2025年に公開された映画『ファーストキス 1ST KISS』は、松たか子と松村北斗が初共演を果たした感動のラブストーリーです。脚本家・坂元裕二とTVドラマ『海に眠るダイヤモンド』で話題の塚原あゆ子監督がタッグを組み、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞後初となるオリジナル劇場作品として誕生しました。岩崎太整による美しい音楽と、優河が歌唱するエンディングテーマ「next to you」が、時を超えた夫婦愛の物語を彩っています。本記事では、この映画の主題歌とあらすじについて詳しく解説し、作品の魅力に迫ります。
記事のポイント
• エンディングテーマ「next to you」は岩崎太整作曲・優河歌唱による感動の楽曲
• 映画のあらすじは15年連れ添った夫婦の時を超えたラブストーリー
• サウンドトラック全16曲が劇中の感情を丁寧に表現している
• 松たか子と松村北斗の初共演が大きな話題となった作品
• 坂元裕二脚本による深い感動を呼ぶストーリー構成
【映画】『ファーストキス』主題歌とあらすじ
映画ファーストキス主題歌「next to you」の魅力と歌詞の意味
映画『ファーストキス 1ST KISS』のエンディングテーマ「next to you」は、岩崎太整氏が作曲・編曲を手がけ、シンガーソングライターの優河氏が作詞・歌唱を担当した楽曲です。この楽曲は単なる映画の挿入歌を超えて、作品のテーマである「時を超えた愛」を音楽で表現した傑作として多くの観客の心を捉えています。
歌詞の冒頭「朝に冷えた頬に触れた／あなたの声もう一度 思い出す 香り儚く」という部分は、夫を失った主人公カンナの心境を繊細に描写しています。失ったものへの切なさと、もう一度会いたいという願いが込められた表現は、映画本編のストーリーと深く共鳴しています。
特に印象的なのは「ただ時をそっと 描いていくの／今願いながら ただ時を抱いて 選んでいける」という歌詞です。これは主人公カンナがタイムトラベルを通じて、過去と現在を行き来しながら愛する人との時間を大切にする心境を表現しています。時間の流れとともに育まれる愛の尊さと、限られた時間の中で精一杯愛し抜こうとする決意が美しく歌い上げられています。
「交わる瞳を隣で」「温もり溶け合う手の平」といった歌詞では、物理的な距離を超えて"そばにいる"ことへの願いが繊細に表現されており、観客の感情に深く訴えかけます。
ファーストキスエンディングテーマソングを歌う優河のプロフィール
優河は、映画『長いお別れ』の主題歌「めぐる」でも知られるシンガーソングライターです。彼女の歌声は透明感があり、物語の世界観を音楽で丁寧に表現する能力に長けていることで評価されています。
優河の音楽的特徴は、繊細で感情豊かな表現力にあります。アコースティックギターをベースとした温かみのある楽曲制作を得意とし、聴く人の心に自然と響く歌声を持っています。『ファーストキス』のエンディングテーマでは、その特性が十分に発揮され、映画の余韻を深める重要な役割を果たしています。
彼女が手がけた「next to you」の歌詞には、結婚15年目で夫を失った女性の心境が丁寧に織り込まれています。タイムトラベルによって過去の夫と再び出会い、もう一度恋に落ちるという映画の設定を理解した上で、カンナと駈の愛や時間の儚さを歌詞に込めました。
優河の歌声は、観客が映画を観終わった後も心に残り続ける力を持っています。SNSでは「優河さんの歌声に主人公の気持ちを重ねて涙した」という感想が多数投稿されており、楽曲の完成度の高さを物語っています。
岩崎太整が手がけた映画音楽の特徴と楽曲解説
岩崎太整は、映画『竜とそばかすの姫』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した実力派作曲家です。『ファーストキス』では劇中音楽を担当し、松たか子と松村北斗が演じる夫婦のラブストーリーに寄り添う温かくも切ない音楽を創り上げました。
サウンドトラックは全16曲で構成されており、それぞれが物語の重要なシーンを彩っています。「空洞」「首都高にて」「邂逅」「帰り道」「1st Kiss」など、楽曲タイトルからも映画の場面が想像できる構成となっています。
岩崎の音楽的アプローチは、登場人物の感情に寄り添いながら、観客の心に自然と響く楽曲を作ることです。『ファーストキス』では、現実離れしたタイムトラベルの設定であっても、音楽がリアリティを補完し、観客が自然と感情移入できるように導いています。
特に「1st Kiss」という楽曲は、作品のタイトルと同名であり、カンナと駈の関係性の核心を音楽で表現した重要な楽曲です。繊細なピアノのメロディーが、初めて恋に落ちた瞬間の純粋さと、15年後に再び恋に落ちる複雑さの両方を表現しています。
ファーストキス映画あらすじ - 15年目の夫婦に訪れた奇跡
映画『ファーストキス 1ST KISS』のあらすじは、結婚して15年になる硯カンナ（松たか子）が、ある日、夫の駈（松村北斗）を事故で失ってしまうところから始まります。カンナと駈の夫婦生活は長い間すれ違いが続いており、離婚話も出ていた倦怠期の真っ只中でした。
しかし、思ってもいなかった別れを経験したカンナは、ひょんなことから15年前の夏、駈と初めて出会った日にタイムトラベルしてしまいます。そこで出会ったのは、まだ夫にはなっていない若き日の駈でした。
過去の駈と再び出会ったカンナは、「やっぱりわたしはこの人が好きだ」と気づきます。40代のカンナが20代の駈と恋に落ち、時間を行き来しながら気持ちを重ね合わせていく姿が描かれます。
物語の核心は、カンナが事故死してしまう駈の未来を変えたいと願うことです。過去が変われば未来も書き換えられることを知ったカンナは、ある結論に至ります。それは「わたしたちは出会わない。結婚しない。たとえ、もう二度と会えなくても」という究極の愛の選択でした。
この物語は、「もう一度だけ、会いたい人はいますか？」という問いかけから始まり、誰かと生きていくということの意味を深く考えさせる内容となっています。結婚、恋愛、生活の中で重ねていく時間に何が存在するのか、言葉にすることで見えてくるおかしみとかなしみが丁寧に描かれています。
松たか子と松村北斗が演じる夫婦の物語の見どころ
松たか子と松村北斗の初共演は、当初多くの人にとって意外な組み合わせでした。しかし、実際の映画では二人の相性の良さと演技力が存分に発揮され、リアルで温かい夫婦の関係性を見事に表現しています。
松たか子は坂元裕二作品への出演が4作目で、映画作品は今回が初となります。「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」などの出演経験を活かし、坂元ワールドの世界観を体現する演技を見せています。カンナ役では、事故で夫を失った女性の複雑な心境を、松たか子特有のチャーミングさと表現力で活写しています。
松村北斗は、SixTONESのメンバーとして活動する一方、俳優としても確実にキャリアを積み重ねています。第46回日本アカデミー賞で新人俳優賞と話題賞を受賞するなど、その演技力は高く評価されています。駈役では、15年前の若い研究員と45歳になった夫という異なる年代の同一人物を、繊細な演技で演じ分けています。
二人の夫婦役としての見どころは、年の差を超えた自然な関係性です。松村北斗の持つ紳士的で真摯な人間性が駈のキャラクターとうまく重なり、観客に愛すべき人物として印象づけています。撮影現場では、座敷に上がる際にカンナの靴もきちんと揃えて置くなど、脚本にも演出にもなかった自然な芝居を見せ、その人間性の良さが作品に反映されています。
ファーストキス配信情報とDVD・Blu-ray発売情報
映画『ファーストキス 1ST KISS』は2025年2月7日に劇場公開され、大ヒットを記録しました。その後、7月23日にBlu-ray＆DVDが発売され、現在好評発売中となっています。
Blu-ray豪華版には、本編に加えてメイキング映像が収録されており、松たか子と松村北斗のチームワークや撮影現場の様子を見ることができます。特に、二人の息の合った掛け合いや、坂元裕二脚本の魅力を語る貴重なインタビューが含まれています。
配信サービスでの展開については、各プラットフォームで順次配信が開始される予定です。映画館で観逃した方や、もう一度じっくりと鑑賞したい方にとって、自宅で楽しめる機会が提供されています。
サウンドトラックも映画公開と同日の2月7日に発売され、エンディングテーマ「next to you」を含む全16曲が収録されています。音楽配信サービスでも聴くことができ、映画の余韻を音楽で味わうことが可能です。
映画の予告編で使用された印象的なBGMとその効果
『ファーストキス』の予告編では、岩崎太整による劇中音楽が効果的に使用されています。特に印象的なのは、カンナがタイムトラベルする瞬間の幻想的な音楽と、若き日の駈との出会いのシーンで流れる温かい楽曲です。
予告編の音楽は、観客に対して映画の世界観を瞬時に伝える重要な役割を果たしています。ロマンチックでありながらも切なさを含んだメロディーが、時を超えたラブストーリーという作品のテーマを的確に表現しています。
また、松たか子と松村北斗の会話シーンでは、セリフを引き立てる繊細な音楽が使用されており、二人の関係性の深さを音楽的に表現しています。予告編を観た多くの人が「音楽が美しい」という感想を持つのは、岩崎太整の優れた楽曲制作能力によるものです。
【映画】『ファーストキス』主題歌とあらすじを理解したら
ファーストキス映画松たか子の演技と魅力について
松たか子の『ファーストキス』での演技は、彼女のキャリアの中でも特に印象的な作品の一つとなっています。硯カンナという役柄を通じて、松たか子は40代女性の複雑な心境を見事に表現しています。
カンナは事故で夫を失った悲しみを抱えながらも、日常に追われて十分に悲しみに暮れることもできない現代女性の姿を体現しています。松たか子はこの役を演じるにあたり、「カンナは自分が置かれている状況を身体で分かってはいても、頭では分かっていない」という塚原監督の演出を受けて、混乱と戸惑いの中にいる女性を繊細に演じています。
特に見どころとなるのは、29歳のカンナを演じる場面です。タイムトラベルによって過去に戻ったカンナが、若き日の駈と恋に落ちる姿を、松たか子は年下の松村北斗を相手に自然体で演じています。年齢を重ねた女性が初めて恋をするような瑞々しさと、人生経験を積んだ大人の女性としての深みを両立させた演技は圧巻です。
松たか子自身も撮影を振り返り、「坂元さんの脚本に出会うのは4回目ですが、映画は初めてで、坂元さんの思いに少しだけ気付くことができたような気がします」とコメントしており、坂元作品への深い理解と愛情が演技に反映されています。
松村北斗のファーストキス出演で見せた新たな一面
松村北斗にとって『ファーストキス』は、俳優としての新境地を開拓する重要な作品となりました。SixTONESのメンバーとしての活動と並行して俳優業にも力を入れている松村にとって、坂元裕二脚本の作品への出演は大きな挑戦でした。
駈という役柄は、古生物学の研究員として恐竜化石を研究する真面目で紳士的な人物です。松村は「坂元裕二さんの作品や書籍にどれほど影響を受けてきたのか分かりません」とコメントしており、憧れの脚本家の作品に出演できる喜びを語っています。
演技面での見どころは、15年前の若い研究員と45歳になった夫という同一人物の異なる時代を演じ分けることです。白髪とシワの老けメイクによる45歳の駈と、瑞々しい青年時代の駈を、松村は自然な演技で表現しています。
松村の人間性の良さも作品に大きく貢献しています。塚原監督から「駈は大事なときに相手の顔を見る人。表情とちゃんと向き合う人」という演出を受けて、松村は誠実で愛すべき人物として駈を演じています。撮影現場でも、かき氷屋の座敷に上がる際に自然とカンナの靴を揃えるなど、脚本にない細やかな気遣いを見せ、その人間性が駈のキャラクターに深みを与えています。
坂元裕二脚本の特徴とファーストキスでの表現技法
坂元裕二は『怪物』でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した、日本を代表する脚本家です。『ファーストキス』は、その受賞後初となるオリジナル劇場作品として大きな注目を集めました。
坂元脚本の特徴は、日常の些細な出来事から深い人間性を描き出すことです。『ファーストキス』でも、宅配便に起こされる朝、三年待ちのお取り寄せ、焦げた餃子、物であふれている部屋など、取るに足らない日常の描写から、登場人物の心境や生活感を表現しています。
セリフでの直接的な説明を避けて、シチュエーションで感情を表現するのも坂元作品の特色です。『ファーストキス』では「恋愛感情と靴下の片方はいつかなくなります」というカンナの台詞が印象的ですが、これも直接的な表現を避けながら、夫婦関係の変化を詩的に表現した例です。
また、音楽を単なる背景効果として使うのではなく、登場人物の心情や物語の核心を伝える重要な役割として活用するのも坂元作品の特徴です。『ファーストキス』では、これまでの作品以上に音楽がストレートに物語のテーマや感情を表現しており、エンディングテーマ「next to you」が作品全体のメッセージを集約しています。
ファーストキスはいつまで上映？劇場情報と上映期間
映画『ファーストキス 1ST KISS』は2025年2月7日に全国の東宝系劇場で公開され、大ヒットを記録しました。松たか子と松村北斗の初共演、坂元裕二脚本という話題性もあり、多くの劇場で長期上映が実現しました。
一般的に映画の上映期間は興行成績によって決まりますが、『ファーストキス』は好調な観客動員により、当初の予定より上映期間が延長された劇場も多数ありました。特に都市部の主要劇場では、3ヶ月以上の上映を実現しています。
上映劇場の情報は、東宝の公式サイトや各劇場のホームページで確認することができます。地方の劇場でも積極的に上映されており、多くの観客が劇場で作品を楽しむ機会が提供されました。
現在は劇場上映が終了し、Blu-ray＆DVDでの鑑賞が可能となっています。また、各種動画配信サービスでの配信も順次開始されており、劇場で観逃した方も自宅で作品を楽しむことができます。
映画ファーストキスの関連作品とおすすめタイムトラベル映画
『ファーストキス』のようなタイムトラベルをテーマにした恋愛映画は、多くの観客に愛され続けているジャンルです。本作に興味を持った方におすすめの関連作品をいくつか紹介します。
まず挙げられるのは『アバウト・タイム～愛おしい時間について～』です。イギリス映画でありながら、家族愛と恋愛を丁寧に描いた作品として高く評価されています。主人公が時間を巻き戻す能力を使って人生をやり直そうとする物語は、『ファーストキス』と通じるテーマを持っています。
日本映画では『ハッピーフライト』の矢口史靖監督による『アフタースクール』や、『時をかける少女』の系譜に連なる作品群も注目です。特に細田守監督の『時をかける少女』アニメ版は、青春期の恋愛とタイムトラベルを美しく描いた傑作として多くのファンを持っています。
坂元裕二脚本の関連作品としては、映画『花束みたいな恋をした』が特におすすめです。土井裕泰監督による本作品は、現代の恋愛観を繊細に描いた傑作として高い評価を得ています。また、ドラマ作品では『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』などが、坂元ワールドを堪能できる作品として人気です。
ファーストキス「ラララ」シーンの印象的な演出について
映画『ファーストキス』には、観客の印象に強く残る「ラララ」のシーンが登場します。このシーンは、カンナと駈の関係性を象徴的に表現した重要な場面として、多くの観客に愛されています。
「ラララ」シーンの魅力は、言葉を超えたコミュニケーションを表現していることです。夫婦になってからの二人と、恋人時代の二人の違いを、セリフではなく感情的な表現で描いています。坂元裕二の脚本の特徴である、直接的な説明を避けて感情で語るスタイルが効果的に使われています。
演出面では、塚原あゆ子監督の細やかな配慮が光っています。松たか子と松村北斗の自然な掛け合いを大切にしながら、音楽と映像が一体となって観客の心に訴えかける演出となっています。
このシーンに流れる岩崎太整の音楽も印象的で、楽器の演奏と歌声が混じり合って、幻想的でありながら親しみやすい雰囲気を作り出しています。観客からは「このシーンだけで涙が出た」「何度も観返したくなる」という感想が多数寄せられており、作品の代表的なシーンとなっています。
岩崎太整映画サウンドトラック全16曲の聴きどころ解説
映画『ファーストキス 1ST KISS』のサウンドトラックは、岩崎太整による16曲で構成されており、それぞれが物語の重要な場面を音楽で彩っています。
楽曲「空洞」は、冒頭のカンナが一人でいる場面の心境を表現した楽曲です。夫を失った女性の心の空虚感を、ピアノの繊細なメロディーで表現しており、映画の世界観に観客を引き込む役割を果たしています。
「首都高にて」は、東京の都市風景を背景にしたシーンで使用される楽曲で、現代的でありながら哀愁を帯びたサウンドが特徴です。カンナの日常生活の中での孤独感を音楽で表現しています。
「邂逅」は、カンナと若き日の駈が出会うシーンの楽曲です。運命的な出会いの瞬間を、希望に満ちたメロディーで表現しており、物語の転換点を印象づける重要な楽曲となっています。
「1st Kiss」は作品のタイトルと同名の楽曲で、二人の愛情の核心を音楽で表現した代表的な楽曲です。初恋の瑞々しさと、長年連れ添った夫婦の深い愛情の両方を包含したメロディーが印象的です。
エンディングテーマ「next to you」は、優河の透明感あふれる歌声によって、映画の余韻を深める役割を果たしています。観客が映画館を出た後も心に残り続ける楽曲として、多くの人に愛されています。
【映画】『ファーストキス』主題歌とあらすじのまとめ
映画『ファーストキス 1ST KISS』は、エンディングテーマ「next to you」が岩崎太整作曲・優河歌唱による、映画の世界観を完璧に表現した感動の楽曲として大きな話題となりました。透明感あふれる優河の歌声と、岩崎太整の繊細な編曲が組み合わさることで、時を超えた愛というテーマを音楽で見事に表現しています。歌詞に込められた「時間を超えても変わらない愛」というメッセージは、多くの観客の心に深く響きました。
15年連れ添った夫婦の倦怠期から始まる、時を超えたラブストーリーが心に深く響く物語構成となっています。主人公カンナが事故で夫を失い、タイムトラベルによって若き日の夫と再び恋に落ちるという設定は、現実離れしているようでありながら、結婚生活の中で忘れがちになる恋心の大切さを再認識させてくれます。坂元裕二による脚本は、日常の些細な出来事から深い人間性を描き出すことで、観客が自然と感情移入できる物語となっています。
松たか子と松村北斗の初共演によって生み出された、リアルで温かい夫婦の関係性が見どころとなっています。年齢差を超えた自然な演技と、二人の持つ人間性の良さが作品に深みを与えており、観客に愛される夫婦像を創り上げています。松たか子の経験豊かな演技力と松村北斗の真摯な姿勢が組み合わさることで、信頼できる夫婦関係が丁寧に描かれています。
坂元裕二による繊細で深みのある脚本が、観客の感情を揺さぶる秀逸なストーリーテリングを実現しています。カンヌ国際映画祭脚本賞受賞後初のオリジナル劇場作品として、坂元の真骨頂である「言葉で語らずに感情で伝える」手法が効果的に使われており、観客それぞれが自分なりの解釈で作品を楽しむことができる構成となっています。
岩崎太整によるサウンドトラック全体が映画の感情に寄り添い、観賞体験をより豊かにする音楽的完成度を誇っています。16曲すべてが物語の重要なシーンと密接に結びついており、音楽だけでも映画の世界観を味わうことができる素晴らしい作品となっています。映画を観終わった後も、楽曲を聴くことで再び作品の感動を味わうことができる、音楽と映像が一体となった傑作です。
