
太皇太后が権力を握る架空王朝・大蒼(たいそう)国を舞台に、冷酷無比と恐れられる内衛府の大閣領・沈渡(しんと)と、身代わり花嫁として嫁ぐことになった刑部書吏・顔幸(がんこう)の関係が、数々の事件と宮廷の陰謀の中で変化していく──。
『長楽曲(ちょうらくきょく)~白い愛、黒い罪~』(原題:长乐曲/英題:Melody of Golden Age)は、「先婚後愛(結婚後に愛が芽生える)」ロマンスと、冤罪・人身売買・権力闘争を描くサスペンス色の濃い中国時代劇です。(Cinem@rt)
2024年に中国・MangoTVで配信され、全40話が放送されたのち、2025年にはLaLa TVで日本初放送、さらに2025年12月からU-NEXTで先行配信が決定している注目作。(CPOP HOME)
主演は『花の都に虎われて~The Romance of Tiger and Rose~』などで人気の丁禹兮(ディン・ユーシー)と、映画『チィファの手紙』でも知られる邓恩熙(ドン・エンシー)。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
この記事では、ドラマの基本情報からキャスト・相関図イメージ、全体のあらすじと見どころ、視聴前に押さえたいポイントまでを、できるだけネタバレを抑えつつ丁寧にまとめていきます。
記事のポイント
- 『長楽曲~白い愛、黒い罪~』の基本データ(原題・英題・制作年・話数・ジャンル)を整理し、どんなタイプの時代劇なのかを分かりやすく紹介
- 沈渡・顔幸・来羅織・陸垂垂・太皇太后といった主要人物の関係を、相関図をイメージできるように言葉で解説
- 序盤/中盤/終盤それぞれのあらすじと見どころを追いながら、「先婚後愛」ロマンスと事件パートのバランスをチェック
- 来羅織×陸垂垂など、サブキャラクター同士の関係や切ない恋模様にも触れて、ラブストーリー面の魅力を深掘り
- 原作小説『長安銅雀鳴』との関係や、OST・配信情報・似たテイストのおすすめ作品まで触れ、視聴のガイドとして使える形に整理
【中国ドラマ】『長楽曲~白い愛、黒い罪~』キャスト・相関図・あらすじ

チェックポイント
- 原題・英題・放送年・話数などの基本情報を最初に押さえておくと、作品の全体像がつかみやすい
- 舞台となる「大蒼国」は架空王朝だが、宮廷・官僚組織・秘密警察などが複雑に絡む政治劇の要素が強い
- 沈渡・顔幸・来羅織・陸垂垂・潘馳・太皇太后を中心に、皇室と官僚と庶民が入り混じった人間関係が展開する
- 物語は「身代わり花嫁」から始まり、事件捜査を軸にしたミステリーとロマンスが並走する構成
- 事件の内容には児童の人身売買や冤罪など重いテーマも含まれるため、軽めのラブコメとは一線を画す作品世界になっている
『長楽曲~白い愛、黒い罪~』とは?原題・英題・制作年・話数など基本情報
まずは作品の基本データを整理しておきましょう。
- 原題:长乐曲
- 邦題:長楽曲(ちょうらくきょく)~白い愛、黒い罪~
- 英題:Melody of Golden Age
- 制作年:2024年
- 話数:全40話
- 監督:王威(ワン・ウェイ) ─ 『尚食~美味なる恋は紫禁城で~』『大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~』など(Cinem@rt)
- 脚本:馮静凌(フォン・ジンリン)ほか(Cinem@rt)
- ジャンル:ロマンス時代劇/サスペンス/宮廷ドラマ(ドラマヴィータ)
中国ではMangoTVなどで2024年8月26日〜9月18日に配信され、時代劇ジャンルで年間視聴数1位を記録するヒット作となりました。(CPOP HOME)
日本では2025年9月24日からLaLa TVで日本初放送がスタートし、2025年12月1日からはU-NEXTで独占先行配信が始まる予定です。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
「先婚後愛」ロマンスに、宮廷の権力闘争や連続殺人、人身売買といった重い事件が絡む構成で、甘いだけのラブ史劇とは一味違う、ややダーク寄りの作品として語られています。(アメーバブログ(アメブロ))
舞台となる大蒼王朝と時代背景:皇帝一族と朝廷の権力バランス
物語の舞台は、架空の王朝・大蒼国。皇帝と皇太子が早くに亡くなり、幼い皇太孫が新たな皇帝として即位しているため、実権は太皇太后が握っています。(アメーバブログ(アメブロ))
宮廷内には、いくつもの権力ラインがあります。
- 太皇太后陣営:幼帝を後ろ盾に、内衛府や御察司などの機構を掌握
- 内衛府(ないえいふ):沈渡が率いる、治安維持と捜査・監視を担う秘密警察的機関
- 刑部:顔幸や陸垂垂が所属する司法機関。法務や裁判、記録管理などを行う
- 御察司:来羅織が作り上げた、密告と拷問を専門とする組織。強権的な捜査で恐れられている(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
太皇太后は表向きは慈悲深い“国母”として描かれつつも、権力維持のためには手段を選ばない冷徹さも持ち合わせています。沈渡や来羅織など、彼女の庇護のもとで権勢をふるう官僚たちも、過去の悲劇や秘密を抱えており、単なる悪役・善人では割り切れない立体的な人物として描かれるのが特徴です。(ウィキペディア)
視聴するときは、「誰が誰に直属しているのか」「誰がどの派閥か」を頭の片隅に置いておくと、ストーリーが格段に追いやすくなります。
メインキャスト・登場人物一覧と相関図(沈渡/顔幸/来羅織/陸垂垂/大蒼皇室 ほか)
ここでは、物語の中心となる主要キャラクターの関係を、相関図をイメージしやすい形で整理します。
沈渡(しんと)/演:ディン・ユーシー
内衛府の大閣領で、「白無常」と恐れられる冷酷な捜査官。太皇太后に直属し、反逆者や罪人の摘発・監視・暗殺まで担う“刃”のような存在です。
実は自身も出自に秘密を抱えており、家族に濡れ衣を着せた真犯人を追い続けているという過去があります。(Cinem@rt)
顔幸(がんこう)/演:ドン・エンシー
刑部の書吏として働きながら、類まれな観察眼と推理力で、街中の小さな事件を次々に解決しているヒロイン。
名家・顔家の庶出の娘で、異母姉・顔采薇の身代わりとして沈渡のもとへ嫁ぐことになります。庶子ゆえのコンプレックスを抱えつつも、正義感が強く、弱者に寄り添うタイプ。(アメーバブログ(アメブロ))
来羅織(らい・らしょく)/演:マオ・ズージュン
御察司の中丞で、「黒羅刹」と呼ばれる冷血な官僚。密告制度と拷問に長けた組織を作り上げ、太皇太后に忠誠を誓う一方、その方法の苛烈さゆえに多くの恨みを買っています。
陸垂垂への歪んだ恋心や、自身の出生に絡む大きな秘密が物語後半のキーとなる人物です。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
陸垂垂(りく・すいすい)/演:シアオ・イエン
刑部の令史であり、陸家のお嬢様。顔幸の同僚であり親友で、仕事でも私生活でも彼女を支える存在です。
亡き母の墓前で出会った仮面の男に惹かれ、その正体が来羅織であると知った後も、複雑な感情を抱き続けます。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
潘馳(はん・ち)/演:スン・ゾーユエン
「民間第一の神探」と呼ばれる天才探偵。顔幸と陸垂垂の友人として登場し、難事件の解決に協力します。コミカルな立ち位置ながら、物語の緊張をほぐしてくれる貴重な存在です。(ウィキペディア)
太皇太后
幼帝を操る事実上の最高権力者。沈渡や来羅織を重用している張本人であり、多くの悲劇の根源にも関わっている可能性が匂わされます。淑妃や空山将軍の過去とも深く関係しており、終盤にかけてその真相が明かされていきます。(ウィキペディア)
このように、
- 沈渡×顔幸 … 先婚後愛の夫婦
- 来羅織→陸垂垂 … こじれた片想い
- 顔幸&陸垂垂&潘馳 … 事件解決トリオ
- 太皇太后⇄沈渡・来羅織 … 権力の源とその“刃”
という関係線を思い浮かべると、人物相関がかなり整理しやすくなります。
あらすじ概要:身代わり花嫁から始まる“先婚後愛”ロマンスと人身売買事件
物語は、児童の人身売買事件を沈渡が解決し、その功績として太皇太后から顔家令嬢・顔采薇との婚姻を賜るところから始まります。(アメーバブログ(アメブロ))
しかし、国中から怖れられる「白無常」に嫁ぐことを嫌がった采薇は恋人と駆け落ち。同じ顔家の庶出の娘である顔幸が、姉の代わりに嫁ぐと名乗り出ます。
沈渡は表向き冷淡にそれを受け入れますが、実は二人の間には過去に出会っていた因縁があり、「身代わり」以上の感情が揺れ始めていることが、徐々に明らかになっていきます。(アメーバブログ(アメブロ))
結婚生活は決して甘いものではなく、沈渡は仕事を優先し、顔幸もまた刑部での仕事と捜査に夢中で、夫婦としての距離はなかなか縮まりません。
そんな中、都では連続殺人事件や芸子失踪事件、宮廷内での冤罪など、さまざまな事件が発生。沈渡は内衛府として、顔幸は刑部や潘馳と協力しながら、それぞれの立場で事件に向き合います。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
事件の裏では、太皇太后と来羅織、そして沈渡の過去が複雑に絡み合っており、真相に迫る過程で、皇室の秘密・出自の真実・権力腐敗といった大きなテーマが浮かび上がっていきます。
愛のない婚姻から始まった沈渡と顔幸の関係は、数々の事件を共に乗り越える中で信頼と愛情へと変わっていきますが、その道のりは決して一直線ではありません。
1話〜10話のあらすじと見どころ(序盤:婚姻と捜査、ふたりのすれ違い)
序盤(1〜10話)は、「身代わり婚」と、夫婦になった直後の二人のギクシャクした関係がメインです。
- 顔幸が沈渡の屋敷に嫁ぎ、屋敷のしきたりや内衛府の仕事ぶりに戸惑いながらも、自分らしさを崩さずに暮らし始める
- 太皇太后の前で、沈渡が“怖い夫”を演じつつ、裏では顔幸を危険から遠ざけようとする細かな仕草が描かれる
- 刑部では、顔幸と陸垂垂が、奇妙な死体や失踪事件などを追う中で、事件の背後にある人間模様に直面していく(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
特に印象的なのが、西明寺で起きた心中事件と思われた一件。
男女二人が抱き合うように亡くなっていたため、最初は心中と見られますが、顔幸は遺体の細かな状況から「殺人」と見抜き、陸垂垂とともに現場を再検証していきます。内衛府側の視点と刑部側の視点が、同じ事件の中で交差していく構図が、作品のスタイルをよく示しています。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
この段階では、沈渡と顔幸の距離感はまだ遠く、
- 沈渡:感情を隠し、必要最低限の言葉しかかけない
- 顔幸:自分を“予備の花嫁”としか見ていないと感じ、内心傷つきつつ仕事に逃げる
という、すれ違いの状態が続きます。ただし、事件の中で顔幸が危険に晒されるたびに、沈渡が思わず本心をのぞかせる瞬間があり、視聴者的には「ツンツンの裏でめちゃくちゃ気にしてるじゃん…」とニヤリとしてしまうはずです。
11話〜25話のあらすじと見どころ(中盤:宮中の陰謀と権力闘争の激化)
中盤(11〜25話)は、物語のスケールが一気に大きくなり、宮廷内の権力争いや、皇室にまつわる古い事件の真相が本格的に動き始めます。(ウィキペディア)
- 過去の淑妃の死や、空山将軍の粛清にまつわる真相が少しずつ明かされ、太皇太后の“聖なるイメージ”に陰りが見え始める
- 来羅織が御察司を通して権力を拡大し、沈渡と対立する機会が増える
- 陸垂垂と潘馳も事件に深く関わるようになり、三人三様の立場から真実に迫ろうとする
この頃になると、沈渡と顔幸の間にも、
- 共に事件の真相を追いかける「バディ」的な信頼感
- 互いを守りたいという気持ちからくる、言葉にならない優しさ
が生まれてきます。一方で、「権力側の刃」として生きてきた沈渡のやり方と、「一人ひとりの弱者を守りたい」顔幸の価値観が衝突する場面も多く、単純なイチャイチャ展開にはならないのがこのドラマらしいところです。(ウィキペディア)
また、来羅織の背景もこのあたりから深堀りされます。
彼がなぜこれほどまでに冷酷で、なぜ太皇太后に歪んだ忠誠を捧げているのか。自分のルーツを誤解したまま生きてきた男の生き方が、陸垂垂への執着とも重なり、ただの悪役ではない悲劇性が浮かび上がっていきます。(ウィキペディア)
26話〜最終回のあらすじと見どころ(終盤:黒幕の正体と真相解明、ふたりの結末)
終盤(26〜40話)は、それまで積み重ねられてきた伏線が一気に回収される、怒涛の展開です。
- 皇室の血筋にまつわる真相、太皇太后の本当の狙い、来羅織の出自の秘密などが次々と明らかになる
- 過去に起きた冤罪事件や失踪事件が一本の線につながり、「誰が、いつ、何のために仕組んだのか」が解き明かされていく
- 沈渡自身もまた、権力の道具として生きるのか、それとも顔幸と共に“違う未来”を選ぶのか、人生の選択を迫られる(ウィキペディア)
来羅織と陸垂垂の関係もクライマックスを迎えます。
陸垂垂を得るためならどんな手でも使おうとする来羅織の愛情は、決して健康的とは言えませんが、そこには彼なりの孤独や渇望が滲んでおり、視聴者の感情も揺さぶられます。中国メディアでは、「古代版・掌中の物」といった表現で、この歪んだ関係性の魅力が語られました。(搜狐)
最終回では、
- 権力闘争に決着がつき、誰が裁かれ、誰が生き残るのか
- 沈渡と顔幸が、どのような形で“夫婦”としての答えを出すのか
が描かれます。ハッピーエンド寄りではありますが、道のりが険しい分だけ、ラストの余韻はかなり濃く感じられるはずです。
大蒼皇室の人物関係:太皇太后・皇帝一族・重臣たちの立場と役割
皇室と重臣たちの構図をざっくり整理すると、次のようになります。(ウィキペディア)
- 太皇太后
幼帝を擁立し、事実上の最高権力者。表向きは国を守るために厳しい決断をしているように見えますが、その過程で多くの犠牲を生んできた人物でもあります。 - 幼帝(皇太孫)
まだ幼く、政治的にはほぼ発言権がありません。太皇太后の“正当性”を支える存在に過ぎない状態から、物語を通じて少しずつ変化していきます。 - 淑妃・空山将軍
過去の事件で命を落とした人物たちで、その死の真相が沈渡や来羅織の人生を大きく歪めています。 - 沈渡(内衛府)・来羅織(御察司)
いずれも太皇太后の“刃”として動く存在ですが、出自や価値観が違うため、互いに対立しつつも鏡のような関係性を持っています。
物語終盤で、「誰が本当に国のために動いていたのか」「誰が自分自身のためだけに権力を欲していたのか」がはっきりしてくると、序盤からのエピソードの見え方がガラッと変わってくる仕掛けになっています。
長楽曲の主題歌・OST・挿入歌の情報とドラマを支える音楽の雰囲気
『長楽曲~白い愛、黒い罪~』には、全20曲収録のOSTが存在し、劇中の緊張感ある捜査シーンから、胸がぎゅっとなるラブシーンまで、幅広い感情を音楽で支えています。(SKM powered by BASE)
中でも、丁禹兮(ディン・ユーシー)が歌う曲《只愿你一人》は、沈渡の不器用な愛情や、顔幸への一途な想いを象徴する楽曲としてファンの間でも人気。切なさと温かさが同居するバラードで、重要な場面で流れると一気に感情が持っていかれます。(note(ノート))
全体としては、
- 捜査シーンやアクションシーンでは、低音の効いたストリングスと打楽器で緊張感を演出
- 宮廷や貴族の宴の場面では、雅楽風の旋律や古楽器を思わせる音色で“黄金期”の華やかさを表現
- ラブシーンでは、ピアノや柔らかいストリングス中心のメロディで、キャラクターの心理に寄り添う
といった構成になっており、「映像だけでなく音楽も含めて世界観に浸りたい」タイプの視聴者にはかなり刺さる作りになっています。
中国・日本での放送スケジュールと配信情報(MangoTV/U-NEXT ほか最新状況の調べ方)
中国本土では、Hunan Mgtv.com(MangoTV)を中心に、2024年8月26日〜9月18日にかけて配信され、時代劇ジャンル視聴数1位を記録しました。(CPOP HOME)
日本での展開は次の通りです。
- LaLa TV 日本初放送
2025年9月24日(水)より、日本初放送として放送開始(毎週月〜金)。(kaigai-dorama.net) - U-NEXT 独占先行配信
2025年12月1日より、U-NEXTで全40話の独占先行配信がスタート予定。(Cinem@rt)
視聴の際は、
- 最新の配信状況 → 各動画配信サービスの公式サイト
- 再放送や一挙放送 → LaLa TVなどCSチャンネルの番組表
をチェックするのがおすすめです。
また、DVD-BOXやレンタルも2026年2月以降に順次リリースされる予定と発表されています。(Cinem@rt)
公式サイト・予告動画・相関図画像など視聴前にチェックしたい参考リンク
視聴前に情報を整理しておきたい人は、次のような公式・準公式情報をチェックしておくと便利です。
- 日本向けの作品紹介ページ(CinemartやCulture-Pubなど)
─ ここでキャスト・スタッフ一覧、基本ストーリー、放送・配信情報がまとまっています。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS) - LaLa TVやU-NEXTの特設ページ
─ 予告動画や場面写真、キャンペーン情報などを確認できます。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン) - 中国ドラマ専門ブログやキャスト解説サイト
─ 主要キャストのプロフィールと相関図が分かりやすくまとまっており、「この俳優どこかで見たことある…」というモヤモヤ解消に役立ちます。(中華の風)
公式の相関図画像は、放送局や配信サービスの特設ページに掲載されることが多いため、視聴前に一度目を通しておくと、人物の顔と名前が頭に入りやすくなります。
【中国ドラマ】『長楽曲~白い愛、黒い罪~』キャスト・相関図・あらすじを理解したら

チェックポイント
- 主役カップル・沈渡×顔幸は、単なる“ツンデレ×庶民派ヒロイン”ではなく、正義の形をめぐって何度もぶつかる関係性
- 来羅織×陸垂垂のラインは、倫理的には危ういものの、ドラマとしては非常にドラマチックで記憶に残る
- 事件パートは、冤罪・児童の人身売買・権力による情報操作など、重いテーマを扱っており見応えがある
- 原作小説『長安銅雀鳴』からのドラマ化であり、映像化にあたってロマンスや事件の比重が調整されている
- ディン・ユーシーやドン・エンシーなどキャスト陣の魅力・代表作を押さえておくと、他作品への興味も広がる
沈渡×顔幸の関係性を深掘り:恐れられた官僚と身代わり花嫁の“先婚後愛”ラブストーリー
沈渡と顔幸の関係性は、まさに「先婚後愛」の王道パターンですが、本作ではそこに**“正義の形”をめぐる対立**が重ねられているのがポイントです。(ウィキペディア)
- 沈渡:
国と秩序を守るためなら犠牲もやむなし、と考えるタイプ。冷酷な尋問や粛清も辞さないため、「白無常」と恐れられている。 - 顔幸:
一人ひとりの弱者の声を拾い上げたい、というスタンス。庶出の娘として理不尽を味わってきた経験から、“誰かを切り捨てて守る正義”に強い抵抗感を持っている。
最初は価値観がまったく噛み合わず、
- 顔幸は沈渡を「血も涙もない権力者」だと思っている
- 沈渡は顔幸を「理想論ばかり語る危なっかしい女」と見ている
という状態からスタートします。
しかし、幾度となく事件現場で協力し、互いの過去や傷に触れていくうちに、
- 沈渡は「守るべきもの」が“国家”から“国家と、特定の人”へと変化していく
- 顔幸もまた、「どんな犠牲も認めない」という思いと、「現実的な落としどころ」の間で悩むようになる
という変化を経験します。
特に中盤以降、
「もし君を守るために誰かを犠牲にしなければならないとしたら、君はどうする?」
という問いが、二人を何度も揺さぶります。視聴者としても、「自分ならどちらを選ぶのか」と考えさせられる場面が多く、単なる胸キュンに留まらないラブストーリーとして印象に残ります。
来羅織・陸垂垂・永安皇女ほかサブキャラクターの魅力とドラマへの影響
本作を語るうえで欠かせないのが、来羅織×陸垂垂のラインです。
来羅織は、太皇太后に忠誠を誓う御察司の中丞で、「黒羅刹」と恐れられる存在。一方の陸垂垂は、顔幸の親友であり、明るくしなやかな刑部の令史。
二人の関係は、典型的な「大きな闇を抱えた男と、光のような女性」という構図で、健康的とは言い難いものの、非常にドラマ性の高い組み合わせになっています。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
また、サブキャラクターとしては、
- 潘馳:事件解決に協力する天才探偵。ひょうひょうとした態度でありながら、核心を突く推理を見せる
- 永安皇女:皇室の一員として、政治的な駆け引きの中で翻弄される女性。立場ゆえに自由な恋愛が許されず、視聴者の同情を誘う存在
- 徐婉 ほか宮廷の女官たち:太皇太后の身近で動く存在として、宮廷の空気感をリアルに伝えてくれる脇役陣
などが、物語に厚みを加えています。(アメーバブログ(アメブロ))
沈渡×顔幸の主役ラインが「正義と愛」を描く軸だとすれば、来羅織×陸垂垂のラインは「執着と喪失」、皇女たちの物語は「立場に縛られた女性たちの生き方」を描いており、それぞれが異なる恋愛・人生観を提示しているのが本作の面白さです。
サスペンス&政治劇としての見どころ:冤罪・陰謀・黒幕をめぐる駆け引き
ラブロマンスだけでなく、サスペンスや政治劇としての見応えも本作の大きな魅力です。(ウィキペディア)
主な見どころとしては、
- 過去の冤罪事件が、現在の権力構造を形作っているという構図
- 児童の人身売買や芸子失踪事件など、「弱者が狙われる」事件が続発する社会背景
- 内衛府・刑部・御察司といった組織同士の対立と協力
- 事件捜査の裏で暗躍する黒幕の存在と、その正体に迫っていく過程
などが挙げられます。
推理ものとしては、「一話完結の事件」が積み重なるタイプではなく、一本の大きな陰謀に複数の事件が絡んでいるタイプなので、ある程度集中して観る必要がありますが、そのぶん真相に近づくにつれてのカタルシスは大きいです。
特に、「誰が何のために情報を隠しているのか」「なぜこのタイミングで証拠が出てきたのか」といった情報戦の描写が丁寧で、単に犯人を当てるだけでなく、権力の怖さや情報操作の巧妙さにも目が向く構成になっています。
人身売買や権力腐敗など、物語に潜む社会的テーマとメッセージ性
『長楽曲』はフィクションの架空王朝ものですが、扱っているテーマは現代とも地続きです。
- 子どもや女性を狙った人身売買
- 権力側に都合の悪い真実が握りつぶされる構造
- 冤罪を知りながらも声を上げられない官僚たち
- 「国のため」という名目で個人の人生が犠牲にされる理不尽さ(アメーバブログ(アメブロ))
これらは、時代や国が違っても繰り返されてきた問題でもあります。
顔幸は、「弱い者を守りたい」「理不尽を見過ごせない」というスタンスから、たびたび組織の論理と衝突しますが、その姿勢は、視聴者にとっても一つの“理想”として映ります。
一方で、沈渡や来羅織のように、「大きなものを守るためには、誰かの犠牲は仕方ない」と考える人々の論理も、単純には否定しきれません。
本作は、どちらか一方を断罪するのではなく、**「どの正義を選ぶか」**を視聴者に委ねるような描き方をしているのが印象的です。
原作小説『長安銅雀鳴』との違いとドラマオリジナル要素(改変点・追加エピソード)
『長楽曲』は、作家・凤凰栖による小説『长安铜雀鸣』を原作としたドラマです。(ウィキペディア)
原作小説は、
- 刑部の女官として活躍するヒロインの成長
- 権力の闇と、そこで苦しむ人々の姿
- 複雑な事件のからくり
といった要素が強く、ミステリー色の濃い物語として知られています。
ドラマ版では、
- ロマンス要素(沈渡×顔幸、来羅織×陸垂垂など)がより強調されている
- サブキャラクターのエピソードが追加され、カップル数も増えている
- 視覚的なインパクトを出すために、一部の事件やクライマックスの配置が再構成されている
など、“映像作品としての盛り上がり”を意識した調整が入っているとされています。
細かな改変点については、中国ファンサイトやレビューでさまざまな意見が語られていますが、共通しているのは
「原作の骨格を保ちつつ、ドラマとしての見やすさとエモさが増している」
という評価です。(Chasing Dramas)
原作を読んでからドラマを見ると、「このシーンはこういうふうに膨らませたのか」という違いが楽しめますし、逆にドラマから入って「もっとじっくり世界観に浸りたい」という人は小説に手を伸ばしてみるのもおすすめです。
ディン・ユーシー&ドン・エンシーをはじめとした俳優陣の演技と過去出演作の紹介
主演の**丁禹兮(ディン・ユーシー)**は、『花の都に虎われて~The Romance of Tiger and Rose~』でブレイクして以来、『七時吉祥~エンドレス・ラブ~』『大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~』など、ロマンス史劇を中心にヒット作を連発してきた俳優です。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
これまでの“爽やか系”のイメージに対し、『長楽曲』ではダークヒーロー寄りの沈渡を演じることで、新たな魅力を見せています。冷たい眼差しと、ふとした瞬間に見せる優しさのギャップが非常に大きく、「こういう役が一番似合うのでは?」という声も多いキャスティングです。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
ヒロインの**邓恩熙(ドン・エンシー)**は、映画『嫌疑人X的献身(容疑者Xの献身)』や『チィファの手紙』で注目を浴び、その後『二択の初恋』などでヒロインを務めてきた若手注目株。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
顔幸というキャラクターに、聡明さと素朴さ、庶出ゆえのコンプレックスと、真っ直ぐな善良さを同時に宿らせており、「見ているうちにどんどん好きになるタイプのヒロイン」として高評価を得ています。
来羅織役の**マオ・ズージュン(茅子俊)**は、『麗王別姫~花散る永遠の愛~』『コウラン伝 始皇帝の母』などで日本でもおなじみの俳優。苦悩する敵役・拗らせた男を演じさせたら右に出る者はいないと言われるほどで、本作でもその持ち味が存分に発揮されています。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
陸垂垂役の**肖燕(シアオ・イエン)**は、『トキメキ☆翡翠ロマンス』『招揺』『新・白蛇伝』などで知られる実力派。明るさと芯の強さを併せ持つキャラクターが多く、本作でも陸垂垂というキャラに、可愛さと強さ、そして切なさをしっかり刻んでいます。(中華の風)
キャストそれぞれの代表作を追いかけていくと、
「この俳優の別作品も見てみたい」
と沼がどんどん深くなっていくタイプのドラマです。
衣装・美術・ロケ地から見る“黄金の時代”の世界観づくりとビジュアルの魅力
タイトルの英訳「Melody of Golden Age」が示す通り、本作のビジュアル面は**“黄金期”の華やかさと、その裏に潜む影**を意識して作られています。(アメーバブログ(アメブロ))
- 皇室や貴族の宴では、金糸をふんだんに使った豪華な衣装や、光を反射する装飾品が印象的
- 一方で、内衛府や御察司のシーンでは、暗色を基調とした冷たい色彩が使われ、緊張感と恐怖を強調
- 市井の街並みは、屋台や路地、寺院などを細かく作り込んだセットで表現され、事件現場としても機能している
特に沈渡と来羅織は、白無常/黒羅刹という二つ名にふさわしく、衣装や小物でもコントラストがはっきり付けられており、二人が対峙するシーンはそれだけで画になるような構図が多く見られます。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
ロケ地については、他の中国時代劇でもよく使われる撮影所やオープンセットが中心ですが、霧や光の入れ方、カメラワークによって、同じ場所でもシーンごとに印象が変わるよう工夫されています。
結果として、
「ストーリーが重いからこそ、映像の美しさが救いになる」
というタイプの作品に仕上がっており、画面の雰囲気が好みの人は、それだけで長時間視聴していても飽きないはずです。
視聴前・視聴後に押さえたいQ&A(話数構成・途中で失速しない見方・ネタバレ注意ポイント)
Q. 全40話って長くない?途中でダレない?
A. 中盤に政治パートがやや重くなるため、好みは分かれますが、事件の真相やキャラクターの過去が段階的に明かされていくので、「伏線回収を楽しめる人」にはむしろご褒美ゾーンです。ラブ寄りで見たい人は、恋愛が動き出す中盤以降に注目すると◎です。(Drama Slot)
Q. グロテスクな描写はある?
A. 殺人事件や拷問などを扱うため、設定としては重いですが、映像表現は中国ドラマの放送基準を意識して比較的マイルドに抑えられています。ただし、児童の人身売買や冤罪といったテーマに敏感な人は注意が必要です。(アメーバブログ(アメブロ))
Q. ロマンスとミステリー、どっちがメイン?
A. 序盤はミステリー寄り、中盤以降はロマンスと政治劇が強め、というバランスです。作品全体としては「ロマンス時代劇」に分類されていますが、「事件の少ないラブコメ」を期待するとギャップを感じるかもしれません。(ドラマヴィータ)
Q. ネタバレを避けるなら、どこまで予習していい?
A. キャスト・登場人物の立場・舞台設定・1〜2話の導入あらすじくらいまでなら事前に読んでおいても、視聴の楽しみは損なわれにくいです。黒幕の正体や、特定キャラクターの最期に触れているレビューは、視聴後に読むのがおすすめです。(Drama Slot)
『長楽曲』が好きな人におすすめの中国ロマンス史劇・“先婚後愛”系ドラマ
『長楽曲~白い愛、黒い罪~』を楽しめた人に向けて、似たテイスト・周辺作品も簡単に挙げておきます。
- 『花の都に虎われて~The Romance of Tiger and Rose~』
─ ディン・ユーシー主演のラブコメ寄り時代劇。脚本家が書いた“ご都合主義な台本の世界”に主人公が入り込むメタ系作品で、ツンデレ若様役が大人気に。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン) - 『七時吉祥~エンドレス・ラブ~』
─ 転生や運命をテーマにしたロマンス史劇。ディン・ユーシーの柔らかい表情を堪能したい人向け。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン) - 『大理寺日誌~謎解く少卿には秘密がある~』
─ 同じ王威監督による、ミステリー色の強い時代劇。事件捜査×ロマンス×コミカルな要素がバランス良く、長楽曲のミステリー部分が好きな人におすすめ。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン) - 『尚食~美味なる恋は紫禁城で~』
─ 宮廷料理人をテーマにしたロマンス史劇で、王威監督らしい細かな生活描写と宮廷政治の絡みが魅力。『長楽曲』よりも柔らかめの雰囲気です。(Cinem@rt)
重めのロマンスとサスペンスの組み合わせが好きなら、『長楽曲』からこのあたりの作品に広げていくと、中国時代劇沼をしっかり堪能できます。
【中国ドラマ】『長楽曲~白い愛、黒い罪~』キャスト・相関図・あらすじのまとめ
- 『長楽曲~白い愛、黒い罪~』は、2024年制作・全40話の中国ロマンス時代劇で、「先婚後愛」ロマンスとサスペンス要素を融合させた作品である。(ウィキペディア)
- 原題は「长乐曲」、英題は「Melody of Golden Age」で、中国ではMangoTVなどで配信され、日本ではLaLa TVでの初放送とU-NEXTでの独占先行配信が予定されている。(CPOP HOME)
- 舞台は架空王朝・大蒼国。太皇太后が実権を握る宮廷を背景に、“白無常”と恐れられる内衛府の大閣領・沈渡と、庶出の娘である刑部書吏・顔幸の関係が、身代わり婚から始まる。(アメーバブログ(アメブロ))
- 沈渡は冷酷な捜査官として恐れられながらも、家族の冤罪を晴らしたいという強い信念を持つ複雑な人物であり、顔幸は弱者を見捨てられない等身大のヒロインとして描かれる。二人の対立と歩み寄りが、物語の大きな軸になっている。(アメーバブログ(アメブロ))
- 来羅織・陸垂垂・潘馳・永安皇女などのサブキャラクターは、それぞれ異なる恋愛観や正義感を体現しており、単なる脇役ではなく、物語のテーマを多層的に広げる役割を担っている。(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
- 物語には児童の人身売買や冤罪、権力腐敗など重いテーマが織り込まれており、ミステリーとしての骨太さと、社会派ドラマとしての側面も持っている。(アメーバブログ(アメブロ))
- 原作小説『長安銅雀鳴』の設定をベースにしつつ、ドラマ化にあたってロマンスやサブキャラクターのエピソードが強化され、視聴者が感情移入しやすい構成に再構築されている。(ウィキペディア)
- 丁禹兮・邓恩熙・茅子俊・肖燕らキャスト陣は、それぞれの過去出演作で培ったイメージを活かしつつ、新たな一面を見せており、「この作品から俳優沼にハマる」パターンも多い。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
- 衣装や美術、音楽(OST)は、“黄金の時代”の華やかさと、その裏に潜む闇を視覚・聴覚の両面から表現しており、世界観に浸る楽しみを大きくしている。(ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン)
- ロマンス重視の視聴者は沈渡×顔幸の関係性に、サスペンス重視の視聴者は事件パートと黒幕の正体に、それぞれ違った角度から楽しめる“二度おいしい”作品と言える。
- 「先婚後愛」ロマンスや、正義をめぐる葛藤、権力闘争のドラマが好きな人に、とくにおすすめできる一本である。
沈渡と顔幸が、国と自分たちの幸せのあいだでどんな答えを見つけるのか。
そして、来羅織や陸垂垂、皇室や官僚たちが、それぞれどんな結末を迎えるのか──。
キャスト・相関図・あらすじの全体像を押さえたうえで視聴すると、細かな表情やセリフの裏にある感情の機微まで、いっそう深く味わえるはずです。
参照元
- Cinemart「長楽曲(ちょうらくきょく)~白い愛、黒い罪~」作品情報ページ(Cinem@rt)
- Culture-Pub「長楽曲~白い愛、黒い罪~」作品紹介・キャスト情報(カルチュア・パブリッシャーズ|CULTURE PUBLISHERS)
- 海外ドラマブログ・中華ドラマ情報サイト(作品情報・キャスト&相関図解説)(ドラマヴィータ)