
韓国ドラマ『馬医』は、馬の医者から王の主治医(御医)へと上り詰めた実在の人物、ペク・クァンヒョンの波乱万丈の生涯を描いた歴史超大作です。主演のチョ・スンウをはじめとする豪華キャスト、複雑に絡み合う人間関係を示す相関図、そしてイ・ビョンフン監督ならではの感動的なあらすじが魅力です。この記事では、主要キャストと相関図、各話のあらすじ、そして動画配信情報まで、ドラマ『馬医』の魅力を徹底的にネタバレ解説します。
記事のポイント
- 韓国MBCで放送されたイ・ビョンフン監督による人気時代劇
- 主演チョ・スンウ、ヒロイン イ・ヨウォンが贈る感動のメディカル史劇
- 馬医から御医になった実在の人物ペク・クァンヒョンの物語
- 主要キャスト情報と複雑な人物相関図を分かりやすく解説
- 1話から最終回までのあらすじと見どころをネタバレありで紹介
- Huluなどの動画配信サービスでの視聴方法(最新情報は要確認)
【韓国ドラマ】『馬医』キャスト・相関図・あらすじをネタバレ

チェックポイント
- 『馬医』の主要キャストと相関図を徹底解説
- 主人公ペク・クァンヒョン(チョ・スンウ)とカン・ジニョン(イ・ヨウォン)の関係
- 物語の鍵を握る子役キャストの紹介
- 1話から最終回までの波乱万丈なあらすじをネタバレ
- イ・ビョンフン監督が描く李氏朝鮮時代の医療ドラマ
『馬医』とは?放送時期・基本情報(MBC・NHK)
韓国ドラマ『馬医』(原題:마의)は、2012年10月1日から2013年3月25日まで、韓国の放送局MBCにて全50話で放送されたメディカル時代劇です。 『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』『トンイ』など、数々の大ヒット時代劇を手掛けてきた巨匠イ・ビョンフン監督が演出を務めました。 脚本はイ・ビョンフン監督と『イ・サン』『トンイ』でもタッグを組んだキム・イヨンが担当しています。
物語の舞台は17世紀の李氏朝鮮時代。馬や牛を診る「馬医(バイ)」という低い身分から、王の主治医である「御医(オイ)」にまで上り詰めた実在の人物、ペク・クァンヒョン(白光炫)の生涯を描いた作品です。 卑賤な身分からのし上がっていくサクセスストーリー、当時の医療(特に鍼灸や外科手術)のリアルな描写、そして運命に翻弄される人々の人間ドラマが、壮大なスケールで描かれています。
韓国放送時はその骨太なストーリーと魅力的なキャラクターが多くの視聴者を惹きつけ、最高視聴率は第37話で23.7%(ニールセンコリア調べ)を記録する大ヒットとなりました。
日本でも、2013年からNHK BSプレミアムで、その後NHK総合テレビでも放送され、幅広い層から人気を博しました。 イ・ビョンフン監督作品ならではの、希望を失わずに困難に立ち向かう主人公の姿が、日本の視聴者の心も強く掴みました。
主要キャストと登場人物一覧(チョ・スンウ、イ・ヨウォンほか)
『馬医』の魅力は、なんといっても実力派俳優たちが演じる個性豊かな登場人物たちです。ここでは主要なキャストと彼らが演じた役柄を紹介します。
ペク・クァンヒョン(白光炫)役:チョ・スンウ
本作の主人公。もとはカン・ドジュンという両班(ヤンバン:貴族階級)の息子として生まれましたが、陰謀によって父が処刑され、命を狙われます。 奴婢(ぬひ:奴隷)のペク・ソックの手によって、彼の娘(後のジニョン)とすり替えられ、奴婢として育ちます。
幼い頃から動物の治療に非凡な才能を見せ、牧場で馬医として働くようになります。やがて、師匠であるコ・ジュマンとの出会いや、人々を救いたいという強い信念から、身分制度の壁を乗り越えて医官(人間を診る医者)の道を志します。明るく前向きな性格と、命に対する真摯な姿勢で、多くの人々を惹きつけます。
演じたチョ・スンウは、主に映画やミュージカルの分野でトップスターとして活躍していましたが、本作がデビュー13年目にして初のテレビドラマ出演となりました。 彼の人間味あふれる温かい演技が、主人公クァンヒョンの魅力を最大限に引き出し、この作品でMBC演技大賞の大賞を受賞するなど、高い評価を受けました。
カン・ジニョン(姜知寧)役:イ・ヨウォン
本作のヒロイン。ペク・クァンヒョンの父カン・ドジュンを慕っていた奴婢ペク・ソックの娘として生まれ、「ヨンダル」と名付けられます。 しかし、生まれてすぐにクァンヒョンとすり替えられ、孤児となります。
その後、両班のカン・ドジュンの娘として育てられ、「カン・ジニョン」という名前で裕福な生活を送ります。聡明で正義感が強く、幼い頃から医学に強い興味を持ち、医女(イニョ:女性の医官)となります。 中国での医術留学を経て、都の医療機関「恵民署(ヘミンソ)」で働くことになり、そこでクァンヒョンと運命的な再会を果たします。
演じたイ・ヨウォンは、『善徳女王』などで知られる実力派女優。凛とした美しさと、クァンヒョンへの想いと自身の出自の間で揺れ動く繊細な感情を見事に演じました。
イ・ソンハ(李聖夏)役:イ・サンウ
イ・ミョンファンの息子。ジニョンとは幼なじみで、彼女に長年想いを寄せています。エリート官僚であり、文武両道に秀でた完璧な男性です。
父ミョンファンとは異なり、正義感が強く誠実な人柄で、当初はクァンヒョンと対立することもありましたが、次第に彼の医術への情熱と人柄を認めるようになります。 ジニョンを巡る恋のライバルでありながらも、クァンヒョンがピンチに陥った際には、父の不正を正すためにもクァンヒョンを助けるという、複雑な立場に立たされます。
イ・ミョンファン(李明煥)役:ソン・チャンミン
本作の最大の敵役。もとは卑しい馬医の息子でしたが、強い上昇志向を持ち、医学界の頂点を目指します。 かつてはクァンヒョンの父カン・ドジュンやチャン・インジュと身分を超えた友情で結ばれていましたが、出世欲と権力欲のために親友ドジュンを裏切り、昭顕世子(ソヒョンセジャ)の毒殺事件に加担します。
その後は内医院(ネイウォン:王室の医療機関)の長である提調(チェジョ)にまで上り詰めますが、自身の過去を知るクァンヒョンの存在を脅威に感じ、彼を排除しようと数々の妨害工作を行います。
ソン・チャンミンが、野心と劣等感、そして息子ソンハへの愛情の間で葛藤する、複雑な悪役を重厚に演じました。
チャン・インジュ(張仁珠)役:ユソン
卓越した鍼の腕を持つ医女。 かつてカン・ドジュン、イ・ミョンファンと友情を育み、ドジュンに想いを寄せていました。ドジュンの無実を信じ、彼の死の真相を密かに追い続けます。
ドジュンの息子(クァンヒョン)がすり替えられた事実を知る数少ない人物の一人であり、医女としてクァンヒョンやジニョンを導き、母親のような愛情で見守り続ける、物語の鍵を握る重要な人物です。
淑徽王女(スッキワンニョ)役:キム・ソウン
朝鮮第17代王・顕宗(ヒョンジョン)の妹。天真爛漫で好奇心旺盛なお姫様です。愛猫の治療を通じて馬医のクァンヒョンと出会い、その型破りな魅力と誠実さに惹かれ、身分違いの恋に落ちます。
王女という立場を顧みず、クァンヒョンを公私にわたって助けようと奔走し、彼の医官への道を切り開くきっかけを作ります。キム・ソウンが演じたキュートで一途な王女の姿は、本作のシリアスな展開の中での清涼剤となり、多くの視聴者から愛されました。
コ・ジュマン(高朱萬)役:イ・スンジェ
恵民署の署長を務める高名な医官。一見、気難しく変わり者に見えますが、医術に対する情熱と患者を想う心は誰よりも熱い人物です。
身分や慣習にとらわれず、外科手術など新しい医術(当時は卑しいとされていた)にも積極的に取り組みます。クァンヒョンの才能と情熱を見抜き、彼を弟子として厳しくも温かく指導し、医官としての道を示します。クァンヒョンにとっては人生最大の師匠となります。
顕宗(ヒョンジョン)王役:ハン・サンジン
朝鮮第17代王。淑徽王女の兄。公正な判断力を持つ賢君として描かれます。旧態依然とした医療制度や派閥争いに苦慮しており、コ・ジュマンやクァンヒョンが進めようとする医療改革を後押しします。最終的には自身の命を救ったクァンヒョンの実力を認め、彼を御医に任命するという英断を下します。
一目でわかる!人物相関図と関係性の解説
『馬医』の物語を理解する上で、複雑に絡み合う登場人物たちの関係性を把握することは非常に重要です。ここでは、主要な関係性をグループに分けて解説します。
【主人公とヒロイン(入れ替わった運命)】
- ペク・クァンヒョン(チョ・スンウ) と カン・ジニョン(イ・ヨウォン):物語の根幹をなすのが、この二人の「入れ替わった運命」です。 本来は両班の息子だったクァンヒョンと、奴婢の娘だったジニョン。クァンヒョンの父カン・ドジュンの友人であったペク・ソックが、ドジュンの息子(クァンヒョン)の命を救うため、自分の娘(ジニョン)とすり替えたことで、二人の人生は逆転します。クァンヒョンは馬医として、ジニョンは医女として再会し、互いの素性を知らずに惹かれ合います。やがて真実が明らかになった時、二人は身分や過去のしがらみという大きな壁に直面することになります。
【恋愛・想いの矢印】
- ペク・クァンヒョン →← カン・ジニョン: 互いに惹かれ合うが、身分の違い(と後に判明する真実)が障害となる。
- イ・ソンハ → カン・ジニョン: 幼い頃からジニョンを一途に想い続ける。クァンヒョンの恋敵。
- 淑徽王女 → ペク・クァンヒョン: 身分違いと知りながら、クァンヒョンに猛烈にアタックする。クァンヒョンの最大の支援者の一人。
【師弟と宿敵(医療関係者)】
- ペク・クァンヒョン と コ・ジュマン(イ・スンジェ):クァンヒョンの才能を見抜き、彼を馬医から医官へと導く師匠。二人の間には、身分や年齢を超えた固い信頼関係が築かれます。コ・ジュマンはクァンヒョンに外科手術の技術と「仁医(人を思いやる医者)」の精神を説きます。
- ペク・クァンヒョン vs イ・ミョンファン(ソン・チャンミン):本作の最大の対立軸。イ・ミョンファンは、クァンヒョンの父カン・ドジュンを死に追いやった張本人であり、クァンヒョンの医官への道をことごとく妨害する宿敵です。 馬医の息子としての劣等感と、内医院のトップとしてのプライドが、彼をクァンヒョンとの対立へと駆り立てます。
- チャン・インジュ(ユソン):クァンヒョンとジニョンの両方にとって母親代わりであり、医療の師でもある存在。カン・ドジュンの死の真相を知っており、イ・ミョンファンの不正を暴こうとします。
【王室の関係者】
- 顕宗(ヒョンジョン)王 と 淑徽王女: 兄妹。王女は兄である王に、クァンヒョンの助命や支援をたびたび直訴します。
- 顕宗(ヒョンジョン)王 と ペク・クァンヒョン:当初は馬医という身分を軽んじていましたが、王女やコ・ジュマンの推薦、そして自身の病(腸癰)をクァンヒョンの外科手術によって救われたことで、彼の実力を絶対的に信頼するようになります。
【過去の因縁】
- カン・ドジュン(クァンヒョンの父)、イ・ミョンファン、チャン・インジュ、ペク・ソック(ジニョンの父):物語の始まりとなる世代。カン・ドジュン、イ・ミョンファン、チャン・インジュの三人は、かつて身分を超えた医術の同志でした。 しかし、昭顕世子の死を巡る陰謀にイ・ミョンファンが加担し、カン・ドジュンが濡れ衣を着せられて処刑されたことで、彼らの運命は大きく変わります。 この過去の因縁が、クァンヒョンたちの世代にまで深く影響を及ぼします。
日本語吹き替え版の声優キャスト一覧
NHKで放送された『馬医』は、豪華な声優陣による日本語吹き替え版も制作され、人気を博しました。キャラクターのイメージに合った声優たちの熱演が、ドラマの感動をさらに深めました。
- ペク・クァンヒョン(チョ・スンウ): 浪川大輔
- カン・ジニョン(イ・ヨウォン): 甲斐田裕子
- イ・ソンハ(イ・サンウ): 川島得愛
- イ・ミョンファン(ソン・チャンミン): 井上倫宏
- チャン・インジュ(ユソン): 本田貴子
- コ・ジュマン(イ・スンジェ): 津嘉山正種
- 淑徽王女(キム・ソウン): 堀井千砂
- 顕宗(ヒョンジョン)王(ハン・サンジン): 小森創介
主演のチョ・スンウを演じた浪川大輔氏は、クァンヒョンの明るさや情熱、そして医師としての葛藤を見事に表現。また、イ・ヨウォン演じるジニョンの声を担当した甲斐田裕子氏は、聡明で芯の強いヒロイン像を確立しました。イ・スンジェ演じるコ・ジュマン師匠の声を担当した津嘉山正種氏の、威厳と優しさを兼ね備えた演技も高く評価されています。
重要な鍵を握る子役キャスト(クァンヒョン・ジニョンの幼少期)
『馬医』の物語は、主人公たちの壮絶な幼少期から始まります。第1話から第5話序盤まで、主要キャストの少年少女時代を演じた子役たちの熱演が、視聴者を一気に物語の世界に引き込みました。
ペク・クァンヒョン(少年時代)役:アン・ドギュン
すり替えられた後、牧場で奴婢として育つクァンヒョンの幼少期を演じました。過酷な運命に翻弄されながらも、明るく好奇心旺盛で、動物の命を救おうと奮闘する姿を健気に演じました。特に、馬の治療を通じて医術に目覚めていく過程や、ジニョン(当時はヨンダル)との出会いが印象的です。
カン・ジニョン(少女時代:ヨンダル)役:ノ・ジョンウィ
奴婢ペク・ソックの娘として生まれ「ヨンダル」と名付けられるも、クァンヒョンとすり替えられ、その後孤児となって官婢(かんぴ:役所の奴隷)として生きる少女時代を演じました。
両班の娘(本来はクァンヒョンの姉)に仕えながらも、医学への強い探求心と負けん気の強さを持つ少女をノ・ジョンウィが熱演。その高い演技力は当時から注目を集め、彼女はその後も『その年、私たちは』などの人気ドラマで活躍するトップ女優へと成長しました。
この二人の子役が織りなす序盤の物語(第1話〜第5話)は、単なる導入部にとどまらず、後のクァンヒョンとジニョンの人格形成や、二人の運命的な繋がりの原点を描く上で非常に重要な役割を果たしています。
1話から最終回までのあらすじをネタバレありで紹介
『馬医』は全50話の長編ドラマであり、そのストーリーはまさに波乱万丈です。ここでは、物語の大きな流れを「序盤」「中盤」「終盤・最終回」に分けて、ネタバレを含みつつ解説します。
【序盤:第1話〜第15話頃】運命の入れ替わりと馬医としての目覚め
物語は、クァンヒョンの父カン・ドジュン、イ・ミョンファン、チャン・インジュの若き日の友情と、昭顕世子の毒殺事件を巡る陰謀から始まります。 ドジュンはミョンファンの裏切りにより無実の罪で処刑され、生まれたばかりの息子クァンヒョンも命を狙われます。 ドジュンを慕う奴婢ペク・ソックは、自分の娘ヨンダル(後のジニョン)とクァンヒョンをすり替え、クァンヒョンは奴婢として命拾いします。
12年後、クァンヒョンは牧場で馬医として育ち、ヨンダル(ジニョン)は孤児となり官婢として働いていました。二人は運命的に出会いますが、ある事件がきっかけでクァンヒョンは都を追われ、ジニョンはイ・ミョンファンの養女「カン・ジニョン」として引き取られます。
さらに時が流れ、青年になったクァンヒョン(チョ・スンウ)は、腕利きの馬医として名を馳せていました。一方、ジニョン(イ・ヨウォン)は医女となり、イ・ソンハ(イ・サンウ)はエリート官僚となっていました。クァンヒョンは、ひょんなことから都の医療機関「恵民署」で働くことになり、そこで師となるコ・ジュマンや、医女となったジニョンと再会します。
【中盤:第16話〜第40話頃】医官への挑戦と宿敵との対決
クァンヒョンは、コ・ジュマンの導きと淑徽王女(キム・ソウン)の支援を受け、卑しい馬医の身分ながら、人間を治療する医官になるための試験に挑戦します。しかし、彼の前に立ちはだかったのが、内医院のトップであるイ・ミョンファンでした。
ミョンファンは、クァンヒョンがかつての親友ドジュンの息子であると知り(この時点では、すり替えの事実は知らない)、彼の存在を危険視。あらゆる手段でクァンヒョンの挑戦を妨害します。クァンヒョンは、ミョンファンの妨害や身分差別に苦しみながらも、コ・ジュマンから学んだ外科手術の技術と、患者を救いたい一心で次々と難病の治療に成功し、次第に周囲の信頼を得ていきます。
この過程で、ジニョンはクァンヒョンがかつて出会った少年であることに気づき、二人は惹かれ合います。しかし、チャン・インジュの調査により、クァンヒョンとジニョンが赤子の頃にすり替えられていたという衝撃の事実が判明。二人は「本来の身分」と「現在の想い」の間で激しく葛藤します。
【終盤・最終回:第41話〜第50話】明かされる真実と御医への道
終盤、クァンヒョンとジニョンの入れ替わりの真実が公になり、イ・ミョンファンの過去の悪行もすべて白日の下に晒されます。ミョンファンはすべての罪を認め、自ら命を絶ちます。
クァンヒョンは両班の身分を回復しますが、ジニョンは逆に奴婢の身分に戻されてしまいます。 クァンヒョンは、ジニョンの実父ペク・ソックがかつて昭顕世子の殺害事件の真相を告発しようとして殺された「功績」を王に訴え、彼女の身分回復を懇願します。
そんな中、顕宗王が腸癰(現代の虫垂炎などに近い)で倒れます。 内医院の誰もが諦める中、クァンヒョンは「王の腹部を切開する」という前代未聞の外科手術を提案。死罪を覚悟で手術に踏み切り、見事、王の命を救います。
この功績により、王はクァンヒョンを王の主治医である「御医」に任命します。 身分や前例にこだわる重臣たちの猛反対を押し切っての英断でした。 クァンヒョンは悩みますが、師コ・ジュマンの「民のために権力を使え」という言葉を思い出し、御医の職を受け入れ、医療改革に取り掛かります。
最終回、クァンヒョンはジニョンと結婚し、晴れて夫婦となります。 数年後、クァンヒョンは御医の地位に安住せず、地方の役人(県監)として、ジニョンと共に貧しい民衆の治療や伝染病の予防に尽力する姿が描かれ、物語は幕を閉じます。
物語の見どころと時代背景(李氏朝鮮時代)
『馬医』の見どころは、単なるサクセスストーリーに留まらない、深い人間ドラマと当時の時代背景のリアルな描写にあります。
1. 身分制度への挑戦
物語の舞台である17世紀の李氏朝鮮は、両班(貴族)、中人(専門職)、常民(平民)、賤民(奴隷)という厳格な身分制度が存在した時代です。主人公のクァンヒョンは、最も低い賤民である「馬医」から、最高位の医官「御医」を目指します。これは、当時の常識では絶対にありえないことでした。
彼が直面する理不尽な差別や偏見、そしてそれを乗り越えていく姿は、現代の私たちにも「人間の価値は身分や生まれで決まるのではない」という強いメッセージを伝えます。
2. 当時の医療(外科手術)への挑戦
イ・ビョンフン監督は『ホジュン』や『チャングムの誓い』でも医療を描いてきましたが、本作では特に「外科手術」が大きなテーマとなっています。当時、儒教の影響が強い朝鮮では「親から授かった身体にメスを入れる」ことはタブーとされており、外科的な治療は卑しいものと見なされていました。
クァンヒョンは、馬の治療で培った技術と、コ・ジュマンから学んだ先進的な知識(清国などから伝わった西洋医学)を融合させ、悪性腫瘍の切除や王の開腹手術といった、当時では考えられない治療に挑みます。 伝統と革新の間で葛藤し、命を救うためにタブーに挑む姿は、本作の大きな見どころの一つです。
3. 深い人間ドラマとロマンス
クァンヒョンとジニョンの「入れ替わった運命」を軸にしたロマンス、ジニョンに一途な想いを寄せるソンハの切ない三角関係、そしてクァンヒョンに恋する淑徽王女の健気な姿など、ロマンス要素も豊富です。
さらに、クァンヒョンとコ・ジュマンの師弟愛、クァンヒョンの父ドジュンとイ・ミョンファンの友情と裏切り、ソンハと父ミョンファンの親子の葛藤など、様々な人間ドラマが重層的に描かれ、物語に深みを与えています。
イ・ミョンファン、コ・ジュマンなど脇を固める重要人物
主人公たちを取り巻く脇役たちの存在感も『馬医』の魅力です。
イ・ミョンファン(ソン・チャンミン)
前述の通り、本作の最大のライバルです。彼が単なる悪役で終わらないのは、彼自身も馬医の息子という出自にコンプレックスを持ち、必死に成り上がろうとした人物として描かれている点です。彼の野心と、親友ドジュンへの罪悪感、そして息子ソンハへの愛情が、彼の行動を複雑にしています。最終的に自ら命を絶つ彼の姿は、権力に取り憑かれた人間の悲しい末路を象徴しています。
コ・ジュマン(イ・スンジェ)
韓国ドラマ界の重鎮イ・スンジェが演じた、主人公の師匠。厳格でありながらも深い愛情を持ってクァンヒョンを導く姿は、多くの視聴者に感動を与えました。彼がクァンヒョンに託した「仁医」の精神は、物語の最後までクァンヒョンの行動指針となります。彼がイ・ミョンファンの陰謀によって病に倒れるエピソードは、物語中盤の大きな山場の一つです。
サアム道人(チュ・ジンモ)
クァンヒョンが都を追われた際に山中で出会う、伝説的な医術の師。一見、変わり者の世捨て人のように見えますが、卓越した医術(特に外科手術)の知識を持っています。クァンヒョンに外科手術の技術を授け、彼の第二の師匠となります。
カヨン(チョ・ボア)
ミョンファンの屋敷で働く女性。後にミョンファンの策略に加担することになりますが、クァンヒョンに想いを寄せるようになり、彼の医術に触れて改心していきます。最終的には医女となり、サアム道人と共に清国で医術を学んで帰国します。
【韓国ドラマ】『馬医』キャスト・相関図・あらすじをネタバレしたら

チェックポイント
- 『馬医』を視聴できる動画配信サービス情報
- NHKでの放送履歴と再放送の可能性
- 韓国放送時の高視聴率と受賞歴
- 感動を呼ぶ主題歌・OST(挿入歌)
- ドラマの理解が深まるロケ地や制作秘話
動画配信はどこで見れる?(Hulu, U-NEXT, Amazonプライムなど)
『馬医』は、その人気から日本でも多くの動画配信サービス(VOD)で視聴が可能です(2025年11月現在)。
- Hulu: 見放題配信の対象となっていることが多いです。
- U-NEXT: 見放題配信やポイント利用で視聴可能な場合があります。 U-NEXTは韓国ドラマのラインナップが豊富なため、イ・ビョンフン監督の他作品と合わせて楽しむこともできます。
- Amazonプライム・ビデオ: 「アジアPremium」などのチャンネル登録で見放題となる場合や、レンタル(都度課金)で視聴可能な場合があります。
- FOD: フジテレビ系のサービスですが、韓国ドラマも扱っており、見放題の対象となることがあります。
ただし、動画配信サービスでの配信状況は非常に変動しやすいため、契約や視聴の前には必ず各サービスの公式サイトで最新の情報を確認してください。
NHK(BS/地上波)での放送履歴と再放送予定
『馬医』は、日本では2013年7月からNHK BSプレミアムで初めて放送されました。その後、好評を受けて2014年7月からNHK総合テレビの「日曜海外ドラマ」枠でも放送され、日本全国で多くのファンを獲得しました。
NHKの韓国時代劇枠(特にイ・ビョンフン監督作品)は人気が高く、『馬医』も過去にBSや地上波で何度か再放送されています。
2025年11月現在、直近の再放送予定は確認されていませんが、NHKのドラマ枠では名作時代劇が繰り返し放送される傾向があります。再放送を希望する声も根強いため、今後もNHK BSやNHK総合、BS-TBS、BS12(トゥエルビ)などのBS・CS各局で再放送される可能性は十分にあります。
最新の放送予定については、NHKの番組表や各放送局の公式サイトを定期的にチェックすることをおすすめします。
視聴率の推移と韓国での評価・受賞歴
『馬医』は、韓国で2012年10月に放送が開始されると、イ・ビョンフン監督とキム・イヨン脚本家というヒットメーカーのタッグ、そしてチョ・スンウのドラマ初主演という話題性から、高い注目を集めました。
視聴率は初回から安定していましたが、クァンヒョンが医官として成長し、イ・ミョンファンとの対決が本格化する中盤以降、さらに上昇。最高視聴率は第37話で記録した23.7%(ニールセンコリア調べ、全国世帯平均)に達しました。 これは、同時間帯のドラマの中でトップを独走する高い数字であり、『馬医』が韓国国民からいかに愛されたかを示しています。
この成功は批評家からも高く評価され、その年の年末に開催された**「2012年 MBC演技大賞」では、本作が数々の栄誉に輝きました。
特に大きな注目を集めたのが、主演チョ・スンウの大賞受賞**です。 彼は、本作がドラマ初出演であったにもかかわらず、卓越した演技力で主人公ペク・クァンヒョンを演じきり、最高賞である大賞(および特別企画部門 最優秀演技賞)の栄冠を手にしました。
このほか、ヒロインのイ・ヨウォンも特別企画部門 最優秀演技賞を受賞するなど、『馬医』は同年のMBC演技大賞で最も輝いた作品の一つとなりました。
主題歌・OST(オリジナルサウンドトラック)情報
イ・ビョンフン監督作品は、壮大な物語を彩る音楽(OST)も高く評価されていますが、『馬医』も例外ではありません。
韓国版のOSTで特に有名なのは、圧倒的な歌唱力で知られる女性シンガー、**ソヒャン(SoHyang)が歌う「ただひとつだけ(오직 단 하나)」です。 この曲は、クァンヒョンとジニョンの切ないロマンスを盛り上げるメインテーマ曲として、多くの感動的なシーンで使用されました。
また、伝説的ロックシンガーのイム・ジェボムが歌う「あなたの側で生きよう(당신 곁에 살리라)」**も、ドラマの重厚な世界観を表現する楽曲として人気を博しました。
一方、日本でNHKで放送された際には、独自のエンディングテーマ曲が採用されました。それが、奄美大島出身の歌手、**城南海(きずき みなみ)が歌う「ただ一つ」**です。 (韓国版の「ただひとつだけ」とは同名ですが、異なる楽曲です)。
城南海の透明感と力強さを併せ持つ歌声が、ドラマの感動的な余韻と見事にマッチし、日本版『馬医』を象徴する曲として視聴者から深く愛されました。
監督(イ・ビョンフン)と脚本家(キム・イヨン)の紹介
『馬医』の成功を語る上で、監督のイ・ビョンフンと脚本家のキム・イヨンの存在は欠かせません。
監督:イ・ビョンフン
「韓国時代劇の巨匠」として知られるレジェンド的な存在です。 彼の作品は、歴史的な事実をベースにしながらも、エンターテイメント性の高いドラマチックな展開と、逆境に負けない主人公を描くヒューマニズムが特徴です。
- 『ホジュン~宮廷医官への道~』(1999年): 庶民の医師ホ・ジュンの生涯を描き、韓国で驚異的な視聴率を記録。
- 『宮廷女官チャングムの誓い』(2003年): 宮廷料理人から王の主治医となった女性チャングムの物語。日本でも韓流ブームの火付け役となりました。
- 『イ・サン』(2007年): 朝鮮王朝時代の名君イ・サンの生涯を描く。
- 『トンイ』(2010年): 卑しい身分から王の側室となったトンイの物語。『馬医』は、『イ・サン』『トンイ』に続き、脚本家のキム・イヨンとタッグを組んだ作品であり、 イ・ビョンフン監督の集大成とも言える作品の一つです。
脚本家:キム・イヨン
イ・ビョンフン監督と『イ・サン』『トンイ』、そして『馬医』でタッグを組んだ、緻密なストーリーテリングに定評がある脚本家です。
彼女の脚本は、膨大な歴史資料に基づきながらも、登場人物の繊細な心理描写や、視聴者を惹きつけるテンポの良い展開が特徴です。『馬医』においても、主人公クァンヒョンの成長物語と、彼を取り巻く複雑な人間関係、そして医療の専門的な描写を、見事に両立させました。
ロケ地・撮影場所
『馬医』の壮大な世界観を支えたのが、大規模なオープンセットでの撮影です。
主なロケ地となったのは、韓国・京畿道(キョンギド)龍仁(ヨンイン)市にある**「龍仁大長今パーク(旧:龍仁MBCドラミア)」**です。
ここは、MBCが時代劇を撮影するために建設した巨大なオープンセット場で、 『馬医』のほかにも『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』『トンイ』『太陽を抱く月』など、数々の名作時代劇がここで撮影されました。
敷地内には、朝鮮時代の王宮、両班の屋敷、庶民の町並み、市場、役所(内医院や恵民署)などが忠実に再現されています。
『馬医』では、クァンヒョンが働くことになった恵民署や、イ・ミョンファンが権勢を振るう内医院、王が住む宮殿など、多くのシーンがこの「龍仁大長今パーク」で撮影されました。
現在も人気の観光地となっており、ドラマの世界にタイムスリップしたような感覚を味わうことができます。
最終回の結末(クァンヒョンとジニョンのその後)をネタバレ
前述のあらすじでも触れましたが、最終回(第50話)「そして新しき道へ」は、すべての苦難を乗り越えた主人公たちの、希望に満ちた未来を描く感動的なフィナーレとなりました。
顕宗王の命を外科手術で救ったクァンヒョンは、王から「御医」に任命されます。 これは、賤民である馬医出身の者としては、朝鮮の歴史上、前例のないことでした。重臣たちからは猛反対されますが、王の決意は固く、クァンヒョンは「民のための医療」を実現するためにその職を受け入れます。
一方、奴婢の身分に戻っていたジニョンも、クァンヒョンの尽力(実父ペク・ソックの功績の再評価)により、再び良民(平民)としての身分を取り戻します。
そして、クァンヒョンとジニョンは、多くの人々に祝福されながら結婚式を挙げ、ついに夫婦となります。
しかし、物語はここで終わりません。
数年後、クァンヒョンは御医という都での最高の地位に安住することを選びませんでした。彼は自ら望んで地方の役人(県監)となり、ジニョンと共に、医療が届きにくい貧しい民衆の間に入り、病気の治療や伝染病の予防に奔走します。
地位や名誉のためではなく、ただ目の前の命を救うために。師コ・ジュマンから受け継いだ「仁医」の精神を胸に、新しい道を歩み続けるクァンヒョンとジニョンの笑顔で、全50話の壮大な物語は幕を閉じます。
『馬医』に似たおすすめの韓国時代劇ドラマ(『チャングムの誓い』『トンイ』など)
『馬医』の感動的なストーリーに魅了された方には、以下の作品もおすすめです。
1. イ・ビョンフン監督作品
『馬医』と同じく、イ・ビョンフン監督が手掛けた作品は、共通するテーマ(逆境からのサクセス、ヒューマニズム)を持っており、どれも必見です。
- 『宮廷女官チャングムの誓い』(2003年): 料理人から王の主治医となった女性の物語。韓国時代劇の金字塔。
- 『トンイ』(2010年): 脚本キム・イヨン。『馬医』の前に制作された、卑しい身分から王の側室となる女性の物語。
- 『ホジュン~宮廷医官への道~』(1999年): 『馬医』と同じく、朝鮮時代最高の医官ホ・ジュンの生涯を描いたメディカル史劇。
- 『イ・サン』(2007年): 脚本キム・イヨン。朝鮮王朝第22代王・正祖(イ・サン)の生涯と改革の物語。
2. メディカル・職業系時代劇
- 『ホジュン~伝説の心医~』(2013年): 『ホジュン』のリメイク版。
- 『奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~』(2013年): 高麗の女性が元の皇后になるまでの波乱万丈の物語。
- 『オクニョ 運命の女(ひと)』(2016年): イ・ビョンフン監督作品。監獄で生まれ育った女性オクニョの物語。
3. 主演チョ・スンウの他の作品
『馬医』でチョ・スンウの演技に魅了された方には、彼の現代劇もおすすめです。
- 『秘密の森』(2017年・2020年): 感情を失った検事ファン・シモクを演じ、大ヒットしたサスペンスドラマ。
- 『ライフ』(2018年): 大学病院の経営者として、医療の信念と経営の間で揺れ動く役柄を演じたメディカルドラマ。
【韓国ドラマ】『馬医』キャスト・相関図・あらすじのネタバレまとめ
- 『馬医』は2012年から2013年に韓国MBCで放送された全50話の時代劇。
- 馬の医者(馬医)から王の主治医(御医)になった実在の人物ペク・クァンヒョンの生涯を描く。
- 主演はチョ・スンウ(ペク・クァンヒョン役)。
- ヒロインはイ・ヨウォン(カン・ジニョン役)。
- 監督は『宮廷女官チャングムの誓い』『トンイ』などで知られるイ・ビョンフン。
- 脚本は『イ・サン』『トンイ』も手掛けたキム・イヨンが担当。
- 日本ではNHK BSプレミアムやNHK総合で放送され、高い人気を得た。
- 主要キャストにはイ・サンウ、ソン・チャンミン、ユソン、イ・スンジェ、キム・ソウンなど豪華俳優陣が揃う。
- 複雑な人間関係が描かれるため、相関図の確認がおすすめ。
- 主人公クァンヒョンとヒロイン ジニョンの、赤子の頃にすり替えられた「入れ替わった運命」が物語の軸。
- 子役時代(アン・ドギュン、ノ・ジョンウィ)の熱演も高く評価されている。
- 鍼や外科手術など、当時の最先端医療(タブーとされた外科手術)に挑むメディカルドラマの側面も持つ。
- 波乱万丈のあらすじ展開で、韓国では最高視聴率23.7%を記録した。
- クァンヒョンの師匠コ・ジュマン(イ・スンジェ)との師弟愛も感動を呼ぶ。
- 宿敵イ・ミョンファン(ソン・チャンミン)との対立が物語の緊張感を高める。
- 主演チョ・スンウは、本作で2012年MBC演技大賞の大賞を受賞した。
- Huluなどの動画配信サービスで視聴可能な場合がある(2025年時点、最新情報は要確認)。
- 日本語吹き替え版も制作されており、浪川大輔(クァンヒョン役)、甲斐田裕子(ジニョン役)などが担当した。
- 主題歌(OST)は韓国版のソヒャン「ただひとつだけ」、NHK版の城南海「ただ一つ」などが有名。
- 韓国時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督作品の集大成とも評される名作ドラマである。
『馬医』は、逆境に立ち向かいながらも人々の命を救おうと奮闘する主人公の姿と、彼を取り巻く人々のドラマが深く描かれた感動の物語です。ぜひこの機会に、壮大な歴史ロマンに触れてみてはいかがでしょうか。
参照元URL
- BS-TBS 韓国ドラマ「馬医」公式サイト: http://bs.tbs.co.jp/bai/
- Kstyle | 韓国エンタメ・トレンド情報サイト(『馬医』関連情報): https://kstyle.com/
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