、物語の冒頭で倒産します。銀行の無情な取り立てを子どもの目で見てしまったことが、瑛が「人を救うバンカーになる」と誓う原点になりました。相関図では小さなグループですが、瑛の行動原理のすべてがここから伸びています。
三つ目が産業中央銀行です。瑛と彬が同期として入行する日本有数のメガバンクで、ここに上司や同僚が配置されます。融資部長の羽根田一雄は「伝説のトップバンカー」と呼ばれる人物、映画版では上野支店副支店長の不動公二が瑛の直属の上司として存在感を放ちます。後輩行員の水島カンナは、東海郵船の不自然な資金運用に最初に気づく重要な役どころです。
つまり相関図の骨格は、階堂家という「継ぐ側」の物語と、山崎家という「失った側」の物語が、産業中央銀行という一つの職場で交差する構造になっています。「アキラ」という同じ名前は、その交差点を示す目印です。
映画版『アキラとあきら』の主要キャスト紹介
まずは2022年の映画版から、『アキラとあきら』キャスト・相関図の主要人物を俳優ごとに見ていきます。
竹内涼真(山崎瑛役)
主人公の一人・山崎瑛を演じたのは竹内涼真さんです。瑛は幼い頃に父の町工場が倒産し、銀行の取り立てを目の当たりにした経験から、「人を救うバンカーになる」という理想を胸に産業中央銀行へ入行します。融資案件に全力で取り組む一方、数字のつじつま合わせを嫌う真っ直ぐさが、彬との最初の衝突を生みます。少年期を榎本司さん、高校時代を椿原慧さんが演じました。
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横浜流星(階堂彬役)
もう一人の主人公・階堂彬を演じたのは横浜流星さんです。海運会社・東海郵船の御曹司でありながら家業を継ぐことを拒み、自分の力を試すために産業中央銀行へ入行しました。情を排して冷静沈着に案件を処理するタイプで、理想を語る瑛とは正反対に見えます。ただし物語が進むにつれ、その冷静さが家を背負う覚悟の裏返しだったことが明らかになっていきます。少年期は平野虎冴さんが演じました。
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髙橋海人(階堂龍馬役)
彬の弟・階堂龍馬を演じたのは King & Prince の髙橋海人さんです。兄が跡取りを降りたことで東海郵船の社長となり、常に兄と比較されるコンプレックスを抱えています。叔父たちが持ち込むリゾート開発の話を断りきれず、巨額の赤字を抱え込んでしまう役どころで、相関図では階堂家と叔父たちを結ぶ線の真ん中に立たされる人物です。少年期は熊谷武尊さんが演じました。
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上白石萌歌(水島カンナ役)
産業中央銀行の後輩行員・水島カンナを演じたのは上白石萌歌さんです。東海郵船の資金運用に不自然な点があることに最初に気づく人物で、物語を動かすきっかけを作ります。相関図では銀行側にいながら階堂家の問題へ最初に触れる、いわば導火線のような位置づけです。
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石丸幹二(階堂一磨役)
彬と龍馬の父であり、東海郵船の社長・階堂一磨を演じたのは石丸幹二さんです。石丸さんは2017年のWOWOWドラマ版でも同じ階堂一磨を演じており、二つの映像化をまたいで同じ役を務めた唯一のキャストになります。相関図の頂点に立ちながら、その退場が階堂グループの均衡を崩す引き金になる重要な役です。
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江口洋介(不動公二役)
産業中央銀行上野支店の副支店長・不動公二を演じたのは江口洋介さんです。瑛の直属の上司にあたり、現場で融資の厳しさと面白さを叩き込む立場にあります。理想論だけでは通らない銀行という組織の現実を、瑛に突きつける役回りです。
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ユースケ・サンタマリア(階堂晋役)
彬の叔父で東海商会の社長・階堂晋を演じたのはユースケ・サンタマリアさんです。優秀な兄・一磨に対する嫉妬を抱え続けてきた人物で、リゾート施設建設計画を主導して階堂グループを危機に追い込みます。相関図では「身内でありながら最大の火種」という、もっとも厄介な位置に配置されています。
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奥田瑛二(羽根田一雄役)
産業中央銀行の融資部長・羽根田一雄を演じたのは奥田瑛二さんです。「伝説のトップバンカー」と称される人物で、稟議が通るか否かの最終的な関門として立ちはだかります。ドラマ版では永島敏行さんが同じ役を演じており、配役を見比べると各バージョンの色づけの違いが見えてきます。
映画版のその他のキャスト
主要人物以外にも、相関図の外周を固める俳優陣が揃っています。彬のもう一人の叔父で東海観光社長の階堂崇を児嶋一哉さん、彬の母で一磨の妻・階堂聡美を戸田菜穂さんが演じました。山崎家は、瑛の父で山崎プレス工場を営む山崎孝浩を杉本哲太さん、母の山崎淑子を酒井美紀さんが担当しています。山崎プレス工場の元従業員・保原茂久を塚地武雅さん、瑛が幼少期に出会ったバンカー・工藤武史を満島真之介さんが演じ、瑛の原点を形づくりました。さらに井口ファクトリーの社長・井口雅信を宇野祥平さん、その妻・井口由子を馬淵英里何さんが演じています。
ドラマ版『アキラとあきら』の主要キャスト紹介
続いて2017年のWOWOW版『アキラとあきら』キャスト・相関図を見ていきます。同じ役でも俳優が変わることで印象が大きく変わるのが、この作品の面白さです。
向井理(階堂彬役)
ドラマ版で階堂彬を演じたのは向井理さんです。東海郵船の御曹司でありながら家業を継がず、産業中央銀行に入行した冷静沈着なバンカーとして描かれます。全9話という尺があるぶん、彬が家を出るまでの葛藤や少年期の描写に厚みがあるのがドラマ版の特徴です。少年期を小野寺晃良さん、幼少期を大西利空さんが演じました。
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斎藤工(山崎瑛役)
ドラマ版の山崎瑛を演じたのは斎藤工さんです。倒産した町工場の息子として、「人を救うバンカーになる」という信念を抱えて銀行で働きます。映画版の竹内涼真さんが青さと熱を前面に出したのに対し、斎藤さんの瑛はより静かに信念を守り続けるタイプとして造形されています。少年期を神尾楓珠さん、幼少期を石川樹さんが演じました。
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賀来賢人(階堂龍馬役)
彬の弟・階堂龍馬をドラマ版で演じたのは賀来賢人さんです。兄が跡を継がなかったために東海郵船を背負うことになった人物で、映画版の髙橋海人さんと同じ立ち位置ながら、より長い時間をかけて追い詰められていく過程が描かれます。少年期は込江海翔さんが演じました。
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小泉孝太郎(安堂章二役)
産業中央銀行の行員・安堂章二を演じたのは小泉孝太郎さんです。瑛や彬と同じ銀行内に身を置く人物として、組織の論理を体現する役どころを担います。
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ドラマ版のその他のキャスト
ドラマ版では、瑛と縁の深い女性・北村亜衣を田中麗奈さん(少女期は山田杏奈さん)、産業中央銀行の行員・水島カンナを瀧本美織さんが演じました。瑛の父で山崎プレス工業を営む山崎孝造は松重豊さんが担当しています。階堂家の叔父二人は、東海商会社長の階堂晋を木下ほうかさん、東海観光社長の階堂崇を堀部圭亮さんが演じました。産業中央銀行の融資部長・羽根田一雄は永島敏行さん、亜衣の父・北村利夫は尾美としのりさんです。父・階堂一磨役の石丸幹二さんは、前述の通り映画版と共通しています。
『アキラとあきら』のあらすじ
ここからは映画版を軸に、『アキラとあきら』のあらすじを追っていきます。
物語は瑛の幼少期から始まります。父・孝浩が経営する町工場が立ち行かなくなり、銀行が容赦なく債権を回収していく場面を、瑛は子どもとして目撃します。家族が失ったものの大きさと、銀行という存在の冷たさ。その記憶が「人を救うバンカーになる」という誓いに変わりました。一方の彬は、東海郵船の御曹司として何不自由なく育ちながら、与えられた立場ではなく自分の力で勝負したいと考え、家業を継ぐことを拒んで産業中央銀行に入行します。
二人が初めて正面からぶつかるのが、新人研修の融資判定演習です。彬は数字を組み立てて融資を通そうとし、瑛はその組み立てに潜む矛盾を見抜いて融資見送りと判断します。どちらも間違ってはいないのに、立っている場所がまるで違う。この一場面が、二人の関係を決定づけました。
中盤、瑛は自分の判断を曲げなかった結果として地方の支店へ左遷されます。しかし赴任先で中小企業の再生に地道に取り組み、実績を積み上げて本店へ返り咲きました。その頃、彬の実家では事態が静かに悪化していきます。叔父の階堂晋と階堂崇が主導するリゾート施設建設計画が暴走し、リーマンショックの直撃を受けて赤字が雪だるま式に膨らんでいったのです。東海郵船を継いだ弟の龍馬は、兄に相談することもできないまま追い詰められ、ついに倒れてしまいます。産業中央銀行の水島カンナは東海郵船の資金運用に不自然な点を見つけますが、龍馬にはぐらかされてしまいます。
『アキラとあきら』キャスト・相関図でたどる結末と主題歌・配信情報

ここからは『アキラとあきら』キャスト・相関図の後半、つまり階堂グループの危機に二人がどう決着をつけるのかを見ていきます。あわせて主題歌と配信情報、ドラマ版と映画版の違いも整理します。この先は結末に触れますので、未見の方はご注意ください。
- 彬は銀行を辞め、東海郵船の社長として一族の危機に正面から向き合う
- 瑛は銀行側の担当として彬と手を組み、再建のための稟議書を練り上げる
- 融資額は140億円から90億円へ圧縮され、稟議は本部長の承認を得て通る
- キャッチコピー「最後に土下座するのは誰だ!?」の答えは主人公自身だった
- 映画版主題歌は back number の書き下ろし「ベルベットの詩」
『アキラとあきら』の結末とネタバレ
追い詰められた階堂グループに対し、彬が選んだのは銀行を辞めて東海郵船の社長に就任するという道でした。かつて継ぐことを拒んだ家業に、自分の意思で戻る。序盤で「与えられた立場ではなく自分の力で」と言っていた彬が、最終的に自分の力で家を背負うことを選ぶという反転が、この作品の芯にあります。
一方の瑛は、産業中央銀行の担当者として彬の向かいに座ります。かつて研修で衝突した二人が、今度は同じ稟議書を挟んで向き合う。二人が組み立てた再建案は、東海商会と東海観光を東海郵船の傘下に収めたうえで、赤字の元凶であるリゾート施設と東海商会をセットで売却するというものでした。これにより必要な融資額は当初の140億円から90億円まで圧縮されます。この数字の詰めが、融資部の関門を突破するための鍵になりました。稟議は本部長の承認を得て通り、階堂グループは倒産の危機を脱します。
そして「最後に土下座するのは誰だ!?」というキャッチコピーの答えです。頭を下げたのは、追い詰められた叔父たちではなく、彬自身でした。グループを一つにまとめるために、彬は叔父たちへ「一緒にやり直そう」と頭を下げます。責任を追及して切り捨てるのではなく、頭を下げて取り込む。融資という仕事が最終的に何を救うのかという問いに、この場面が答えを出しています。
ラストシーンは瑛の故郷です。幼い日のペンダントの場面が重ねられ、生まれも育ちも正反対だった二人が確かに同じ場所にたどり着いたことが描かれて、物語は幕を閉じます。
『アキラとあきら』の主題歌
映画版の主題歌は、back number の「ベルベットの詩」です。映画のために書き下ろされた新曲で、公開日と同じ2022年8月26日に配信リリースされました。理想と現実のあいだで揺れながらも進み続ける二人の姿に、静かに寄り添うバラードです。
なお2017年のWOWOWドラマ版については、ボーカル曲の主題歌は確認できていません。劇伴を担当したのは羽岡佳さんで、「『アキラとあきら』メインテーマ」を含むオリジナル・サウンドトラックが2017年8月23日に発売されています。重厚な弦の響きが、階堂家の重みをそのまま音にしたような楽曲です。
『アキラとあきら』の配信情報
2022年の映画版は、U-NEXT と Amazon Prime Video で配信されています。2017年のWOWOWドラマ版(全9話)は、WOWOWオンデマンドと U-NEXT で視聴可能です。U-NEXT であれば映画版とドラマ版の両方が揃うため、見比べたい方には都合が良いでしょう。なお配信状況は時期によって変動しますので、視聴前に各サービスの公式サイトで最新の取り扱いを確認してください。
ドラマ版と映画版の違い
同じ原作から作られた二つの映像化ですが、押さえておきたい違いが四つあります。
一つ目が時代設定です。原作とドラマ版は1970年代前半のオイルショックから始まり、バブル期を経て失われた10年までの約30年間を描きます。対して映画版はリーマンショック(2008年)前後へと時代を移しました。バブルという狂騒を経験した世代の物語か、金融危機に直撃された世代の物語かで、同じ倒産危機でも手触りがかなり変わります。
二つ目が尺です。全9話のドラマ版に対し、映画版は128分。少年期のエピソードや銀行内部の描写は映画版では大きく圧縮され、そのぶん瑛と彬の対立軸に焦点が絞られています。
三つ目が二人の関係の描き方です。原作では瑛と彬は互いを認め合う親友のような間柄として描かれますが、映画版では理想主義者と現実主義者のライバルとして明確に対置されました。この改変が、映画版の緊張感を生んでいます。
四つ目がキャストの重なりです。ドラマ版と映画版でキャストはほぼ総入れ替えになっており、共通しているのは父・階堂一磨役の石丸幹二さんだけ。相関図を見るときに「どちらの版か」を最初に確認すべき理由がここにあります。
『アキラとあきら』キャスト・相関図まとめ
- 原作は池井戸潤の小説『アキラとあきら』で、2017年5月17日に徳間文庫から文庫オリジナルとして刊行された
- 2020年8月20日には集英社文庫版が上下巻で刊行されている
- 最初の映像化は2017年7月9日から9月3日までWOWOWプライムで放送された「連続ドラマW」全9話
- ドラマ版は向井理が階堂彬、斎藤工が山崎瑛を演じるW主演だった
- ドラマ版の演出は水谷俊之と鈴木浩介、脚本は前川洋一、音楽は羽岡佳が担当した
- ドラマ版は第34回ATP賞テレビグランプリ ドラマ部門で最優秀賞を受賞している
- 二度目の映像化は2022年8月26日に東宝配給で公開された劇場映画(128分・興行収入7億6700万円)
- 映画版は竹内涼真が山崎瑛、横浜流星が階堂彬を演じ、監督は三木孝浩、脚本は池田奈津子が務めた
- 弟の階堂龍馬はドラマ版が賀来賢人、映画版が髙橋海人(King & Prince)と配役が入れ替わっている
- 父・階堂一磨役の石丸幹二だけが、ドラマ版と映画版の両方に出演している
- 相関図は「階堂家(東海郵船)」「山崎家(町工場)」「産業中央銀行」の三つの軸で整理できる
- 危機の火種は叔父の階堂晋・階堂崇が主導したリゾート施設建設計画だった
- 映画版では階堂晋をユースケ・サンタマリア、階堂崇を児嶋一哉が演じた
- 映画版の水島カンナ役・上白石萌歌が、東海郵船の不自然な資金運用に最初に気づく
- 映画版の江口洋介は上野支店副支店長・不動公二として瑛の上司を務めた
- 結末では彬が銀行を辞めて東海郵船の社長に就任し、瑛が銀行側の担当として手を組む
- 再建案により必要な融資額は140億円から90億円へ圧縮され、稟議は本部長の承認を得て通った
- キャッチコピー「最後に土下座するのは誰だ!?」の答えは、叔父たちに頭を下げた彬自身だった
- 映画版の主題歌は back number が書き下ろした「ベルベットの詩」(2022年8月26日配信リリース)
- 配信は映画版が U-NEXT と Amazon Prime Video、ドラマ版が WOWOWオンデマンドと U-NEXT
『アキラとあきら』は、「融資」という一見そっけない仕事を通して、人が人を救うとはどういうことかを問い続ける作品です。キャスト・相関図を頭に入れてから見返すと、序盤の研修シーンでの一言が終盤の稟議書にどうつながっていたのかがはっきり見えてきます。映画版とドラマ版はどちらも U-NEXT で揃いますので、見比べてみるのもおすすめです。
参照元
- Wikipedia「アキラとあきら」
- 連続ドラマW アキラとあきら(全9話)|WOWOW
- アキラとあきら|WOWOWオンデマンド
- アキラとあきら 作品情報・キャスト・あらすじ|映画.com
- 映画『アキラとあきら』キャスト一覧・相関図|ciatr
- 映画『アキラとあきら』キャスト・登場人物・出演者一覧|ORICON NEWS
- back number「ベルベットの詩」配信リリース|SPICE
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