
2004年にテレビ朝日系列で放送された、二宮和也さんと深田恭子さんが主演を務めたドラマ『南くんの恋人』。ある日突然、身長が16cmになってしまった女子高生・ちよみと、彼女を必死に支える恋人・南くんの秘密の同棲生活を描いたこの作品は、多くの視聴者の心を掴みました。ファンタジックな設定の中に、高校生の男女の切ない恋愛模様や家族の絆を丁寧に描き、放送から20年近く経った今でも色褪せない名作として語り継がれています。本記事では、二宮和也さん版『南くんの恋人』のキャストやあらすじ、相関図、そして感動の最終回まで、ネタバレを含めて徹底的に解説していきます。原作との違いや、嵐が歌う主題歌の魅力にも迫ります。
記事のポイント
- 2004年にテレビ朝日系で放送された二宮和也・深田恭子主演版『南くんの恋人』を解説
- 登場人物、あらすじ、主題歌などの情報を網羅
- ある日突然身長16cmになってしまった少女ちよみと、彼女を支える南くんの切ない同棲生活の物語
- 原作漫画や過去のドラマシリーズとの違いや、本作ならではの魅力を紹介
- 嵐が歌う主題歌「瞳の中のGalaxy」もドラマの世界観を彩る重要な要素
- 最終回の結末まで、ネタバレありで詳しく解説
【ドラマ】『南くんの恋人』(二宮和也版)キャスト・相関図・あらすじをネタバレ

チェックポイント
- 二宮和也演じる南くんと深田恭子演じるちよみの瑞々しい演技
- ファンタジーな設定の中で描かれるリアルな高校生の恋愛と葛藤
- 「小さくなってしまった恋人を守る」という一途な愛の物語
- 脇を固める個性豊かなキャスト陣が織りなす人間ドラマ
- 原作とは異なる、ドラマオリジナルの感動的な結末
『南くんの恋人』2004年版の基本情報(放送時期・放送局)
ドラマ『南くんの恋人』は、2004年7月8日から9月16日まで、毎週木曜日の21:00から21:54に、テレビ朝日系列の「木曜ドラマ」枠で放送されました。全11話で構成されており、内田春菊さんの同名漫画を原作としています。ただし、本作は過去に制作されたドラマシリーズ(1990年、1994年)と同様に、原作のシュールでシリアスな世界観とは一線を画し、より明るく純粋なラブストーリーとして描かれているのが特徴です。特に、二宮和也さんと深田恭子さんという当時絶大な人気を誇っていた二人が主演を務めたことで、放送前から大きな注目を集めました。平均視聴率は9.4%を記録し、木曜の夜に多くの視聴者が二人の恋の行方を見守りました。
主要キャストと登場人物一覧(南進役:二宮和也、堀切ちよみ役:深田恭子ほか)
本作の魅力は、何と言ってもその豪華なキャスト陣にあります。主人公カップルを中心に、彼らを取り巻く家族や友人、教師たちが物語に深みを与えています。
- 南 進(みなみ すすむ) - 演:二宮和也(嵐)
本作の主人公。高校3年生で、陸上部に所属する心優しい青年。成績はあまり良くなく、どこか頼りない部分もありますが、恋人であるちよみのことを誰よりも大切に思っています。突然小さくなってしまったちよみを守るため、自室にかくまい、秘密の同棲生活を始めます。彼女のために食事や服を用意したり、入浴を手伝ったりと献身的に尽くす姿は、多くの視聴者の感動を呼びました。ちよみの存在を周囲に隠す中で、様々な困難に直面しながらも、人間的に大きく成長していきます。 - 堀切 ちよみ(ほりきり ちよみ) - 演:深田恭子
本作のヒロイン。南の恋人で、同じく高校3年生。ダンス部に所属し、明るく活発な性格です。ある雨の日、南と些細なことで喧嘩別れした後、落雷のショックで身長16cmの大きさになってしまいます。小さくなったことで普通の生活を送れなくなり、絶望の淵に立たされますが、南の支えによって次第に前向きさを取り戻します。南の部屋で生活する中で、彼の優しさを再認識し、二人の絆はより一層深いものとなっていきます。 - 日下部 征一郎(くさかべ せいいちろう) - 演:田辺誠一
南とちよみのクラスの担任教師。真面目で生徒思いな性格ですが、少し融通が利かない面もあります。突然失踪したちよみのことを非常に心配し、警察に捜索願を出すなど奔走します。当初は南が何か知っているのではないかと疑いますが、次第に彼の誠実な人柄を理解するようになります。 - 野村 麗花(のむら れいか) - 演:宮地真緒
南のクラスメイトで、学級委員長。才色兼備で、南に密かな想いを寄せています。ちよみがいなくなったことをきっかけに、積極的に南にアプローチをかけ、二人の関係をかき乱す存在となります。物語中盤、偶然ちよみが小さくなった姿を発見してしまい、南を脅迫するような行動に出るなど、恋のライバルとして強烈な印象を残しました。 - 南 謙一(みなみ けんいち) - 演:西村雅彦
南の父親。典型的な亭主関白で、厳格な性格。息子の進路やだらしない生活態度に口うるさく、しばしば衝突します。しかし、根は息子思いであり、家族のことを第一に考えています。 - 南 桜(みなみ さくら) - 演:安倍麻美
南の妹。高校1年生。兄とは対照的に成績優秀で、少し生意気な性格。兄の部屋に頻繁に出入りするため、南はちよみの存在がバレないかと常にヒヤヒヤさせられます。 - 堀切 千次(ほりきり せんじ) - 演:北村総一朗
ちよみの祖父。書道教室の先生で、両親を亡くしたちよみを男手一つで育ててきました。頑固な性格ですが、孫娘への愛情は深く、突然いなくなったちよみの身を誰よりも案じています。心臓に持病を抱えており、そのことも物語の重要な要素となります。 - 大原 幸作(おおはら こうさく) - 演:石井智也
南の親友で、同じ陸上部に所属。南とちよみの関係を常に応援しており、ちよみが失踪して落ち込む南を励まします。 - 小久保 尚子(こくぼ なおこ) - 演:荻野なお
- 新井 郁美(あらい いくみ) - 演:石橋奈美ちよみの親友で、ダンス部の仲間。ちよみの失踪を心配し、彼女の帰りを待ち続けます。
登場人物の相関図解説
物語の中心は、主人公の**南進(二宮和也)とヒロインの堀切ちよみ(深田恭子)**です。二人は高校の同級生であり、誰もが羨むカップルでした。しかし、ちよみが小さくなってしまったことで、二人の関係は「世間に知られてはいけない秘密」を共有する運命共同体へと変わります。
南の家族である父・**謙一(西村雅彦)**と母・しのぶ(名取裕子)、妹・**桜(安倍麻美)**は、南の部屋で起こる異変に首を傾げながらも、まさか息子の恋人が小さくなって住んでいるとは夢にも思いません。特に、息子の将来を案じる父・謙一と、南の良き理解者である母・しのぶの対照的な存在が、南の葛藤を浮き彫りにします。
一方、ちよみの唯一の家族である祖父・**千次(北村総一朗)**は、彼女の突然の失踪に心を痛め、その存在がちよみに「元の世界に帰りたい」と強く願わせる動機となります。
学校では、親友の**大原(石井智也)や尚子(荻野なお)たちが二人を支える存在です。しかし、南に想いを寄せる野村麗花(宮地真緒)が、二人の最大の脅威となります。彼女は南に接近し、やがてちよみの秘密を知ることで、物語に大きな波乱を巻き起こします。また、担任教師の日下部(田辺誠一)**も、生徒を思うがゆえに行う行動が、結果的に二人を追い詰めていくことになります。
このように、物語は南とちよみの二人だけの世界に留まらず、家族、友人、ライバル、教師といった周囲の人間模様が複雑に絡み合いながら展開していくのです。
1話から最終回までのあらすじを追う
第1話「彼女は身長16センチ」
高校3年生の南進と堀切ちよみは、交際11ヶ月のカップル。しかし最近、南の態度がそっけないことにちよみは不満を抱いていた。ある日、中華料理店で不思議な老人から「お前さんたち、すぐに離れ離れになる」と予言される。その夜、南と喧嘩してしまったちよみは、雨の中を走り去る。雷が鳴り響く中、ちよみは「もう南なんて大きらい!小さくなっちゃえばいい!」と叫ぶが、その瞬間、落雷の衝撃で彼女自身の体が16cmに縮んでしまう。小さくなったちよみを発見した南は、彼女を自宅の部屋へ連れて帰り、秘密の同棲生活が始まる。
第2話「涙の電話」
南の献身的な看病のおかげで、ちよみは少しずつ元気を取り戻す。しかし、学校や祖父のことが気になり、気持ちは晴れない。南はちよみを制服のポケットに入れ、一緒に登校する。ちよみは親友たちが自分を心配している声を聞き、胸を痛める。その夜、ちよみは祖父・千次に電話をかけるが、心配させたくない一心で「旅行に来ている」と嘘をついてしまう。電話を切った後、ちよみは声を出さずに泣きじゃくるのだった。
第3話「浮気発覚」
南は成績不振で留年の危機に陥る。見かねたクラスメイトの野村麗花が、南の勉強を見るために家まで押しかけてくる。麗花の積極的なアプローチに、ちよみは嫉妬と不安を募らせる。一方、南はちよみのためにドールハウスを改造して豪華なベッドを作るなど、彼女を喜ばせようと奮闘していた。
第4話「新婚初夜」
夏休みが始まり、南は家族旅行や部活の合宿をすべて断り、ちよみと二人きりで過ごすことを決める。まるで新婚生活のような日々に幸せを感じる二人。しかし、麗花や担任の日下部が次々と南の家を訪れ、二人の穏やかな時間は脅かされる。
第5話「浴衣と花火と涙の告白」
夏祭りの夜、南はちよみを連れて出かける。ポケットの中から見る花火に、ちよみは感動しながらも、普通のデートができない現実に寂しさを感じる。そんな中、ちよみは祖父の千次が心臓病で倒れたことを知る。病院に駆けつけたいと願うちよみだが、今の姿ではどうすることもできない。南は、自分が必ずちよみを元の姿に戻すと固く誓う。
第6話「手作りウエディングドレス」
文化祭の準備が始まり、クラスは演劇「ロミオとジュリエット」を上演することに。ちよみも、南が作る衣装を手伝うことで文化祭に参加しようとする。そんな中、麗花は南に急接近し、ジュリエット役を射止める。さらに、麗花はちよみの失踪に南が関わっているのではないかと疑いを深めていく。
第7~8話「麗花の罠」
麗花はついに、南の部屋で小さくなったちよみの姿を発見してしまう。秘密を知られた南は動揺するが、麗花は「誰にも言わない」と約束する。しかしその裏で、麗花はちよみを南から引き離そうと画策。彼女はちよみを自分の家に連れ去り、南には「ちよみちゃんは私のもの」と宣言する。
第9話「悲しいウソ」
麗花の家に閉じ込められたちよみは、何とか脱出しようと試みる。一方、南はちよみを救い出すため必死になるが、麗花に邪魔をされ、うまくいかない。ちよみを心配するあまり、南は周囲に当たり散らすようになってしまう。
第10話「運命の日」
千次の容態が悪化し、ちよみは今の姿のままでも祖父に会うことを決意する。南の協力で病院にたどり着いたちよみは、意識のない千次の枕元で「おじいちゃん、ただいま」と語りかける。その声に奇跡的に反応した千次。その夜、南とちよみの前に、再びあの不思議な老人が現れ、「元の姿に戻れるのは、今夜だけだ」と告げる。
最終話「二人の結論」
元の姿に戻ったちよみは、南と涙の再会を果たす。しかし、再び小さくなるかもしれないという不安は消えない。二人は残された時間を惜しむように、普通の恋人としてデートを楽しむ。そして、運命の夜が訪れる。南は「お前がどんな姿になっても、俺が一生そばにいる」と告白し、ちよみもその想いを受け入れる。二人がキスを交わした瞬間、奇跡が起こる。
原作は内田春菊の漫画|過去のドラマシリーズとの違い
2004年版ドラマの原作は、漫画家・内田春菊さんによって1986年から1987年にかけて雑誌『ガロ』で連載された同名の漫画です。原作は、思春期の男女の揺れ動く心情や性への関心を、シュールかつ独特なタッチで描いており、その衝撃的な結末は多くの読者にトラウマを残したと言われています。
原作との主な違い
- キャラクター設定と雰囲気:
- 原作: 主人公の南くんは、やや内向的で思慮深い性格。ちよみは天真爛漫ながらも、どこか達観したような雰囲気を持っています。全体的に物語は淡々としており、少しダークな空気が流れています。
- 2004年版ドラマ: 南くんは明るく心優しい好青年、ちよみも活発で素直な女子高生として描かれ、より親しみやすいキャラクターになっています。ドラマ全体も、ピュアなラブストーリーとしての側面が強調されています。
- ちよみが小さくなる理由:
- 原作: ある日、何の予兆もなく突然小さくなっています。明確な理由は描かれていません。
- 2004年版ドラマ: 南と喧嘩した後、落雷のショックで小さくなるという、ファンタジックで分かりやすい理由が設定されています。
- 結末:
- 原作: 物語は非常に衝撃的かつ悲劇的な結末を迎えます。ちよみは元の姿に戻ることなく、南くんの胃の中で彼と一体化するという、読者の解釈に委ねられるような終わり方です。
- 2004年版ドラマ: 原作とは全く異なり、二人の愛の力でちよみが元の姿に戻るという、ハッピーエンドで締めくくられています。視聴後感が良く、希望に満ちた結末は、このドラマが多くの人に愛された大きな理由の一つです。
過去のドラマシリーズ
『南くんの恋人』は、2004年版の前に2度、そして後に1度ドラマ化されています。
- 1990年版(TBS): 主演は工藤正貴さんと石田ひかりさん。スペシャルドラマとして放送されました。
- 1994年版(テレビ朝日): 主演は武田真治さんと高橋由美子さん。連続ドラマとして放送され、大ヒットを記録。「南くんの恋人」といえばこのバージョンを思い浮かべる人も多いかもしれません。主題歌「友達でいいから」も話題となりました。
- 2015年版(フジテレビ): 主演は中川大志さんと山本舞香さん。『南くんの恋人〜my little lover』のタイトルで放送され、南くんのキャラクター設定がクールな秀才に変更されるなど、現代風のアレンジが加えられました。
これらのシリーズの中でも、2004年の二宮和也さん・深田恭子さん版は、原作の持つ切ないテーマ性と、テレビドラマならではの明るいエンターテインメント性を両立させた、バランスの取れた作品として高く評価されています。
脚本・中園ミホが描く世界観
2004年版『南くんの恋人』の脚本を手掛けたのは、『やまとなでしこ』『ハケンの品格』『Doctor-X 外科医・大門未知子』など、数々の大ヒットドラマで知られる中園ミホさんです。
中園さんの脚本の魅力は、女性の心情をリアルかつ繊細に描き出す点にあります。本作においても、突然小さくなってしまったちよみの不安や絶望、そして南への愛おしさといった複雑な感情が、深田恭子さんの演技を通して見事に表現されています。普通の女子高生としての日常を奪われた悲しみと、それでも愛する人のそばにいられるという小さな幸せ。その両方を抱えながら健気に生きるちよみの姿は、多くの女性視聴者の共感を呼びました。
また、男性キャラクターの描き方にも定評があります。二宮和也さん演じる南くんは、最初はどこか頼りない普通の高校生ですが、ちよみを守るという決意を固めてから、驚くほどの強さと優しさを見せるようになります。愛する人のために悩み、葛藤し、成長していく姿を丁寧に描くことで、南くんというキャラクターに深みと説得力を与えています。
ファンタジーという非現実的な設定でありながら、登場人物たちの感情はどこまでもリアル。中園ミホさんの脚本は、視聴者が物語の世界にスムーズに入り込み、南とちよみの恋を心から応援したくなるような、温かくも切ない世界観を構築しています。
ロケ地や撮影場所はどこ?
ドラマの世界観を彩る上で重要な役割を果たしたロケ地。2004年版『南くんの恋人』は、主に東京都内やその近郊で撮影が行われました。
- 南くんとちよみが通う高校:ドラマの主な舞台となった松が枝高校のロケ地は、埼玉県所沢市にある旧所沢市立中央中学校が使用されました。現在は「所沢市生涯学習推進センター」として利用されているこの場所は、放送当時、多くのファンが訪れる聖地となりました。
- 南くんの家:二人が秘密の同棲生活を送る南くんの家は、東京都世田谷区の住宅街にある一軒家がロケ地として使われました。
- 通学路やデートシーン:二人が歩いた通学路や公園、夏祭りに出かけた神社なども、東京都や神奈川県内で撮影されています。例えば、第1話で二人が訪れた中華料理店や、最終回でデートをした場所など、印象的なシーンの多くが実際の街並みの中で撮影されており、物語にリアリティを与えています。
これらのロケ地は、放送から時間が経った今でも、ドラマファンにとっては特別な場所として記憶されています。
【ドラマ】『南くんの恋人』(二宮和也版)キャスト・相関図・あらすじをネタバレしたら

チェックポイント
- 原作とは異なる、希望に満ちたドラマオリジナルの結末
- 嵐が歌う主題歌「瞳の中のGalaxy」が物語を感動的に彩る
- 二宮和也と深田恭子が織りなす、胸キュン必至の名シーンの数々
- 恋のライバル・麗花の存在が物語のスパイスに
- DVDや配信サービスで、今なお色褪せない感動を追体験
最終回の結末をネタバレ解説!ちよみは元に戻るのか?
最終話「二人の結論」、その結末は多くの視聴者に感動と安堵をもたらしました。
第10話のラストで、不思議な老人の力によって一時的に元の姿に戻ることができた、ちよみ。しかし、それは一夜限りの奇跡であり、朝になれば再び小さくなってしまうかもしれないという残酷な現実が突きつけられていました。
南とちよみは、残されたわずかな時間を惜しむかのように、普通の恋人同士として最後のデートを楽しみます。普通の大きさで隣を歩けること、手をつなげること、同じ目線で笑い合えること。当たり前だったはずの日常が、二人にとっては何物にも代えがたい宝物でした。
そして、運命の時間が近づく中、南はちよみに自分の決意を伝えます。「お前が明日、どんな姿になっても、俺が一生そばにいる。ずっと一緒にいよう」。その言葉は、ちよみが抱えていた最大の不安を打ち消す、力強い愛の誓いでした。南の覚悟を受け入れたちよみも、「私も、ずっと南のそばにいたい」と答えます。
お互いの変わらぬ愛を確かめ合った二人は、静かにキスを交わします。その瞬間、奇跡が起こりました。朝になっても、ちよみの体は小さいままに戻ることはありませんでした。二人の純粋で強い想いが、運命を変えたのです。
後日、すっかり元の日常に戻った二人の姿がありました。失踪騒ぎで心配をかけた祖父や友人たちに温かく迎えられ、南は大学の推薦入試に合格。ちよみも希望の進路へ。当たり前の幸せを噛みしめながら、二人はこれからもずっと一緒に歩んでいくことを誓うのでした。
原作の悲劇的な結末を知る視聴者にとっては、このドラマオリジナルのハッピーエンドは、まさに救いとも言えるものでした。「愛は奇跡を起こす」という普遍的なテーマをストレートに描き切ったこの結末は、放送から時を経た今も、多くの人の心に温かい感動を残しています。
主題歌は嵐の「瞳の中のGalaxy」|歌詞とドラマの関係性
2004年版『南くんの恋人』を語る上で欠かせないのが、嵐が歌う主題歌「瞳の中のGalaxy」です。この曲は、作詞・作曲を藤井フミヤさんが手掛けたことでも話題となりました。ドラマのために書き下ろされたこのバラードは、その美しいメロディと切ない歌詞で、南とちよみの恋物語の世界観を完璧に表現しています。
歌詞とドラマのリンク
- 「♪ 指のすき間をこぼれる砂のように はかないものを いつだって僕らは追いかけて」このフレーズは、いつ失われるか分からない、ちよみとの時間という「はかないもの」を必死に守ろうとする南の心情と重なります。
- 「♪ どんな悲しみも 喜びも 僕らは分かち合えるんだと」小さくなってしまった悲しみも、二人でいられる喜びも、すべてを共有して乗り越えていこうとする南とちよみの絆を象徴しています。
- 「♪ 瞳の中のGalaxy 輝く星のように 君をみちびき 守りつづけるよ」サビのこの部分は、まさに南のちよみへの想いそのものです。小さく無力になってしまった恋人を、自分が星のように導き、守り抜くんだという強い決意が感じられます。
ドラマのオープニングやクライマックスシーンでこの曲が流れるたびに、視聴者の感情は最高潮に達しました。特に、最終回で元の姿に戻ったちよみと南が再会するシーンで流れた「瞳の中のGalaxy」は、涙なしには見られない名場面として多くのファンの記憶に刻まれています。
この曲は、嵐の13枚目のシングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで1位を獲得。ドラマと共に大ヒットを記録し、嵐の代表的なラブバラードの一つとして、今なお多くの人に愛され続けています。
南くんとちよみの胸キュン名シーン
本作には、視聴者の心をときめかせた名シーンが数多く存在します。中でも特に印象的なシーンをいくつかご紹介します。
- ドールハウスのベッド小さくなったちよみのために、南が夜なべしてドールハウスを改造し、ベッドや家具を手作りするシーン。不器用ながらも一生懸命な南の姿と、完成したミニチュアの部屋を見て大喜びするちよみの姿は、二人の純粋な愛情が伝わってくる心温まる場面です。
- ポケットの中の花火大会夏祭りの夜、人混みでは危険なため、ちよみは南の胸ポケットの中から花火を見上げます。自分だけ違う世界にいるような寂しさを感じたちよみですが、南が「俺の目に映ってる花火、お前にも見せてやる」と言って、自分の瞳をちよみに見せるシーンはロマンチックそのもの。物理的な距離はあっても、心は一つにつながっていることを感じさせる名場面です。
- 手作りのウエディングドレス文化祭の劇の衣装作りを手伝うちよみが、残った白い布で自分のための小さなウエディングドレスを作るシーン。いつか南と結婚したいという、ちよみの健気な夢と切ない乙女心が表現されており、視聴者の涙を誘いました。
- 最終回のキスシーン元の姿に戻れるか分からない運命の夜、南が「どんな姿になっても守り続ける」と誓い、二人が交わすキスシーン。これが最後のキスになるかもしれないという切なさと、お互いの愛の深さが凝縮された、本作で最も感動的な場面の一つです。
これらのシーンは、二宮和也さんと深田恭子さんの瑞々しくも繊細な演技によって、より一層輝きを増しています。
ライバルキャラクター野村麗花の存在
純粋な二人のラブストーリーに、スリリングな展開と深みを与えたのが、宮地真緒さん演じる野村麗花の存在です。
麗花は、成績優秀で容姿端麗、一見すると完璧な優等生です。しかし、その内面には南への強い独占欲と、ちよみへの激しい嫉妬心を秘めています。ちよみが失踪すると、ここぞとばかりに南に接近し、彼の優しさに付け入ろうとします。
彼女のキャラクターが本領を発揮するのは、ちよみが小さくなった秘密を知ってからです。最初は驚きながらも「誰にも言わない」と約束しますが、次第にその秘密を武器に、南を自分だけのものにしようと画策し始めます。ちよみを自分の家に連れ去り、南を精神的に追い詰めていく行動は、悪役ながらも、恋に必死な一人の少女の痛々しさをも感じさせました。
しかし、物語の終盤、自分の行いを心から反省し、南とちよみの幸せを願うようになるなど、単なる悪役では終わらない人間的な成長も見せます。麗花の存在は、南とちよみの絆の強さを試す試練となると同時に、物語に予測不能なサスペンス要素を加え、視聴者を最後まで惹きつける重要な役割を果たしました。
視聴率や当時の評価・反響
2004年版『南くんの恋人』の平均視聴率は9.4%、最高視聴率は最終話の11.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録しました。木曜21時という激戦区のドラマ枠において、安定した数字を維持し、多くの固定ファンを獲得したことが伺えます。
当時の評価としては、まず主演の二宮和也さんと深田恭子さんのキャスティングが絶賛されました。二人が醸し出すフレッシュで純粋なカップルの雰囲気は、物語の世界観に完璧にマッチしており、「ニノと深キョンのカップルが可愛すぎる」といった声がSNSや掲示板に溢れました。
また、原作の持つダークな要素を払拭し、誰もが安心して楽しめる王道のラブストーリーに昇華させた脚本も高く評価されました。特に、希望に満ちたハッピーエンドは多くの視聴者に受け入れられ、「感動した」「幸せな気持ちになれた」という感想が多数寄せられました。
一方で、原作ファンからは「原作の持つ独特の魅力が失われている」といった批判的な意見も一部にはありましたが、全体としては、原作とは別物の新しい『南くんの恋人』として、幅広い層から支持された作品と言えるでしょう。嵐が歌う主題歌「瞳の中のGalaxy」のヒットも、ドラマの人気を後押しする大きな要因となりました。
DVD-BOXや配信で見る方法(最新は公式で確認)
2004年版『南くんの恋人』は、放送終了後にDVD-BOXが発売されており、現在でも購入やレンタルが可能です。全11話の本編に加え、特典映像としてメイキングやインタビューなどが収録されており、作品をより深く楽しむことができます。
また、近年では動画配信サービスでの視聴も可能になっています。過去にはTELASA(テラサ)、U-NEXT、Hulu、FOD(フジテレビオンデマンド)などで配信されていました。ただし、動画配信サービスでの配信状況は、契約期間の終了などにより変動することがあります。
視聴を希望される場合は、各サービスの公式サイトで最新の配信情報を確認することをおすすめします。色褪せない名作を、ぜひこの機会に一気見してみてはいかがでしょうか。
【ドラマ】『南くんの恋人』二宮和也版のキャスト・相関図・あらすじのネタバレまとめ
- 2004年版『南くんの恋人』はテレビ朝日系列の木曜ドラマ枠で放送された。
- 主演は南進役を二宮和也、ヒロインの堀切ちよみ役を深田恭子が務めた。
- 物語はある日突然ちよみの体が16cmになってしまうところから始まるファンタジー・ラブストーリー。
- 脚本は『ハケンの品格』や『やまとなでしこ』で知られる中園ミホが担当。
- 南くんとちよみの秘密の同棲生活を中心に、家族や友人との関係が描かれる。
- 共演者には田辺誠一、宮地真緒、安倍麻美、石井智也、北村総一朗などが名を連ねた。
- 主題歌は嵐の13枚目のシングル「瞳の中のGalaxy」で、ドラマの世界観とマッチしヒットした。
- 原作は内田春菊による漫画だが、ドラマ版は設定や結末が大きく異なるオリジナル要素が強い。
- 特にドラマ版の結末は、原作の衝撃的なラストとは違い、希望のある終わり方になっている。
- ちよみの存在を隠しながら生活する南くんの奮闘や、二人の絆が大きな見どころ。
- ライバル役の野村麗花(宮地真緒)が二人の関係をかき乱す存在として登場する。
- 1990年、1994年にもドラマ化されており、本作は3度目の映像化作品。
- 2015年には中川大志・山本舞香主演で4度目のドラマ化もされている。
- 二宮和也と深田恭子の瑞々しい演技とケミストリーが当時高い評価を得た。
- ファンタジックな設定の中に、高校生の恋愛の喜びや切なさがリアルに描かれている。
- 現在はDVDや動画配信サービスで視聴が可能だが、配信状況は変動するため確認が必要。
- 作品のテーマは「愛する人を守り抜く」という純粋な想い。
- コミカルなシーンとシリアスなシーンのバランスが絶妙と評されている。
- 放送から年月が経った今でも、多くのファンに愛され続ける名作ドラマの一つ。
二宮和也さんと深田恭子さんが織りなす、切なくも温かいラブストーリー『南くんの恋人』。ファンタジックな設定でありながら、誰もが共感できる普遍的な愛の形を描いたこの作品は、これからも多くの人の心に残り続けることでしょう。もし、まだご覧になったことがない方は、この機会にぜひその世界に触れてみてください。
参照元URL:
- テレビ朝日公式サイト: https://www.tv-asahi.co.jp/
- TELASA(テラサ): https://www.telasa.jp/
- allcinema: https://www.allcinema.net/