© 2019 Universal Pictures. All Rights Reserved. 「意味不明」「ストーリーがわからない」と言われがちな映画『キャッツ』ですが、実は猫たちの「死と再生」をテーマにした奥深い物語です。この記事では、映画版『キャッツ』のあらすじを初心者にもわかりやすく解説し、観賞後の楽しみ方もご紹介します。 記事のポイント 映画『キャッツ』は「ジェリクル舞踏会」で特別な猫...

「意味不明」「ストーリーがわからない」と言われがちな映画『キャッツ』ですが、実は猫たちの「死と再生」をテーマにした奥深い物語です。この記事では、映画版『キャッツ』のあらすじを初心者にもわかりやすく解説し、観賞後の楽しみ方もご紹介します。
記事のポイント
- 映画『キャッツ』は「ジェリクル舞踏会」で特別な猫を選ぶ一夜の物語
- グリザベラの「メモリー」が物語の核心となる感動的なストーリー
- 24匹の個性豊かなキャラクターがそれぞれの魅力を披露
- 「死と再生」というテーマが込められた深いメッセージ性
- 劇団四季版との違いや映画版独自の魅力も理解できる
『キャッツ』のあらすじをわかりやすく

ジェリクル舞踏会とは?年に一度の特別な夜
映画『キャッツ』の舞台は、満月が青白く輝く夜のロンドンの片隅にあるゴミ捨て場です。この夜は年に一度だけ開かれる「ジェリクル舞踏会」という特別な舞踏会の夜。「ジェリクルキャッツ」と呼ばれる個性豊かな猫たちが、この舞踏会に参加するため集まってきます。
ジェリクルキャッツとは、人間に飼い馴らされることを拒否し、逆境に負けずしたたかに生き抜く強い心と無限の個性、行動力を持つ猫たちのこと。彼らは自らの人生を謳歌する自由な存在として描かれています。
この舞踏会の最大の目的は、長老猫オールドデュトロノミーによって「最も純粋なジェリクルキャッツ」を一匹選び出すことです。選ばれた猫は「再生を許され、新しいジェリクルの命を得る」とされ、天上の世界へと旅立つことができるのです。
主人公ヴィクトリアの視点で描かれる猫たちの世界
映画版『キャッツ』では、劇団四季版とは異なり、主人公として白猫のヴィクトリアを設定しています。彼女は人間によってロンドンの路地裏に捨てられた若く臆病な白猫で、映画の冒頭でゴミ捨て場に迷い込みます。
ヴィクトリアの存在は、初めて『キャッツ』の世界に触れる観客と同じ視点を提供します。彼女が猫たちの世界を知らない「新参者」として描かれることで、観客は彼女と一緒にジェリクルキャッツの世界を学んでいくことができるのです。
ヴィクトリアはジェリクルキャッツたちに温かく迎え入れられ、彼らから「ジェリクル舞踏会」について教えてもらいます。そして、各々の猫たちが自分の特技や個性を披露する様子を見学しながら、この不思議で魅力的な世界に馴染んでいきます。
長老猫オールドデュトロノミーが選ぶ「特別な猫」とは
ジェリクル舞踏会において最も重要な存在が、長老猫オールドデュトロノミーです。映画版では、劇団四季版とは異なり、イギリスの名女優ジュディ・デンチが演じています。オールドデュトロノミーは深い知恵と慈愛に満ちた存在として描かれ、すべてのジェリクルキャッツから敬愛されています。
オールドデュトロノミーの役割は、舞踏会に参加した猫たちの中から「最も純粋で特別な猫」を一匹選び出すことです。しかし、この選択は単純な人気投票や能力コンテストではありません。長老猫は各々の猫の内なる純粋さ、過去の経験、そして真の願いを見抜く洞察力を持っています。
選ばれる基準は、その猫が本当に「新しい人生」を必要としているかどうか。つまり、過去の過ちや苦悩から解放され、新たな命として生まれ変わることを心から望んでいるかが重要なのです。この基準こそが、物語の核心である「死と再生」のテーマに直結しています。
グリザベラの悲しい過去と「メモリー」の歌詞の意味
物語の中で最も重要なキャラクターの一人が、グリザベラです。彼女はかつて美しく魅力的な猫でしたが、今は老いて美貌を失い、他の猫たちから疎まれている存在として描かれています。グリザベラの過去には深い謎があり、なぜ彼女が仲間外れにされているのかは物語の重要な要素となっています。
グリザベラが歌う「メモリー」は、ミュージカル『キャッツ』の中で最も有名で感動的な楽曲です。この歌は、彼女の内なる心情を切々と歌ったもので、過去の美しい思い出と現在の孤独感が込められています。歌詞には「月明かりに一人きり、古き日々に微笑みかける」「私は美しかった、あの頃を思い出す」といった内容が含まれ、彼女の哀しみと希望が表現されています。
「メモリー」の深い意味は、単なる郷愁ではありません。グリザベラは過去の過ちや失われた栄光を受け入れながらも、新しい人生への希望を捨てていない姿を歌っているのです。この歌こそが、物語のクライマックスでグリザベラが選ばれる理由を示唆しています。
天上界へと旅立つ猫の「死と再生」の深いテーマ
『キャッツ』の物語には「死と再生」という深いテーマが隠されています。選ばれた猫が「天上界へと旅立つ」というのは、文字通りの死を意味するものではありません。むしろ、過去の自分から解放され、新しい人生を歩むための象徴的な「生まれ変わり」を表しているのです。
この「再生」の概念は、人間の人生における重要な転換点や成長のプロセスと重ね合わせて理解することができます。誰もが人生の中で過去の過ちや失敗に悩み、新しい自分になりたいと願う瞬間があります。『キャッツ』はそのような普遍的な人間の願望を、猫たちの物語を通して表現しているのです。
天上界へと旅立つシーンは、物語の最も感動的な瞬間です。選ばれた猫は光に包まれ、舞台上(映画では画面上)の高いところへと上昇していきます。これは肉体的な死ではなく、精神的な解放と新たな始まりを視覚的に表現した演出なのです。
マキャヴィティとの対決シーンで描かれる善悪の戦い
映画版『キャッツ』では、悪役としてマキャヴィティが重要な役割を果たします。マキャヴィティは「犯罪猫」として知られ、ジェリクル舞踏会を妨害しようとする存在です。彼は他の猫たちを次々と誘拐し、自分が天上界に選ばれようと企てます。
マキャヴィティとの対決は、物語に緊張感とドラマを与える重要な要素です。彼の存在は、単なる悪役としてだけでなく、「間違った方法で救いを求める者」の象徴でもあります。マキャヴィティも内心では新しい人生を望んでいますが、その方法が間違っているのです。
この善悪の対立は、最終的にジェリクルキャッツたちの結束によって解決されます。マキャヴィティの妨害にも関わらず、猫たちは互いを助け合い、真の友情と愛の力で困難を乗り越えます。これは物語の重要なメッセージの一つでもあります。
感動のフィナーレ:選ばれた猫の新しい命への旅立ち
物語のクライマックスでは、オールドデュトロノミーによってグリザベラが選ばれます。この選択は多くの観客にとって感動的な瞬間となります。なぜなら、最も傷つき、孤独だった猫が最終的に救いを得るからです。
グリザベラの選出は、彼女の「メモリー」の歌に込められた真摯な思いと、過去の過ちを受け入れながらも新しい人生への希望を失わなかった強さが評価された結果です。長老猫は彼女の内なる純粋さと、真の意味での「再生」への願いを見抜いたのです。
フィナーレでは、グリザベラが光に包まれて天上界へと旅立ちます。この瞬間、他の猫たちも彼女を受け入れ、祝福の歌を歌います。映画版では特に美しい視覚効果でこのシーンが描かれ、観客に深い感動を与えます。物語は希望に満ちた新しい夜明けとともに終わりを迎えます。
『キャッツ』のあらすじをわかりやすく理解したら

劇団四季版との違い:映画版独自の演出と魅力
映画版『キャッツ』は劇団四季版や他の舞台版とは多くの点で異なります。最も大きな違いは、映画版では白猫ヴィクトリアが明確な主人公として設定されていることです。舞台版では複数の猫たちが平等に扱われる群像劇的な構成ですが、映画版ではヴィクトリアの視点を通して物語が進行します。
また、映画版では実写とCGIを組み合わせた独特の映像表現が用いられています。俳優たちの顔に猫の特徴をデジタル合成で加え、人間サイズの猫として表現されています。この技術的挑戦は賛否両論を呼びましたが、舞台では不可能な映像表現を実現しています。
さらに、映画版では新たな楽曲「Beautiful Ghosts」が追加されており、ヴィクトリアとグリザベラの関係性がより深く描かれています。舞台の制約がない映画版では、ロンドンの街中を舞台にしたダイナミックな演出も可能になっています。
24匹のキャラクター完全ガイド:個性豊かな猫たちの紹介
『キャッツ』には24匹の個性豊かなジェリクルキャッツが登場します。それぞれが独特の特徴と魅力を持っており、観客を楽しませてくれます。
主要なキャラクターには、リーダー格のマンカストラップ、セクシーで魅力的なボンバルリーナ、ロックスターのようなラム・タム・タガー、優雅なミストフェリーズ、陽気なジェリーローラム、双子の悪戯猫マンゴジェリーとランペルティーザなどがいます。
各キャラクターは独自の楽曲を持ち、自分の個性や特技を披露します。例えば、ジェニエニドッツは「The Old Gumbie Cat」で家事の得意な猫として描かれ、スキンブルシャンクスは「Skimbleshanks」で鉄道猫としての誇りを歌います。これらの個性的なキャラクターたちが物語に彩りを添えています。
映画版では豪華キャストがこれらの役を演じ、テイラー・スウィフト(ボンバルリーナ)、ジェイソン・デルーロ(ラム・タム・タガー)、イドリス・エルバ(マキャヴィティ)などの有名俳優・歌手が参加しています。
「メモリー」以外の名曲解説:各楽曲に込められた意味
『キャッツ』には「メモリー」以外にも多くの名曲があります。オープニングの「Jellicle Songs for Jellicle Cats」は、ジェリクルキャッツとは何かを説明する重要な楽曲で、物語の世界観を確立します。
「The Rum Tum Tugger」は、ロックスター猫ラム・タム・タガーの魅力的な個性を表現した楽曲で、反骨精神と自由さを歌っています。「Mr. Mistoffelees」は魔法猫ミストフェリーズの神秘的な能力を描いた楽曲で、物語のクライマックスで重要な役割を果たします。
「Macavity: The Mystery Cat」は悪役マキャヴィティの恐ろしさと神秘性を歌った楽曲で、物語に緊張感をもたらします。「Skimbleshanks: The Railway Cat」は鉄道猫の誇りと責任感を表現した楽曲で、労働の尊さを称えています。
これらの楽曲はそれぞれ異なる音楽スタイルを持ち、ジャズ、ロック、クラシック、タップダンスなど多様なジャンルの要素が取り入れられています。各楽曲には深い意味とメッセージが込められており、キャラクターの内面や人生哲学を表現しています。
T.S.エリオットの原作詩集から読み解く deeper meaning
『キャッツ』の原作は、ノーベル文学賞受賞詩人T.S.エリオットの詩集「Old Possum’s Book of Practical Cats(ポッサムおじさんの猫とつき合う法)」です。この詩集は1939年に出版され、エリオットが子どもたちのために書いた軽妙な猫の詩集として知られています。
原作詩集には、ミュージカルで登場する多くのキャラクターの原型が描かれています。しかし、原作は単なる子ども向けの詩集ですが、ミュージカル版では大人も感動できる深いテーマが加えられています。
エリオットの詩は言葉遊びと韻律の美しさで知られており、猫たちの名前も韻を踏んだ独特のものになっています。原作を理解することで、ミュージカルの歌詞の巧妙さや言語的な美しさをより深く味わうことができます。
また、エリオットの他の作品に見られる人生の意味や存在論的なテーマが、『キャッツ』にも影響を与えていると考えられます。猫たちの「死と再生」というテーマは、エリオット文学の重要なモチーフでもあります。
映画版キャストの魅力:テイラー・スウィフトら豪華出演陣
映画版『キャッツ』の最大の魅力の一つは、豪華なキャスト陣です。世界的なポップスター、演劇界の重鎮、映画スターなどが一堂に会し、それぞれが独特の魅力を発揮しています。
テイラー・スウィフトは猫ボンバルリーナを演じ、セクシーで魅力的な猫の役を見事に表現しました。彼女の歌唱力とパフォーマンスは映画の見どころの一つとなっています。
ジュディ・デンチは長老猫オールドデュトロノミーを演じ、深い知恵と慈愛を表現しました。舞台版では通常男性が演じる役ですが、デンチの圧倒的な存在感により新たな魅力が生まれています。
ジェイソン・デルーロ(ラム・タム・タガー)、イドリス・エルバ(マキャヴィティ)、ジャック・ホワイトホール(ビル・ベイリー)、レベル・ウィルソン(ジェニエニドッツ)など、それぞれが個性的なキャラクターを魅力的に演じています。
批判の理由と擁護論:なぜ「意味不明」と言われるのか
映画版『キャッツ』は公開当初、多くの批判を受けました。主な批判点は、CGIによる人間と猫の合成が「不気味の谷」現象を引き起こし、観客に違和感を与えたことです。また、原作の舞台版に慣れ親しんだファンからは、映画版の演出や解釈に対する反発もありました。
「意味不明」と言われる理由の一つは、『キャッツ』自体が従来の物語構造を持たない作品だからです。明確な起承転結や因果関係がある物語ではなく、猫たちの個性を紹介するショー的な構成になっているため、初見の観客には理解しにくい面があります。
しかし、擁護論も存在します。映画版は舞台では不可能な壮大なスケールの演出を実現し、新たな楽曲の追加により物語性を強化しました。また、豪華キャストによる歌唱とダンスパフォーマンスは高く評価されています。
重要なのは、『キャッツ』は従来の映画やミュージカルとは異なる独特の作品であり、その特異性を理解して鑑賞することです。芸術作品としての実験的な試みとして捉えることで、新たな魅力を発見できるかもしれません。
ミュージカル初心者が楽しむための鑑賞ポイント
『キャッツ』をミュージカル初心者が楽しむためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。まず、従来の映画のような明確なストーリーを期待せず、音楽とダンスのショーとして楽しむことです。
各キャラクターの個性的な楽曲に注目し、それぞれの猫の特徴や魅力を味わうことが大切です。特に、テイラー・スウィフトやジェイソン・デルーロなど、馴染みのあるアーティストの楽曲から入ると親しみやすいでしょう。
視覚的な魅力も重要な要素です。豪華な衣装、印象的なメイク、ダイナミックな振り付けなど、舞台芸術の要素を楽しむことで、作品の魅力をより深く味わえます。
また、「メモリー」のような感動的な楽曲では、歌詞の意味や込められた感情に注目することで、作品の深いメッセージを理解できます。初心者でも感動できる普遍的なテーマが込められているのです。
『キャッツ』のあらすじをわかりやすくまとめ
- 映画『キャッツ』は年に一度の「ジェリクル舞踏会」で新しい命を得る猫を選ぶ物語
- 主人公ヴィクトリアの視点で24匹の個性豊かな猫たちが自己紹介していく構成
- グリザベラの「メモリー」が物語の核心で、過去の栄光と現在の孤独を歌った名曲
- 「死と再生」がテーマの深いメッセージ性を持つミュージカル作品
- 劇団四季版とは異なる映画版独自の演出と豪華キャストが魅力
映画『キャッツ』は確かに独特で理解しにくい面もありますが、その奥には深い人間愛と希望のメッセージが込められています。一度その世界観を理解すれば、猫たちの歌声とダンスが織りなす魅力的な物語を心から楽しむことができるでしょう。ミュージカルの素晴らしさを体感できる貴重な作品として、多くの人に愛され続けています。