【ドラマ】『マルモのおきて』キャスト・相関図とあらすじを解説

2011年の春、日本中を温かい涙と笑顔で包み込んだドラマ『マルモのおきて』。独身アラフォー男と、突然家族になった双子の姉弟、そして人間の言葉を話す不思議な犬が織りなすファンタジックなホームドラマは、多くの視聴者の心を掴みました。阿部サダヲが演じる不器用ながらも愛情深い主人公・高木護（通称：マルモ）と、芦田愛菜、鈴木福が演じる双子の健気な姿は、毎週多くの感動を呼び起こしました。また、ドラマのエンディングで流れる主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」は、愛らしいダンスと共に社会現象となる大ヒットを記録し、その年のエンターテインメントシーンを象

徴する存在となりました。この記事では、検索キーワード「マルモのおきてキャスト相関図」を軸に、本作の魅力の核心である登場人物たちの関係性や、涙なしには見られないあらすじ、そして作品が残した数々の伝説について、詳細に解説していきます。血の繋がりを超えた「本当の家族」の絆とは何かを問いかけたこの不朽の名作の魅力を、改めて紐解いていきましょう。

記事のポイント

基本情報・あらすじ・見どころを整理
阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福が演じる血の繋がりのない家族の心温まる物語
人間の言葉を話す不思議な犬「ムック」の存在が物語の鍵
主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」のダンスと共に社会現象的な大ヒットを記録
配信・再放送情報は変動するため、視聴前に最新の公式情報を確認

【ドラマ】『マルモのおきて』キャスト・相関図とあらすじ

このセクションでは、ドラマの根幹をなす物語の骨格と、それを彩る魅力的な登場人物たちに焦点を当てていきます。物語の世界に深く没入するために不可欠な基本情報から、各話の感動的なエピソード、そして社会現象となった主題歌の魅力まで、作品の全体像を掴むための情報を網羅的に解説します。

チェックポイント

物語の基本設定と、2011年に放送された際の時代背景を解説します。
主演の阿部サダヲをはじめ、芦田愛菜、鈴木福、そして彼らを取り巻く豪華な俳優陣とその役どころ、複雑な人間関係を相関図と共に詳しく紹介します。
第1話の出会いから最終回の涙の決断まで、物語の重要なターニングポイントを追いながら、連続ドラマとスペシャル版のあらすじをたどります。
社会現象を巻き起こした主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」がどのようにして生まれ、日本中に広がっていったのかを掘り下げます。
ドラマの感動を支えた制作の裏側や、視聴率の驚異的な推移など、作品を取り巻く様々なトピックに光を当てます。

『マルモのおきて』とは？放送時期・放送局・基本情報（2011年／フジテレビ系）

ドラマ『マルモのおきて』は、2011年4月24日から7月3日まで、フジテレビ系列の「ドラマチック・サンデー」枠（毎週日曜日21:00 - 21:54）で放送されたテレビドラマです。全11話で構成されています。

物語の主人公は、文具メーカー「あけぼの文具」のお客様相談室で働く30代後半の独身サラリーマン、高木護（阿部サダヲ）。彼が、学生時代の親友であり野球部のエースだった笹倉純一郎の突然の死をきっかけに、親友が男手一つで育てていた双子の姉弟、笹倉薫（芦田愛菜）と笹倉友樹（鈴木福）を引き取るところから物語は始まります。

親戚間で別々に引き取られることになっていた双子を、「ずっと一緒にいることが子供たちには幸せ」という純一郎の遺言を思い出し、勢いで引き取ってしまった護。しかし、子育て経験など全くない護の生活は一変します。さらに、双子が拾ってきたミニチュア・シュナウザーの「ムック」までついてきて、奇妙な共同生活がスタートします。護（まもる）の名前をうまく言えない双子から「マルモ」と呼ばれるようになった彼は、双子とムックに振り回されながらも、次第に保護者としての自覚に目覚めていきます。そして、このムックはただの犬ではなく、人間の言葉を話す不思議な力を持っており、時に護を励まし、時に双子の本心を代弁する重要な役割を担います。

血の繋がりも、育児の経験もない「にせものの家族」が、様々な困難や出来事を乗り越える中で、「おきてノート」を作りながら少しずつ本当の家族になっていく姿を、笑いあり、涙ありで描いたファンタジック・ホームドラマです。

キャスト・登場人物と相関図（高木護／笹倉薫／笹倉友樹／ムックほか）

本作の魅力は、個性豊かな登場人物たちとその関係性によって深く支えられています。ここでは、物語の中心となる人物たちを相関図と共に詳しく紹介します。

【主要人物】

高木護（たかぎまもる） / マルモ
- 演：阿部サダヲ
- 本作の主人公。38歳（スペシャル版2014では41歳）。文具メーカー「あけぼの文具」のお客様相談室勤務。学生時代は野球部で万年補欠の捕手だった。お人好しで情にもろい性格。亡くなった親友・純一郎の遺した双子、薫と友樹を勢いで引き取り、慣れない子育てに悪戦苦闘する。双子からは「マルモ」と呼ばれている。
笹倉薫（ささくらかおる）
- 演：芦田愛菜
- 純一郎の娘で、友樹の双子の姉。小学1年生（スペシャル版2014では小学4年生）。しっかり者で、弟の面倒をよく見る。思ったことをはっきり言う性格だが、寂しがり屋な一面も持つ。護のことを「マルモ」と呼び始める。
笹倉友樹（ささくらともき）
- 演：鈴木福
- 純一郎の息子で、薫の双子の弟。泣き虫で甘えん坊だが、純粋で心優しい性格。昆虫が好き。姉の薫といつも一緒で、護にもすぐに懐く。
ムック
- 声：岡亮
- 薫と友樹が拾ってきたミニチュア・シュナウザー犬。なぜか人間の言葉を話すことができ、護や双子に的確なアドバイスを送る。その正体は謎に包まれているが、家族の絆を深めるための守り神のような存在。

【護を取り巻く人々】

畑中彩（はたなかあや）
- 演：比嘉愛未
- 護が住むアパートの大家の娘。居酒屋「クジラ」で働いている。シングルマザーで、護や双子のことを何かと気にかけてくれる優しい女性。護が密かに想いを寄せる相手でもある。
畑中陽介（はたなかようすけ）
- 演：世良公則
- 護が住むアパートの大家で、彩の父親。一見強面だが、実は情に厚く、護たちのことを温かく見守っている。居酒屋「クジラ」の店主。
鮫島勇三（さめじまゆうぞう）
- 演：伊武雅刀
- 「あけぼの文具」お客様相談室の室長で、護の上司。厳しいが部下思いの一面も持ち、護の良き理解者となっていく。
真島孝則（ましまたかのり）
- 演：小柳友
- 護の同僚。護とは対照的に要領が良く、プライベートも充実している。護の子育てに呆れつつも、協力してくれる。

【双子の関係者】

笹倉純一郎（ささくらじゅんいちろう）
- 演：葛山信吾
- 薫と友樹の父親で、護の大学時代の親友。野球部のエースだった。末期ガンにより若くして亡くなる。回想シーンで登場し、物語の重要な基盤となる。
青木あゆみ（あおきあゆみ）
- 演：鶴田真由
- 薫と友樹の実の母親。純一郎とは離婚しており、双子とは離れて暮らしていた。物語中盤で双子の前に現れ、物語に大きな波乱を巻き起こす。

【相関図】

物語は、高木護を中心に、彼が保護者となった笹倉薫と笹倉友樹、そして不思議な犬ムックという「疑似家族」の関係が核となります。この家族を、アパートの大家である畑中陽介と娘の彩が地域コミュニティの温かさで支えます。一方、職場では上司の鮫島や同僚の真島が、護の生活の変化に戸惑いながらも理解を示していきます。そして、物語が進行するにつれて、双子の実母である青木あゆみが登場し、護が築き上げてきた家族の形が大きく揺さぶられることになります。これらの人間関係が複雑に絡み合いながら、感動的な物語が紡がれていきます。

1話〜最終回のあらすじ早わかり（各話の泣き笑いポイント）

ここでは、涙と笑いに満ちた物語の軌跡を、各話のハイライトと共に振り返ります。

第1話「独身男と双子が家族!? 犬がつなげた絆」親友・純一郎の突然の訃報。葬儀の場で、双子の薫と友樹が親戚によって別々に引き離されることを知った護は、純一郎の「二人を一緒に」という言葉を思い出し、衝動的に二人を引き取ることを決意。こうして、子育て経験ゼロの護と、喋る犬・ムックとの奇妙な共同生活が幕を開ける。
第2話「今日からここがおまえらの家」本格的な同居生活がスタート。しかし、小学校の入学準備や日々の世話に護はてんてこまい。薫は、護が本当の父親ではないことから生じる不安を抱え、クラスメートとのトラブルを起こしてしまう。護は、双子との間に「おきてノート」を作ることを提案し、家族としての第一歩を踏み出す。
第3-5話（物語中盤の展開）運動会や遠足など、学校行事を通じて深まっていく三人と一匹の絆。護は彩への淡い恋心を抱くが、双子の親代わりという立場から思い悩む。そんな中、双子の実の母親・あゆみが姿を現す。自分が母親であるとは名乗らずに双子に接触するあゆみの存在は、護の心を大きくかき乱す。薫は、あゆみが母親ではないかと薄々感づき始め、複雑な感情を抱く。
第6-10話（クライマックスへの道）あゆみは、ついに自分が母親であることを明かし、双子を引き取りたいと申し出る。法的な親権を持つあゆみの申し出に、護は抗うことができない。双子もまた、本当の母親と暮らすべきか、育ててくれた「マルモ」といるべきかで激しく葛藤する。別れの日が近づく中、護と双子は「最後の思い出作り」として、これまで通り明るく過ごそうと努めるが、隠しきれない寂しさが募っていく。
最終話「おきてを守ったからずっと楽しかったよ。マルモありがとう、そしてさようなら」ついにあゆみの元へ行く日がやってくる。護は涙をこらえ、笑顔で二人を送り出す。しかし、双子は護と過ごした日々と「おきてノート」を忘れることができなかった。ムックに導かれ、双子は護の元へと走り出す。あゆみもまた、護と双子の間に生まれた本物の絆の強さを知り、二人の幸せを願って身を引くことを決意する。血の繋がりを超え、「本当の家族」になった護、薫、友樹、そしてムックの新たな生活が始まる、感動のフィナーレを迎える。

主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」とダンスの魅力

『マルモのおきて』を語る上で絶対に欠かせないのが、芦田愛菜と鈴木福が役名のユニット「薫と友樹、たまにムック。」として歌った主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」です。

この曲は、ドラマのエンディングで毎週放送され、二人が愛らしい振り付けで踊る映像と共に、瞬く間にお茶の間の人気を席巻しました。作詞・作曲は宮下浩司が担当。子供たちが口ずさみやすいキャッチーなメロディと、「マル・マル・モリ・モリみんな食べるよ」といった擬音語を多用した楽しい歌詞が特徴です。

振り付けは、スタジオジブリ作品『崖の上のポニョ』なども手掛けた濱田“Peco”美和子が担当。両手を頬に当てて首をかしげるポーズや、指を立てて歩くような動きなど、子供から大人まで誰もが簡単に真似できるキャバリエーション豊かなダンスは、YouTubeなどの動画サイトで「踊ってみた」動画が多数投稿されるなど、一大ムーブメントを巻き起こしました。

CDは2011年5月25日に発売されると、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録。発売から約2ヶ月で50万枚以上を売り上げる大ヒットとなり、その年のオリコン年間シングルランキングで8位に入る快挙を成し遂げました。ドラマの視聴率が回を追うごとに右肩上がりに上昇した一因として、「エンディングのマルモリダンスが見たい」という視聴者の声が大きかったことも指摘されており、ドラマ本編と主題歌が見事に相乗効果を生み出した稀有な例と言えます。この曲のヒットにより、芦田愛菜と鈴木福は同年の『第62回NHK紅白歌合戦』にも出場を果たし、まさに2011年を象徴する一曲となりました。

スペシャルドラマ版（2011年・2014年）のあらすじ

連続ドラマの人気を受け、『マルモのおきて』は2本のスペシャルドラマが制作されました。

マルモのおきてスペシャル（2011年10月9日放送）連続ドラマの最終回から3ヶ月後が舞台。夏休み、護は薫と友樹を連れて、山梨でぶどう農園を営む大学時代の後輩の元へ遊びに行く。そこで出会った後輩夫婦の子供たちと意気投合した薫と友keyは、「ぶどう戦士パープルフォー」を結成。願いを叶えてくれるという伝説のカッパを探す冒険に出る。一方、東京では彩との関係に進展があるのか、護の恋の行方も描かれる。子供たちの夏休みの冒険と、大人たちの日常が交錯する、心温まるストーリーです。
マルモのおきてスペシャル 2014（2014年9月28日放送）前作から3年後、薫と友樹は小学4年生の10歳に。学校の授業で「自分物語」と題した、生まれてからの10年間を振り返る作文を書くことになる。自分たちの複雑な生い立ちと向き合う中で、二人は改めて家族について考える。一方、護は双子の実母であるあゆみと再会し、双子の将来のために、そろそろ母親の元へ帰すべきではないかと真剣に悩み始める。子供たちの成長と、家族の新たな選択を描いた、感動的な物語です。主題歌も「マル・マル・モリ・モリ！ 2014」としてリニューアルされました。

脚本・監督・制作体制と作品のテーマ

本作の心温まる世界観は、実力派のスタッフ陣によって作り上げられました。

脚本：櫻井剛、阿相クミコメイン脚本は櫻井剛が担当。ユーモアとペーソスを織り交ぜた会話劇を得意とし、登場人物たちの何気ない日常の中に、感動や家族の絆を丁寧に描き出しました。
演出：河野圭太、城宝秀則チーフ演出は河野圭太。俳優陣の自然な演技を引き出すことに定評があり、特に芦田愛菜と鈴木福という子役の魅力を最大限に引き出し、視聴者が感情移入しやすいリアルな家族像を構築しました。
プロデューサー：橋本芙美この企画の中心人物。血の繋がらない人々が困難を乗り越えて家族になるという普遍的なテーマに、人間の言葉を話す犬というファンタジー要素を加えることで、幅広い世代が楽しめるエンターテインメント作品へと昇華させました。

このドラマの根底に流れるテーマは**「家族とは何か？」**という普遍的な問いです。血縁関係がない護と双子が、一つ屋根の下で暮らし、喜びや悲しみを分かち合う中で、法律や制度では定義できない「心の繋がり」を育んでいきます。毎話、双子との間で交わされる「おきて」は、彼らが家族として成長していく過程そのものを象徴しています。ファンタジックな設定の中にも、現代社会が抱える様々な家族の形や、人と人との繋がりの大切さを描き出した点が、多くの視聴者の共感を呼びました。

何話構成？放送スケジュールと再放送情報

放送構成：連続ドラマ版は全11話で構成されています。
放送スケジュール：2011年4月24日から2011年7月3日まで、フジテレビ系列で毎週日曜21:00から放送されました。
再放送：本作は非常に人気が高かったため、放送終了後もフジテレビや地方局、BS/CS放送などで何度も再放送されています。特に夏休みや冬休みなどの長期休暇期間中に集中編成で放送されることが多く、世代を超えて愛され続ける作品となっています。

配信・見逃し配信はどこで見れる？（最新は公式で確認）

2025年9月現在、『マルモのおきて』はフジテレビの公式動画配信サービス**「FOD（フジテレビオンデマンド）」**で、連続ドラマ全話およびスペシャル版2本が配信されています。

FODでは、本作以外にも過去のフジテレビの名作ドラマが多数配信されており、定額制の「FODプレミアム」に登録することで、いつでも好きな時に視聴することが可能です。

ただし、配信状況は変動する可能性があるため、視聴を希望される際は、必ずFODの公式サイトで最新の配信情報を確認することをおすすめします。他の動画配信サービスでの取り扱いについては、時期によって異なるため、各サービスの公式サイトをご確認ください。

ロケ地・撮影場所の特徴（文具メーカー・居酒屋クジラなど）

『マルモのおきて』の温かい世界観を演出したロケ地も、ドラマの魅力の一つです。

あけぼの文具護が勤務する文具メーカー「あけぼの文具」の社屋として撮影されたのは、東京都江東区森下にある「日本システムテクノロジー」のビルです。
居酒屋「クジラ」護や双子、そしてご近所さんたちの憩いの場となっていた居酒屋「クジラ」は、東京都江東区佐賀にある実際の店舗「コスガ」がロケ地として使用されました。ドラマの雰囲気が感じられる場所として、放送当時は多くのファンが訪れました。
高木護たちが住むエリア護や双子が暮らす街の風景は、主に東京都の江東区や墨田区周辺で撮影されました。隅田川沿いのテラスや下町の商店街など、人情味あふれる風景が、ドラマの温かい雰囲気を一層引き立てています。

これらのロケ地は、物語のリアリティを高め、視聴者がドラマの世界に没入する上で重要な役割を果たしました。

視聴率・話題性・当時の社会現象

『マルモのおきて』は、2011年のテレビドラマ界において最大のヒット作の一つとなりました。その人気は視聴率の推移にも明確に表れています。

視聴率の推移
- 初回視聴率：11.6%
- 回を追うごとに視聴率はほぼ右肩上がりに上昇。
- 最終回視聴率：23.9%
- 最終回の瞬間最高視聴率は、エンディングの「マルモリダンス」のシーンで**27.5%**を記録しました。（ビデオリサーチ調べ、関東地区）

この驚異的な視聴率の上昇は、口コミやSNSでドラマの評判が広がったことに加え、前述の主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」の人気が大きく貢献したと言われています。同時間帯には、前作から高視聴率を記録していたTBS系ドラマ『JIN-仁- 完結編』という強力なライバルがいましたが、回を追うごとにその差を縮め、最終的には社会現象と呼ぶにふさわしい人気を獲得しました。

この成功は、主演の阿部サダヲのコミカルかつ情感豊かな演技、そして何よりも芦田愛菜と鈴木福という天才子役二人の圧倒的な魅力と自然な演技力によるところが大きく、彼らはこの作品をきっかけに国民的な人気子役へと駆け上がりました。

公式サイト・関連SNS・書籍情報

公式サイト：フジテレビの公式サイト内には、現在も『マルモのおきて』の番組ページが存在し、あらすじやキャスト情報などを確認することができます。
関連SNS：放送当時は公式のSNSアカウントはありませんでしたが、現在でもX（旧Twitter）などで「#マルモのおきて」と検索すると、多くのファンの感想や思い出の投稿を見ることができます。
書籍情報：ドラマの公式シナリオブックや、ノベライズ本が出版されています。また、主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」の振り付けを解説したDVD付きの書籍なども発売され、人気を博しました。これらの関連書籍は、中古市場などで現在も入手可能です。

【ドラマ】『マルモのおきて』キャスト・相関図とあらすじを理解したら

物語の全体像と登場人物を理解したところで、次はこの作品がなぜこれほどまでに人々の心を打ち、長く愛され続けているのか、その魅力の核心にさらに深く迫っていきます。涙なしには語れない最終回の結末の考察から、キャラクターたちの成長、そして作品を象徴する数々の名シーンまで、より多角的な視点で『マルモのおきて』を読み解いていきましょう。

チェックポイント

血の繋がりを超えた家族の絆が試される、感動の最終回。その結末が示す本当の「幸せ」の形をネタバレありで徹底解説します。
視聴者の心に深く刻まれた名シーンや、「おきてノート」に記された珠玉の名言を振り返り、その意味を考察します。
不器用な独身男から本物の父親へと成長していく護（マルモ）と、困難を乗り越え心身ともに成長する双子の姿を分析します。
物語の最大の謎である「ムックはなぜ喋るのか？」という問いに対して、様々な角度からその役割と正体に迫ります。
ドラマの成功を決定づけた芦田愛菜と鈴木福、二人の天才子役の演技がいかに優れていたかを、具体的なシーンを挙げて解説します。

最終回ネタバレ：本当の家族になるまでの結末を解説

物語のクライマックスである最終回は、護と双子が築き上げてきた「家族の絆」が試される、最も感動的なエピソードです。

物語終盤、双子の実の母親であるあゆみが現れ、正式に二人を引き取りたいと申し出ます。法律上の親権はあゆみにあり、護には双子を引き留める権利はありませんでした。護は断腸の思いで双子との別れを決意し、あゆみの元へ送り出すことを決めます。

最終回では、双子があゆみの家へ引っ越す日までの数日間が描かれます。護は、悲しい気持ちを押し殺し、「最後だから、うんと楽しく過ごそう」と提案。三人と一匹は、遊園地に行ったり、一緒に料理をしたりと、残された時間を惜しむかのように明るく振る舞います。しかし、その笑顔の裏には、言葉にできないほどの寂しさと愛情が隠されていました。

そして、別れの日。護は駅のホームで、涙を見せずに双子を送り出します。しかし、あゆみの元へ向かう電車の中で、友樹は「マルモがいい…」と泣き出し、薫もまた護と離れる辛さに耐えきれなくなります。そんな二人を見ていたムックは「お前たちの本当の気持ちを、マルモに伝えてこい！」と背中を押します。

双子は電車を飛び出し、護が住むアパートへと全力で走り出します。一方、一人になった部屋で双子との思い出に浸り、涙を流していた護。そこに息を切らして現れた薫と友樹は、「やっぱりマルモと一緒がいい！」と叫びます。三人は涙ながらに抱き合い、これからもずっと一緒にいることを誓い合うのでした。

この様子を遠くから見ていたあゆみは、自分が入り込む隙のないほど強く結ばれた三人の絆を悟ります。そして、双子の幸せは護と共にいることだと理解し、身を引くことを決意。手紙で護に感謝の気持ちと双子の将来を託します。

最終的に、護は双子の正式な保護者となり、血の繋がりはないけれども、誰よりも強い絆で結ばれた「本当の家族」として、新たな一歩を踏み出すところで物語は幕を閉じます。この結末は、家族の形は一つではなく、共に過ごす時間と愛情こそが本物の家族を形成するという、このドラマのテーマを見事に体現した感動的なものでした。

名シーン・名台詞と心に残る「おきて」

本作には視聴者の心に深く刻まれた数多くの名シーンと名台詞が存在します。

名シーン①：第1話、護が双子を引き取る決意をするシーン親戚に引き取られ、別々の車で連れていかれる薫と友樹。その姿をただ見送ることしかできなかった護が、親友の「二人を一緒に」という言葉を胸に、双子を探し出し、「うちに来い！」と宣言するシーン。ここから全ての物語が始まりました。
名シーン②：最終回、駅のホームでの別れのシーン涙をこらえ、笑顔で「いってらっしゃい」と双子を送り出す護。双子もまた、護に心配をかけまいと無理に笑顔を作る。言葉とは裏腹の、三人の痛いほどの想いが交錯するこのシーンは、多くの視聴者の涙を誘いました。
名台詞：「離ればなれでも、家族だからな！」スペシャル版で、仕事のために一時的に双子と離れることになった護が、不安がる二人にかけた言葉。物理的な距離は、家族の絆を断ち切るものではないという、作品のテーマを象徴する力強い台詞です。

そして、この物語を象徴するのが**「おきてノート」**に書かれた数々の「おきて」です。

「ひとつ、こどもはこどもらしく！」
「ひとつ、なんでもたのしく！」
「ひとつ、ごはんのときは、みんなそろっていただきます！」
「ひとつ、まるもの言うことは、ちゃんと聞く！」
「ひとつ、いつもわらっていっしょにいること！」

これらのおきては、護と双子が共に生活する中で生まれたルールであり、彼らが家族として成長していく過程そのものです。一つ一つのおきてに、三人の思い出と愛情が詰まっており、物語全体を貫く温かい背骨となっています。

キャラクター分析（護、薫、友樹の成長と絆）

『マルモのおきて』の感動の核心は、主要キャラクターたちの心の成長にあります。

高木護（マルモ）の成長物語開始当初の護は、他人の子供を育てることなど考えたこともない、ごく普通の独身男性でした。突然始まった双子との生活に戸惑い、自分の時間を奪われることに不満を感じることもありました。しかし、薫と友樹の純粋さや健気さに触れる中で、次第に保護者としての責任感と愛情が芽生えていきます。双子のために苦手な料理に挑戦し、仕事と育児の両立に悩み、そして双子の幸せを自分のこと以上に願うようになる。この物語は、一人の男性が様々な経験を通して「父親」になっていく成長の記録でもあります。阿部サダヲの、コミカルな中にも深い愛情を感じさせる演技が、このキャラクターに絶大な説得力をもたらしました。
笹倉薫と友樹の成長薫と友樹は、物語の冒頭で父親を亡くし、母親もいないという過酷な状況に置かれます。しっかり者の姉・薫と泣き虫の弟・友樹は、互いに支え合いながら、新しい環境に適応しようと必死に努力します。最初は護を「マルモ」と呼び、本当の父親ではないという距離感を保っていた二人ですが、護の不器用な愛情に触れるうちに、心から彼を信頼し、甘えることができるようになります。特に、実の母親・あゆみが現れた際の葛藤を乗り越え、最終的に自らの意志で「マルモと一緒にいる」ことを選択した姿は、彼らが精神的に大きく成長したことを示しています。芦田愛菜と鈴木福の、子供らしい無邪気さと、時に大人びた表情を見せる繊細な演技が、この双子のキャラクターを非常に魅力的なものにしました。

この三人が築き上げていく絆こそが、本作最大の魅力であり、多くの視聴者に感動を与えた源泉なのです。

ムックはなぜ喋る？その正体と役割を考察

物語における最大のファンタジー要素である「喋る犬・ムック」。彼はなぜ人間の言葉を話すのか、その正体について作中で明確に語られることはありません。しかし、その存在が物語に果たした役割は非常に大きいものでした。ここでは、ムックの正体と役割について考察します。

役割①：物語の語り部（ナレーター）ムックは、時に物語の状況を解説したり、登場人物の心情を代弁したりするナレーターのような役割を担っています。これにより、視聴者は物語の状況を理解しやすくなり、より深く感情移入することができます。
役割②：護へのアドバイザー育児に悩む護に対して、ムックは的確なアドバイスを送ります。「子供の目線で考えろ」「素直に謝れ」など、彼の言葉は常に本質を突いており、護が父親として成長していく上で不可欠な存在でした。
役割③：双子の本心の代弁者子供である薫と友樹は、自分の本当の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。そんな時、ムックが彼らの心を代弁することで、護や周囲の大人たちは双子の本心に気づかされます。
正体の考察：亡き親友・純一郎の化身？視聴者の間では、「ムックは亡くなった親友・純一郎の魂が宿っているのではないか」という考察が多く見られました。双子のことを見守り、親友である護に子育てのアドバイスを送る姿は、まさに父親であり親友であった純一郎の姿と重なります。ムックが人間の言葉を話せるのは護と双子だけ、という設定も、この説を補強します。

明確な答えは示されませんが、ムックが護と双子にとって、ただのペット以上の「家族の一員」であり、彼らの絆を守る「守り神」のような存在であったことは間違いありません。

子役（芦田愛菜・鈴木福）の演技力の高さ

『マルモのおきて』の成功を語る上で、当時6歳だった芦田愛菜と鈴木福の演技力を抜きにすることはできません。二人の演技は、単なる「子役のかわいらしさ」にとどまらない、驚くべきリアリティと感情表現に満ちていました。

芦田愛菜（笹倉薫役）しっかり者の姉として、気丈に振る舞いながらも、ふとした瞬間に父親を亡くした寂しさや母親への思慕を覗かせる。その繊細な感情の機微を見事に表現しました。特に、涙をこらえるシーンや、複雑な心境を表情だけで示す演技は、多くの大人の俳優をも凌駕するほどの完成度でした。最終回で見せた号泣シーンは、視聴者の涙を誘い、彼女が「天才子役」と呼ばれる所以を改めて証明しました。
鈴木福（笹倉友樹役）泣き虫で甘えん坊な弟という役どころを、自然体で愛らしく演じました。彼の純粋無垢な笑顔や、素直な涙は、物語の温かい雰囲気を作り出す上で欠かせない要素でした。姉の薫を慕い、マルモに甘える姿は、視聴者の庇護欲を掻き立て、多くの人々に愛されました。

二人の演技の最大の魅力は、脚本上の台詞を話しているとは思えないほどの「自然さ」です。まるで本当の姉弟であるかのような息の合った掛け合いや、阿部サダヲ演じる護との間に流れる本物の家族のような空気感は、彼らの卓越した演技力があったからこそ生まれたものです。この二人の存在なくして、『マルモのおきて』がこれほどの社会現象になることはなかったでしょう。

国内外の評価・レビュー・受賞歴

『マルモのおきて』は、視聴率だけでなく、批評家からも高い評価を受け、数々の賞を受賞しました。

第69回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- ドラマソング賞（薫と友樹、たまにムック。「マル・マル・モリ・モリ！」）
- 特別賞（鈴木福と犬のムック）
第17回AMD Award '11
- 優秀賞
- 授賞理由として、「ドラマとしてのクオリティはもちろん、芦田愛菜、鈴木福のキャスティングをもって『子役』ブームを巻き起こした。『マル・モリ』ダンスおよびCDのヒットなどTVドラマの枠を超えた社会現象として、2011年のエンタテインメントを代表する作品となった」と高く評価されました。
2011年東京ドラマアウォード
- 作品賞＜連続ドラマ部門＞優秀賞

これらの受賞歴は、本作が単なる人気作ではなく、作品の質、社会への影響力共に、2011年を代表する優れたドラマであったことを証明しています。レビューサイトやSNSでは、放送から10年以上経った現在でも「何度見ても泣ける」「心が温まる最高のホームドラマ」「子供に見せたいドラマNo.1」といった声が絶えず、世代を超えて愛され続ける不朽の名作であることがわかります。

DVD／Blu-ray・配信プラットフォーム・特典情報

『マルモのおきて』は、その人気からDVDおよびBlu-rayが発売されています。

マルモのおきて DVD-BOX / Blu-ray BOX
- 連続ドラマ全11話を収録。
- 特典映像として、出演者インタビューやメイキング映像、PRスポット集などが収録されており、作品の裏側も楽しむことができます。初回生産版には、劇中に登場した「おきてノート」のレプリカなどが封入され、ファンにとって貴重なアイテムとなりました。
マルモのおきてスペシャル DVD / Blu-ray
- 2011年に放送されたスペシャル版を収録。
マルモのおきてスペシャル 2014 DVD / Blu-ray
- 2014年に放送されたスペシャル版を収録。

これらのパッケージソフトは、現在もオンラインストアやCDショップなどで購入可能です。また、前述の通り、動画配信サービス「FOD」では、全シリーズを手軽に視聴することができます。

【ドラマ】『マルモのおきて』キャスト・相関図とあらすじのまとめ

『マルモのおきて』は独身男性と双子、喋る犬が本当の家族になるまでを描く物語。
主演は阿部サダヲ、双子役は芦田愛菜と鈴木福が務めた。
お客様相談室勤務の高木護が、亡くなった親友の子供二人を引き取ることから始まる。
相関図の中心は護と双子の薫・友樹、そして犬のムック。
ムックが人間の言葉を話すファンタジー要素が特徴。
物語を通じて「家族のおきて」を作り、絆を深めていく。
主題歌「マル・マル・モリ・モリ！」は芦田愛菜と鈴木福が歌い、大ヒットした。
エンディングのダンスは子供から大人まで真似され、社会現象となった。
各話で起こるトラブルを乗り越え、護が父親として成長していく姿が見どころ。
薫と友樹の健気さや、子供らしい素直な感情表現が涙を誘う。
比嘉愛未演じる大家の娘や、世良公則演じる大家など脇を固めるキャストも魅力的。
脚本はユーモアとペーソス溢れる会話劇が巧み。
最終回では、血の繋がりを超えた「本当の家族」としての選択が描かれる。
スペシャルドラマも2本制作されるほどの人気を博した。
視聴率も高く、数々の賞を受賞した2011年を代表するドラマ。
配信サービスでの視聴も可能だが、利用前に最新情報の確認が推奨される。
ロケ地となった場所は、放送後ファンの間で話題になった。
ホームドラマや心温まる物語が好きな視聴者におすすめの作品。
子役二人の自然な演技が、作品のリアリティと感動を深めている。
「マルモ」という愛称は、護（まもる）を双子が呼び間違えたことから定着した。

2011年に放送され、日本中に感動の渦を巻き起こした『マルモのおきて』。それは単なるホームドラマではなく、現代社会に「家族とは何か」という普遍的な問いを、優しく、そして力強く投げかけた作品でした。血の繋がりがない三人と一匹が、ぎこちない共同生活の中から「おきて」を作り、互いを思いやり、かけがえのない存在になっていく姿は、多くの人々の心を打ちました。阿部サダヲの温かい演技、そして芦田愛菜と鈴木福という二人の天才子役が見せた奇跡のような輝きは、今も色褪せることがありません。放送から時が経った今だからこそ、この物語が伝える「人と人との絆の大切さ」が、より一層心に響くのではないでしょうか。もし、あなたの心が少し疲れてしまったなら、ぜひ「マルモ」たちの笑顔に会いにいってみてください。きっと、温かい涙と共に、明日への元気をもらえるはずです。

参照元URL

マルモのおきて - フジテレビ: https://www.fujitv.co.jp/b_hp/marumo/
マルモのおきて：最終回視聴率23.9％最高視聴率27.5％「イケパラ」の前田敦子もゲスト出演 - MANTANWEB（まんたんウェブ）: https://mantan-web.jp/article/20110704dog00m200004000c.html
第17回 AMD Award 優秀賞｜マルモのおきて－ AMD 一般社団法人デジタルメディア協会: https://www.amd.or.jp/award/17/works/17_award_06.html