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【韓国ドラマ】『ザ・グローリー』キャスト相関図とあらすじを解説

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2022年末に配信が開始されて以来、またたく間に世界中を席巻したNetflixシリーズ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』。学生時代の壮絶ないじめによって心と身体に深い傷を負った女性が、十数年の時を経て、綿密な計画のもと加害者たちに裁きを下していく姿を描いた本作は、多くの視聴者に衝撃とカタルシスを与えました。ヒットメーカーであるキム・ウンスク作家が初めて手掛けた復讐劇としても大きな話題を呼び、ソン・ヘギョをはじめとする俳優陣の鬼気迫る演技は、数々の賞賛を集めました。本記事では、この衝撃作の魅力を深く掘り下げるため、複雑に絡み合う登場人物たちの関係性をキャスト相関図とともに解説し、パート1からパート2までの詳細なあらすじ、そして物語に隠されたテーマや伏線について徹底的に考察していきます。

記事のポイント

  • 壮絶ないじめと復讐を描くNetflixシリーズ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
  • ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨンなど豪華キャストの役どころと関係性を相関図で整理
  • パート1・パート2にわたる全16話のあらすじとネタバレの核心を解説
  • キム・ウンスク脚本による緻密なストーリーと伏線が話題
  • 登場人物の複雑な心理描写と俳優陣の圧倒的な演技力が見どころ

【韓国ドラマ】『ザ・グローリー』キャスト相関図とあらすじ

©︎ Netflix

『ザ・グローリー』の物語を深く理解するためには、まず、誰が誰とどのような関係にあるのかを正確に把握することが不可欠です。ここでは、物語の基本情報から、主要な登場人物たちの関係性を相関図として整理し、パート1とパート2にわたる壮大な復讐劇のあらすじを詳しく追っていきます。復讐者、協力者、そして裁かれるべき加害者たち。彼らの運命がどのように交錯し、破滅へと向かっていくのか、その全貌を明らかにします。

チェックポイント

  • 物語の基本情報と、脚本家キム・ウンスク、監督アン・ギルホが作り上げた世界観を紹介します。
  • ソン・ヘギョ演じる主人公ムン・ドンウンをはじめ、主要キャストとその役どころを詳しく解説します。
  • 復讐者ドンウンと加害者グループを中心とした複雑な人間関係を、分かりやすく相関図として整理します。
  • パート1で描かれる、ドンウンが復讐の準備を整え、加害者たちに忍び寄るまでの緻密な計画を追います。
  • パート2で本格化する復讐劇の行方と、加害者たちが次々と破滅していく衝撃の展開をネタバレありで解説します。

『ザ・グローリー』基本情報(監督アン・ギルホ/脚本キム・ウンスク/放送年)

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』は、韓国の制作会社スタジオドラゴンが手掛け、Netflixオリジナルシリーズとして全世界に配信されたドラマです。パート1(第1話~第8話)は2022年12月30日に、パート2(第9話~第16話)は2023年3月10日に公開されました。

監督は、『アルハンブラ宮殿の思い出』や『秘密の森』といった人気ドラマでその手腕を発揮したアン・ギルホが務めました。彼の繊細かつ緊張感のある演出は、本作のダークな世界観を見事に構築しています。

脚本を手掛けたのは、『太陽の末裔 Love Under The Sun』『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『ミスター・サンシャイン』など、数々の大ヒットロマンスドラマを生み出してきたスター脚本家のキム・ウンスクです。これまで甘く切ないラブストーリーで知られてきた彼女が、初めて本格的な復讐劇、それも19歳未満視聴不可のジャンルに挑んだことは、制作発表時から大きな注目を集めました。キム・ウンスク作家は、高校生の娘との会話から本作の着想を得たと語っており、校内暴力という深刻な社会問題に対して、被害者の尊厳回復という観点から真正面から向き合っています。彼女の持ち味である詩的なセリフ回しや、緻密に計算された伏線は本作でも健在で、物語に深い奥行きを与えています。

キャスト一覧と登場人物紹介(ソン・ヘギョ/イ・ドヒョン/イム・ジヨンほか)

本作の成功を語る上で欠かせないのが、キャラクターに完璧な生命を吹き込んだ俳優陣の存在です。ここでは、主要なキャストとその役どころを紹介します。

  • ムン・ドンウン(演:ソン・ヘギョ/子役:チョン・ジソ)
    本作の主人公。高校時代、パク・ヨンジン率いるグループから想像を絶するいじめを受け、魂まで壊された女性。人生のすべてを懸けて、加害者全員とその関係者に復讐することを誓う。建築家になる夢を諦め、小学校の教師となり、復讐計画を着実に実行していく。冷静沈着で感情を表に出さないが、その内には熱い怒りと深い悲しみを秘めている。
  • チュ・ヨジョン(演:イ・ドヒョン)
    美容整形外科の開業医。裕福な家庭に育ち、明るく屈託のない青年だが、父親を殺害されたという暗い過去を持つ。ドンウンに囲碁を教える中で彼女の秘密を知り、利害を超えて「剣舞を踊る処刑人」になることを申し出る、ドンウンの強力な協力者。
  • パク・ヨンジン(演:イム・ジヨン/子役:シン・イェウン)
    ドンウンをいじめていた主犯格。裕福な家庭に育ち、欲しいものは何でも手に入れてきた気象キャスター。罪悪感のかけらもなく、自己中心的で傲慢な性格。建設会社の社長ハ・ドヨンと結婚し、娘イェソルをもうけるが、その裏では多くの秘密を抱えている。
  • カン・ヒョンナム(演:ヨム・ヘラン)
    ドンウンのもう一人の協力者。夫からのDVに苦しむ女性。娘の未来を守るため、夫の殺害を条件にドンウンの依頼を受け、探偵として加害者たちの素行調査を行う。陰鬱な物語の中で、時折見せるユーモアと人間味で視聴者の心を掴んだ。
  • ハ・ドヨン(演:チョン・ソンイル)
    ヨンジンの夫で、ジェピョン建設の社長。常に冷静でポーカーフェイスを崩さないエリート。ドンウンが意図的に接近してきたことを知り、妻の過去を探り始める中で、自らの価値観を大きく揺さぶられていく。

主要人物の相関図:復讐者と加害者グループの関係性

『ザ・グローリー』の人間関係は、大きく「復讐者側」と「加害者側」に分けることができます。

【復讐者側】

  • ムン・ドンウンを中心に、彼女の復讐計画に力を貸す協力者たちが位置します。
    • チュ・ヨジョン:ドンウンの恋人であり、復讐の「処刑人」となることを誓う。彼の病院は、後に復讐の重要な舞台となる。
    • カン・ヒョンナム:ドンウンに雇われた調査員。ドンウンとは利害関係から始まったが、次第に強い連帯感で結ばれていく。

【加害者側】

  • いじめの主犯格であるパク・ヨンジンを中心に、高校時代の同級生5人組がいます。彼らは表面上は友人ですが、互いに秘密を握り合い、利害によって繋がっている脆い関係です。
    • チョン・ジェジュン(演:パク・ソンフン):ゴルフ場経営者。色覚異常を持つ。ヨンジンと長年不倫関係にあり、彼女の娘イェソルの実の父親でもある。
    • イ・サラ(演:キム・ヒオラ):有名な画廊の娘で、自身も画家。薬物依存症であり、その弱みをドンウンに握られる。
    • チェ・ヘジョン(演:チャ・ジュヨン):客室乗務員。裕福な他のメンバーに劣等感を抱いており、強い上昇志向を持つ。常に状況を窺い、有利な側につこうとする。
    • ソン・ミョンオ(演:キム・ゴヌ):ジェジュンのパシリのような存在。金と権力に飢えており、ドンウンの復讐計画に乗り、仲間を裏切ろうとする。

これらの人物に加え、ヨンジンの夫ハ・ドヨンや、ドンウンの過去を知る人物たちが複雑に絡み合い、予測不能な物語を織りなしていきます。

パート1(1話〜8話)のあらすじとネタバレ

パート1は、ドンウンが長年にわたって準備してきた復讐計画の序章を描きます。物語は、ドンウンが高校時代に受けたいじめの生々しい描写から始まります。ヘアアイロンで全身を焼かれるなどの残虐な暴力、そしてそれを黙認する教師や親。ドンウンは絶望の淵で一度は死を選ぼうとしますが、自分を笑う加害者たちへの復讐を決意し、退学届に彼らの名前を記して学校を去ります。

時が経ち、2022年。ドンウンは小学校の教師となり、ヨンジンの娘イェソルが通うクラスの担任として、彼女の前に姿を現します。ドンウンはヒョンナムを雇い、加害者5人組の身辺を徹底的に調査させ、彼らの弱みを一つずつ集めていました。サラの薬物使用、ヘジョンの学歴詐称、ジェジュンとヨンジンの不倫関係、そしてイェソルがジェジュンの子である可能性。ドンウンはこれらの情報を武器に、彼らの日常を静かに、しかし確実に侵食していきます。

一方、ドンウンは囲碁を通じてヨジョンと出会います。ヨジョンはドンウンの身体に残る無数の火傷の痕に気づき、彼女の壮絶な過去を察します。そして、ドンウンが復讐のために生きていることを知り、自らも彼女の力になることを申し出るのです。

パート1の終盤、ドンウンは加害者全員を廃墟となった体育館に集めます。そして、彼らの前で、これから始まる復讐を堂々と宣言します。「今日から毎日が悪夢よ」。そして、最初に復讐のターゲットとなったソン・ミョンオが失踪。彼の失踪をきっかけに、加害者たちの間には疑心暗鬼が生まれ、彼らの結束はもろくも崩れ始めるのでした。

パート2(9話〜16話)のあらすじとネタバレ

パート2では、ドンウンの復讐が本格的に実行され、加害者たちが一人、また一人と破滅していく様子が描かれます。

ソン・ミョンオの失踪は、彼が殺害されたことが明らかになります。ドンウンは、ミョンオの死の真相を知りながら、その状況を巧みに利用し、加害者たちを互いに疑わせ、潰し合わせるように仕向けます。

  • イ・サラは、ドンウンの策略にはまり、薬物使用の現場を押さえられ、父親が築き上げた名声もろとも失墜します。最終的には、仲間であるヘジョンをペンで刺し、殺人未遂で逮捕されます。
  • チェ・ヘジョンは、サラに喉を刺されて声を失い、これまで必死に手に入れようとしてきた富も名声もすべてを失います。
  • チョン・ジェジュンは、イェソルが自分の娘だと知り、彼女を手に入れようとしますが、ヘジョンの裏切りと、ドンウンの計画によってセメント工場で転落し、非業の死を遂げます。

そして、最大のターゲットであるパク・ヨンジン。ドンウンは、ヨンジンが過去にいじめていたもう一人の被害者ユン・ソヒを殺害していたという決定的な証拠を突きつけます。さらに、ミョンオを殺害したのもヨンジンであったことが明らかになります。ドンウンは、ヨンジンの母親や夫ドヨン、そして警察さえも巻き込み、完璧な包囲網を敷いていました。最終的に、ヨンジンは実の母親に裏切られ、すべての罪が白日の下に晒され、逮捕されます。気象キャスターとして華やかな人生を送っていた彼女は、刑務所の中で精神が崩壊し、かつての自分を嘲笑うかのような天気予報を呟き続けるのでした。

すべての復讐を終えたドンウンは、再び生きる意味を失い、自ら命を絶とうとします。しかし、間一髪でヨジョンの母親に救われます。そして、ドンウンは気づくのです。自分の復讐はまだ終わっていない、ヨジョンの父親を殺した犯人への復讐が残っていることに。ドンウンとヨジョンは、今度は二人で新たな復讐へと向かうことを決意し、物語は幕を閉じます。

主人公ムン・ドンウンの協力者たち(チュ・ヨジョン/カン・ヒョンナム)

ドンウンの復讐は、彼女一人の力では成し遂げられませんでした。そこには、二人の強力な協力者の存在がありました。

チュ・ヨジョンは、ドンウンにとって単なる恋人以上の存在です。彼は、ドンウンの心の闇を理解し、その痛みに寄り添いながら、復讐という茨の道を共に歩むことを選びます。彼の持つ医師としての知識や社会的地位、そして財力は、ドンウンの計画を物理的に支える大きな力となりました。特に、加害者たちを精神的に追い詰めるためのシナリオや、最終的にヨンジンを収監する刑務所の医療施設を手に入れるなど、彼のサポートは復讐の決定的な局面で重要な役割を果たします。彼の「処刑人になる」という言葉は、ドンウンの孤独な戦いに、初めて「仲間」という光をもたらした瞬間でした。

カン・ヒョンナムは、ドンウンの「目」となり「手」となった存在です。彼女の卓越した尾行・撮影能力は、加害者たちの秘密を次々と暴き出しました。DV夫から逃れたいという切実な動機から始まった二人の関係は、計画を進める中で、互いの痛みを分かち合う強い絆へと変わっていきます。ヒョンナムが見せる人間的な温かさやユーモアは、常に緊張感が張り詰める物語の中で、視聴者にとって一筋の救いとなりました。復讐の駒としてではなく、一人の人間としてドンウンがヒョンナムの未来を案じる姿は、ドンウンの中に残された人間性を象徴する感動的なシーンです。

いじめ加害者グループ5人衆(パク・ヨンジン/チョン・ジェジュン/イ・サラ/チェ・ヘジョン/ソン・ミョンオ)

本作の加害者たちは、単なる悪役としてではなく、それぞれが歪んだ背景と人間性を持つキャラクターとして描かれています。

  • パク・ヨンジン:いじめの主犯格であり、サイコパス的な気質を持つ。裕福な家庭環境が彼女の傲慢さを助長し、他人を傷つけることに何の罪悪感も抱かない。彼女にとって、いじめは単なる「遊び」であり、ドンウンは人間以下の存在でした。彼女の悪は、最後まで反省の色を見せない点に集約されています。
  • チョン・ジェジュン:権力と金で何でも手に入ると信じている典型的な人物。常に他人を見下し、暴力的。しかし、唯一の弱点である色覚異常と、娘イェソルへの執着が、彼の破滅の引き金となります。
  • イ・サラ:芸術家の才能を持ちながらも、薬物に溺れ、精神的に不安定。加害者グループの中でも特に感情の起伏が激しく、予測不能な行動で物語をかき乱します。神に祈りながら悪事を働くという矛盾した姿が、彼女の心の空虚さを表しています。
  • チェ・ヘジョン:常にグループ内の序列を意識し、強いものになびくことで自分の地位を保とうとする。彼女の行動原理は劣等感と虚栄心。そのため、状況が不利になると真っ先に仲間を裏切りますが、その軽薄さが自らの首を絞める結果となります。
  • ソン・ミョンオ:グループの最下層で、ジェジュンの使い走りをさせられてきた人物。彼もまた劣等感と金銭欲の塊であり、ドンウンの計画を利用して一発逆転を狙いますが、その浅はかさが命取りになりました。

彼らは、誰一人として過去の過ちを悔い改めることなく、ドンウンの復讐によって、それぞれが最も執着していたものを失い、破滅していくのです。

ドンウンとヨジョンの関係はどうなる?

ドンウンとヨジョンの関係は、単なるロマンスとして描かれていません。二人の繋がりは、囲碁という共通の趣味と、それぞれが抱える「癒えない傷」という共通点から始まります。ヨジョンは、ドンウンの復讐計画を知った上で、彼女の側にいることを選びます。それは同情や憐れみからではなく、彼女の痛みを理解し、共に戦うという強い意志の表れでした。

パート2の終盤、復讐を終えたドンウンは生きる目的を失いますが、ヨジョンの存在が彼女を再び奮い立たせます。そして、物語のラストで、今度はドンウンがヨジョンの復讐を手伝うという形で、二人の関係は新たなステージへと進みます。彼らの関係は、互いの傷を舐め合うのではなく、手を取り合って暗闇から這い上がろうとする、大人の愛と連帯の形として描かれています。それは、甘いハッピーエンドではありませんが、絶望の中で見つけた希望の光であり、二人が共に生きていくという強い決意を感じさせる結末です。

ヨンジンと夫ハ・ドヨンの冷え切った夫婦関係

ヨンジンとドヨンの夫婦関係は、一見すると完璧なものでした。社会的地位も財産もある理想的なカップル。しかし、その内実は、愛のない、体裁だけで繋がったものでした。ドヨンは、ヨンジンを所有物の一つとして見ており、彼女の過去には無関心でした。

しかし、ドンウンの出現によって、ドヨンは初めて妻の本当の姿、そして自分の偽善と向き合うことになります。彼は、ドンウンとの囲碁を通じて、彼女の知性や人間性に惹かれていきます。そして、妻が犯した罪の深さを知るにつれ、彼の心はヨンジンから完全に離れていきます。

最終的に、ドヨンはヨンジンを見限り、娘イェソルを連れて彼女のもとを去ります。彼がヨンジンに言った「ブラボー、素敵だ」というセリフは、彼女の破滅を冷ややかに見届ける、強烈な皮肉と決別の言葉でした。この夫婦の崩壊は、「偽りの平和」がいかに脆いものであるかを象徴しています。

物語の鍵を握る重要人物(ユン・ソヒ/ソン・ミョンオ)の死の真相

物語には、二つの重要な死があります。一つは、ドンウン以前のいじめの被害者ユン・ソヒの死。そしてもう一つは、加害者グループの一人ソン・ミョンオの死です。

ユン・ソヒは、屋上から転落死したとされていましたが、ドンウンは彼女が殺害されたと信じ、真相を追い続けていました。パート2で明らかになるのは、ソヒを屋上から突き落としたのが、当時高校生だったヨンジンだったという事実です。ヨンジンは、ソヒがいじめの事実を告発しようとしたため、口封じのために彼女を殺害したのでした。この事実は、ヨンジンの罪が単なるいじめではなく、殺人であったことを示し、彼女の破滅を決定的なものにします。

ソン・ミョンオの死は、パート2の大きな謎として物語を牽引します。当初は多くの人物に殺害の動機がありましたが、最終的に彼を殺害したのもヨンジンであったことが判明します。ミョンオは、ソヒの死の真相をネタにヨンジンを脅迫しますが、逆上したヨンジンに酒瓶で殴られ、命を落としたのです。ドンウンは、この殺人事件の証拠を巧みに操り、加害者たちを自滅へと追い込んでいきました。

【韓国ドラマ】『ザ・グローリー』キャスト相関図を理解したら

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『ザ・グローリー』の物語と登場人物の関係性を把握した上で、さらに深く作品を味わうためのポイントを解説します。タイトルに込められた意味や象徴的なモチーフの数々、そして脚本家キム・ウンスクが仕掛けた巧妙な伏線など、知れば知るほど、このドラマの奥深さに気づかされるはずです。また、本作が韓国社会に与えた影響や、視聴者からの評価など、作品を取り巻く背景についても掘り下げていきます。

チェックポイント

  • 「栄光」を意味するタイトルに込められた、皮肉と希望の二重の意味を考察します。
  • 物語の重要なモチーフである囲碁やハイヒール、ラッパズイセンの象徴的な役割を解説します。
  • 脚本家キム・ウンスクが、これまでの作風から一転して復讐劇に挑んだ背景とその狙いに迫ります。
  • 韓国の深刻な社会問題である「校内暴力(ハクポク)」と本作の関連性、そして社会に与えた影響を分析します。
  • 物語の随所に散りばめられた巧妙な伏線とその見事な回収について、具体的な例を挙げて紹介します。

タイトルの意味と象徴的なモチーフ(囲碁・ハイヒール・ラッパズイセン)

本作のタイトル『ザ・グローリー(The Glory)』は、日本語で「栄光」や「名誉」を意味します。これは、被害者であるドンウンが、加害者たちから奪われた本来あるべきだった「栄光」を取り戻す物語であることを示唆しています。それは単なる復讐の達成ではなく、人間としての尊厳や、失われた自分自身の人生を取り戻す、という強い意志が込められています。一方で、加害者たちが享受してきた偽りの「栄光」が、ドンウンの復讐によって崩れ去っていく様を皮肉的に表現しているとも解釈できます。

物語の中には、象徴的なモチーフが数多く登場します。

  • 囲碁:ドンウンの復讐計画そのものを象徴しています。静かに、しかし着実に相手の陣地を奪い、最終的に家(テリトリー)を破壊する囲碁のルールは、ドンウンの復讐スタイルと完全に一致します。ドンウンとヨジョン、そしてドヨンが碁盤を挟んで繰り広げる静かな対話は、セリフ以上に多くの感情や駆け引きを物語っています。
  • 緑のハイヒール:ジェジュンが持つ色覚異常を象徴するアイテムであり、ヨンジンとジェジュンの不倫関係、そしてイェソルの出生の秘密を暗示する重要な小道具です。ドンウンがこのハイヒールを手に入れることは、復讐の決定的なカードを握ることを意味します。
  • ラッパズイセン:別名「天使のラッパ」。ドンウンが担任を務めるクラスの生徒から贈られる花ですが、その花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」。これは、自己愛の塊であるヨンジンを象徴しています。しかし、同時に天国にいる人へのメッセージという意味も持ち、ドンウンにとっては亡くなったソヒへの思いを馳せる花でもあります。

脚本家キム・ウンスクが描く復讐劇の巧みさ

キム・ウンスク作家は、これまでロマンスの巨匠として知られてきましたが、本作で初めて挑んだ復讐劇でも、その卓越したストーリーテリングの才能を証明しました。彼女の描く復讐は、単なる暴力の連鎖ではありません。ドンウンは、決して法を逸脱した直接的な暴力は行使しません。彼女の武器は、長年の歳月をかけて築き上げた知性と、緻密な計画性です。

キム・ウンスクは、加害者たちが、ドンウンの手ではなく、自らの手や、かつての仲間たちの手によって破滅していくように、巧みに状況を設計します。これにより、視聴者はドンウンの復讐に正当性を感じ、より強いカタルシスを得ることができるのです。また、彼女の持ち味である詩的で心に突き刺さるようなセリフは、本作のダークな世界観の中でより一層輝きを放っています。「許しなんてない、だから栄光もないだろう」というドンウンのセリフは、復讐の果てにある虚しさと、それでも前に進むしかない被害者の悲痛な決意を象徴しています。

韓国の社会問題「校内暴力(ハクポク)」との関連性

『ザ・グローリー』で描かれるいじめは、決してフィクションの中だけの話ではありません。韓国では、校内暴力、通称「ハクポク(학폭)」が深刻な社会問題となっています。本作が配信された後、韓国ではスポーツ選手や芸能人の過去のいじめ問題が次々と告発されるなど、大きな社会現象を巻き起こしました。

ドラマで描かれる、加害者が罪の意識なく裕福な生活を送り、被害者が生涯にわたるトラウマを抱え続けるという構図は、多くの韓国国民の共感を呼び、ハクポク問題への関心を一気に高めました。実際に、本作の影響を受けて、校内暴力の加害者に対する法的措置を強化する法案が提出される動きも見られました。キム・ウンスク作家は、本作を通じて、被害者の声に耳を傾け、その痛みに社会全体で向き合う必要性を強く訴えかけたのです。

伏線と回収:細部に隠された演出の解説

『ザ・グローリー』は、パート1で散りばめられた伏線が、パート2で見事に回収されていく構成も見どころの一つです。

  • ドンウンの火傷の痕:ドンウンは、夏でも肌を隠す長袖の服を着ています。それは、単に傷を隠すためだけでなく、復讐の炎を常に忘れないための戒めでもあります。彼女がヨジョンの前で初めて傷を見せるシーンは、二人の関係が大きく進展する重要な転換点です。
  • ヨンジンのライター:ヨンジンが愛用していた高級ライターは、ミョンオ殺害現場に残された凶器となります。パート1で何気なく映されていたこのライターが、パート2で彼女を追い詰める決定的な証拠となる展開は、脚本の巧みさを示しています。
  • 巫堂(ムーダン)の死:ヨンジンの母親が心酔していた巫堂は、ドンウンを呪おうとした儀式の最中に、神罰が下ったかのように謎の死を遂げます。これは、悪には必ず裁きが下るという、物語全体のテーマを象徴する超自然的な演出です。
  • ドンウンの母親:ドンウンを金のために裏切った母親の末路も、強烈な伏線回収の一つです。アルコール依存症の彼女は、最終的に精神病院に火を放ち、自らも炎に包まれます。これは、ドンウンがヘアアイロンで焼かれた過去と対比されており、因果応報を強烈に印象付けます。

これらの細部にまで計算された演出が、物語の完成度を飛躍的に高めています。

視聴者の感想・評価と国内外での反響

『ザ・グローリー』は配信開始直後から、韓国国内はもちろん、世界中で爆発的な人気を獲得しました。NetflixのグローバルTOP10(非英語シリーズ)で1位を記録し、多くの国で視聴ランキングのトップに躍り出ました。

視聴者からは、「息をするのも忘れるほどの没入感」「俳優たちの演技が神がかっている」「単なる復讐劇ではなく、人間の尊厳について考えさせられる深い物語」といった絶賛の声が相次ぎました。特に、これまで清純な役柄のイメージが強かったソン・ヘギョが、感情を押し殺した復讐の化身を見事に演じきったこと、そして、悪役ヨンジンを演じたイム・ジヨンの狂気に満ちた演技は、高く評価されました。

この成功は、数々の受賞歴にも表れています。韓国のゴールデングローブ賞と称される「百想芸術大賞」では、ドラマ作品賞、女性最優秀演技賞(ソン・ヘギョ)、女性助演賞(イム・ジヨン)の主要3部門を制覇するなど、その作品性と演技力が公に認められる結果となりました。

シーズン3・続編の可能性はある?

物語のラストシーンが、ドンウンとヨジョンの新たな復讐を予感させるものだったため、多くの視聴者からシーズン3を望む声が上がりました。しかし、脚本家のキム・ウンスクは、メディアのインタビューで「シーズン3の計画は全くない」と明言しています。

彼女は、ドンウンの復讐はパート2で完全に完結しており、登場人物たちの物語はすべて描き切ったと語っています。ラストシーンは、絶望の中で出会った二人が、これからも手を取り合って生きていくという希望を描いたものであり、新たな物語の始まりというよりは、彼らの未来を示唆するエピローグと捉えるのが適切でしょう。したがって、現時点ではシーズン3が制作される可能性は極めて低いと考えられます。

OST・主題歌・挿入歌の紹介

『ザ・グローリー』には、明確な主題歌はありませんが、ダークで美しい劇中音楽が物語の雰囲気を一層盛り上げています。音楽監督を務めたのは、数々の映画やドラマの音楽を手掛けてきたキム・ジュンソクです。

特に、ポール・キムが歌う『You Remember』や、キム・イェジが歌う『Long Black Night』は、ドンウンの孤独や悲しみを表現した楽曲として、多くの視聴者に深い印象を残しました。これらの楽曲は、ドラマの名場面と共に、サウンドトラックとして配信されています。

ロケ地・撮影場所はどこ?

『ザ・グローリー』の印象的なシーンは、韓国各地で撮影されました。

  • ドンウンとドヨンが囲碁を打つ公園:清州(チョンジュ)市にある中央公園がロケ地として使われ、ドラマのヒット後、多くのファンが訪れる名所となりました。
  • 加害者たちが集まるゴルフ場:江原道(カンウォンド)にある「エリシアン江村カントリークラブ」が撮影場所です。
  • ドンウンが住むアパート:ソウル市内のアパートが使われました。

これらのロケ地を巡ることは、ドラマの世界観をより深く体感する一つの楽しみ方と言えるでしょう。

配信情報:Netflixで全話視聴可能(最新は公式で確認)

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』は、Netflixのオリジナルシリーズであるため、視聴方法はNetflixのみとなります。パート1(全8話)とパート2(全8話)の合計16話が、すべて配信されています。日本語字幕、日本語吹き替えにも対応しています。

配信状況は変動する可能性があるため、視聴を希望される方は、ご自身のNetflixアカウントで最新の情報を確認することをおすすめします。

似ているテーマの韓国ドラマおすすめ

『ザ・グローリー』に魅了された方には、以下のような復讐劇や社会派ドラマもおすすめです。

  • 『ヴィンチェンツォ』:イタリアマフィアの顧問弁護士が、韓国の巨大な悪に立ち向かう痛快な復讐劇。ダークなテーマの中にユーモアが散りばめられています。
  • 『梨泰院クラス』:不合理な世の中に、信念一つで立ち向かう青年たちの成功物語。復讐という要素も含まれていますが、若者たちの成長と絆が中心に描かれています。
  • 『マイネーム: 偽りと復讐』:父親を殺された女性が、復讐のために麻薬組織に潜入し、警察官となるスリリングなアクションノワール。
  • 『ペントハウス』:超高級タワーマンションを舞台に、富裕層たちの欲望と狂気が渦巻く、衝撃的な展開の連続で話題となったマクチャンドラマ(日常ではありえない劇的な展開のドラマ)。

これらの作品もまた、視聴者に強烈なカタルシスと深い問いを投げかける力作です。

【韓国ドラマ】『ザ・グローリー』キャスト相関図のまとめ

  • 『ザ・グローリー』は学生時代の壮絶ないじめへの復讐を描く物語
  • 主人公ドンウンをソン・ヘギョが、協力者ヨジョンをイ・ドヒョンが熱演
  • 相関図の中心は、復讐を誓うドンウンと主犯格ヨンジンの対立関係
  • 加害者グループ5人のキャラクターと彼らの末路が見どころの一つ
  • 脚本は『トッケビ』などを手掛けたキム・ウンスクが担当
  • パート1で復讐の序章が、パート2で計画の全貌が描かれる二部構成
  • 囲碁が復讐の重要なメタファーとして効果的に使われている
  • ドンウンの協力者ヒョンナムとの絆も物語の感動的な要素
  • ヨンジンの夫ドヨンの心理変化が物語に緊張感を与える
  • キャスト陣の鬼気迫る演技が高く評価されている
  • 韓国の深刻な社会問題である校内暴力をテーマにしている
  • 緻密に張り巡らされた伏線とその回収が見事
  • 視聴後は爽快感と同時に、テーマの重さについて考えさせられる
  • 全世界で大ヒットし、数々の賞を受賞した話題作
  • Netflixオリジナルシリーズとして独占配信中
  • 各キャラクターの象徴的なアイテムや衣装にも注目
  • シーズン3の制作は公式には発表されていない
  • 復讐劇だけでなく、人間関係の再生も描かれている
  • ネタバレを知ってから見ても楽しめる構成の巧みさ
  • 相関図を頭に入れておくと、より深く物語を理解できる

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』は、単なる勧善懲悪の物語ではありません。被害者が失った尊厳を、いかにして取り戻すのか。そして、その過程で生まれる新たな絆や、加害者たちの人間的な脆さを深く描いた、重厚なヒューマンドラマです。まだご覧になっていない方はもちろん、すでに視聴された方も、本記事を参考に、もう一度その緻密に構築された世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

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あらすじマスター管理人

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