
「もし、あの日に戻れたら…」。誰もが一度は抱くであろう切ない願いを、ファンタジックなラブストーリーに昇華させた不朽の名作ドラマ『プロポーズ大作戦』。2007年にフジテレビ系の月9枠で放送され、山下智久さんと長澤まさみさんという当代随一のスター俳優の共演で大きな話題を呼びました。幼なじみの結婚式で、自らの想いを伝えられなかった過去を激しく後悔する主人公が、謎の妖精の力を借りて過去へタイムスリップし、恋の成就のために奮闘する姿は、多くの視聴者の心を掴み、涙と笑いを誘いました。放送から十数年が経った今でも色褪せることのないその魅力は、単なる恋愛ドラマの枠を超え、友情や人生における選択の大切さを私たちに教えてくれます。本記事では、そんな『プロポーズ大作戦』の豪華キャストと複雑な人間関係がわかる相関図、そして涙なしには見られない全話のあらすじを徹底的に解説します。さらに、物語を深く理解するための見どころや、心に刻まれる名言、知られざる制作の裏側まで、その魅力を余すところなくお届けします。
記事のポイント
- 山下智久と長澤まさみが主演を務めた2007年放送のフジテレビ系月9ドラマ
- 過去に戻って恋をやり直す「ハレルヤチャンス」が物語の鍵
- 幼なじみの健と礼を取り巻く5人組の友情と恋愛模様を描く青春ラブストーリー
- 桑田佳祐が歌う主題歌「明日晴れるかな」が大ヒット
- スペシャルドラマや韓国でのリメイク版も制作された人気作
【ドラマ】『プロポーズ大作戦』キャスト・相関図とあらすじ

チェックポイント
- 放送から15年以上愛され続ける理由: 本作がただの恋愛ドラマで終わらないのは、誰もが共感する「後悔」という普遍的なテーマを真正面から描いている点にあります。過去をやり直すチャンスを得た主人公の姿を通して、視聴者は自らの人生を重ね合わせ、一歩踏み出す勇気をもらえます。
- 豪華キャストが織りなす化学反応: 山下智久さん、長澤まさみさんをはじめ、榮倉奈々さん、平岡祐太さん、濱田岳さんといった、今や主役級となった俳優たちの若き日の瑞々しい演技が光ります。彼らが作り出すリアルな空気感が、物語に深い奥行きを与えています。
- 「ハレルヤチャンス」という魔法の言葉: 過去に戻るためのおまじない「ハレルヤチャンス」は、単なるファンタジーのギミックではありません。それは、後悔だらけの人生にも、やり直しの機会は訪れるかもしれないという希望のメッセージとして、視聴者の心に強く響きました。
- 心に刺さる数々の名言: 「明日やろうは馬鹿野郎」「運命は、思い通りにならなかった時に初めて、人のせいにできる言葉だ」など、謎の妖精や登場人物たちが発する言葉は、人生の真理を突くものばかり。ドラマの枠を超えた人生の教科書としても楽しめます。
- 桑田佳祐による主題歌の力: 物語を彩る桑田佳祐さんの「明日晴れるかな」は、ドラマの世界観と完璧にシンクロし、感動を何倍にも増幅させました。切ないメロディと希望に満ちた歌詞が、健の心情と重なり、視聴者の涙を誘います。
『プロポーズ大作戦』とは?放送時期・基本情報
『プロポーズ大作戦』は、2007年4月16日から6月25日まで、フジテレビ系列の「月9」枠(毎週月曜日21:00 - 21:54)で放送されたテレビドラマです。全11話で構成されており、主演は山下智久さん、ヒロインを長澤まさみさんが務めました。
脚本を手掛けたのは、『僕の生きる道』シリーズや『危険なアネキ』などで知られる金子茂樹さん。演出は、『Dr.コトー診療所』や『プライド』などを手掛けた成田岳さんと、『電車男』や『のだめカンタービレ』で知られる加藤裕将さんが担当しました。プロデューサーは瀧山麻土香さんと三竿玲子さんが務め、制作はフジテレビドラマ制作センターによるものです。
物語は、ずっと好きだった幼なじみの結婚式に出席した主人公が、過去をやり直す機会を得て、タイムスリップを繰り返しながら彼女の心を取り戻そうと奮闘するファンタジックなラブストーリー。コメディタッチの軽快な展開の中に、恋愛の切なさや友情の尊さ、人生の教訓などを織り交ぜた巧みなストーリーテリングで、高視聴率を記録。最終話では平均視聴率20.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を叩き出し、大きな反響を呼びました。その人気から、翌2008年3月25日には完結編となるスペシャルドラマも放送されました。
キャスト一覧と相関図(山下智久、長澤まさみ、榮倉奈々、平岡祐太、濱田岳ほか)
本作の魅力は、個性豊かなキャラクターたちと、彼らを演じた豪華俳優陣のアンサンブルにあります。
【主要人物相関図】
- 岩瀬健(演:山下智久) ⇔ (幼なじみ・想い人) ⇔ 吉田礼(演:長澤まさみ)
- 健は礼に想いを寄せているが、素直になれず伝えられない。
- 礼も健に特別な感情を抱いているが、彼の煮え切らない態度に業を煮やし、多田との結婚を決意。
- 健・礼・エリ・ツル・幹雄 → (固い友情で結ばれた5人組)
- 多田哲也(演:藤木直人) → (婚約者) → 吉田礼
- 礼が通う大学の講師。誠実で優しい人物で、礼にプロポーズし受け入れられる。健にとっては最大の恋敵。
- 謎の妖精(演:三上博史) → (タイムスリップの協力者) → 岩瀬健
- 礼と多田の結婚式場の教会の妖精。健の後悔に満ちた魂に興味を持ち、過去に戻る力を与える。
【キャスト一覧】
- 岩瀬健(いわせ けん)- 演:山下智久
本作の主人公。お調子者で意地っ張りだが、根は優しく一途。小学生の頃から幼なじみの吉田礼に想いを寄せているが、14年間一度も告白できずにいた。礼と多田の結婚式で、彼女が自分の運命の人だったと気づき、激しい後悔の念に駆られる。 - 吉田礼(よしだ れい)- 演:長澤まさみ
本作のヒロイン。健の幼なじみで、小学校から大学まで同じ学校に通う。活発で負けず嫌いな性格。健のことが気になっているものの、素直になれない彼の態度にやきもきしている。大学講師の多田からプロポーズを受け、結婚を決意する。 - 奥エリ(おく えり)- 演:榮倉奈々
礼の親友で、中学からの同級生。明るくさっぱりした性格で、恋愛にも積極的。友人グループのムードメーカー的存在。礼の健への想いに気づいており、二人の関係を誰よりも応援している。 - 榎戸幹雄(えのきど みきお)- 演:平岡祐太
健と礼の高校からの親友。ルックスが良くスマートで、友人グループの中では一番大人びている。冷静な観察眼を持ち、健と礼の関係性を的確に見抜いている。健の良き理解者であり、的確なアドバイスを送る。 - 鶴見尚(つるみ ひさし)- 演:濱田岳
健と礼の高校からの親友で、お調子者のいじられキャラ。小柄な体格とは裏腹に、友人への想いは人一倍熱い。エリに一途な想いを寄せ、果敢にアタックを繰り返す。 - 多田哲也(ただ てつや)- 演:藤木直人(特別出演)
礼と健が通う大学の非常勤講師。建築が専門。真面目で誠実、心優しい完璧な大人。礼のレポートをきっかけに親しくなり、彼女にプロポーズする。健にとっては越えるべき大きな壁として立ちはだかる。 - 妖精 - 演:三上博史礼と多田の結婚式が行われる教会の妖精。時間を操る能力を持つ。健の後悔の深さに興味を抱き、「ハレルヤチャンス」の言葉と共に過去の写真の世界へタイムスリップさせる力を与える。時に厳しく、時に優しく健を導く存在。
1話~最終回のあらすじ(ハレルヤチャンスの軌跡)
健の後悔と再挑戦の旅は、一枚一枚の写真から始まりました。各話のあらすじを振り返ります。
第1話「甲子園行けたら結婚できる!?」
幼なじみ・礼の結婚式。新郎・多田の隣で微笑む彼女を見ながら、健は14年間想いを伝えられなかったことを激しく後悔していた。スライドショーに映し出される思い出の写真。「あの時に戻ってやり直したい…」。そう強く願った瞬間、時間が止まり、教会の妖精が現れる。妖精は健に、写真が撮られた過去へ戻るチャンスを与える。健は高校野球の都大会決勝戦の写真へタイムスリップ。「この試合に勝って、礼に告白するんだ!」と意気込むが…。
第2話「コーヒー牛乳で結婚できる!?」
最初のタイムスリップは失敗に終わった。次なる写真は高校時代、学園祭の準備中に撮られたもの。当時、健は礼に頼まれた買い出しを忘れ、些細なことで大喧嘩になっていた。過去に戻った健は、今度こそ礼が欲しがっていた「コーヒー牛乳」を渡そうと奮闘する。しかし、ささいな油断から、またしても礼を怒らせてしまう。
第3話「席がえしたら結婚できますか」
高校3年生の教室での一枚。席替えで礼と離れ離れになってしまったことが、健の後悔だった。過去に戻った健は、何とかして礼の隣の席を死守しようと画策する。しかし、その行動が裏目に出て、かえって礼との距離を広げてしまう。
第4話「第2ボタンで結婚できますか」
高校の卒業式。健は制服の第2ボタンを後輩の女子にあげてしまい、礼を傷つけていた。過去でその事実を知った健は、礼のために第2ボタンを渡そうと奔走する。しかし、友人・ツルの見栄が原因で、事態は思わぬ方向へ。
第5話「明日やろうは馬鹿野郎ですか」
大学の建築学科に進んだ健たち。課題の設計模型を礼に手伝ってもらったものの、そのお礼を言えなかったことが健の後悔だった。そんな中、礼の祖父・太志(夏八木勲)が上京してくる。頑固な祖父との交流を通じ、健は「想いを伝えることの大切さ」を改めて学ぶ。
第6話「10代最終日何を卒業しますか」
二十歳の誕生日を目前にした夏、海へ遊びに行った時の写真。健は、礼に告白しようと決意するが、タイミングを逃し続けていた。過去に戻った健は、今度こそと意気込むが、エリやツル、幹雄たちの恋模様に巻き込まれ、またしても礼を一人にしてしまう。
第7話「恋と花火はいつ散りますか」
大学3年の夏祭り。浴衣姿の礼に見とれる健だったが、多田の出現で二人の間に微妙な空気が流れる。過去に戻った健は、多田よりも先に礼を花火に誘おうとするが、優柔不断な性格が災いし、またもチャンスを逃す。
第8話「年越しに流す涙は本物ですか」
大学4年の大晦日。仲間たちと集まったカウントダウンで、健は礼が多田と付き合い始めたことを知る。過去に戻った健は、二人の交際を阻止しようとするが、礼の幸せを願う気持ちとの間で激しく葛藤する。
第9話「最後の一瞬に何を賭けますか」
礼が多田からプロポーズされた日の写真。過去に戻った健は、礼の誕生日プレゼントとして、彼女がずっと欲しがっていた贈り物を探し回る。しかし、あと一歩のところで多田に先を越されてしまう。健は自分の無力さを痛感し、深く落ち込む。
第10話「ラスト・ハレルヤチャンス」
ついに結婚式前日。健に残された最後のチャンスは、新郎新婦の思い出の場所を巡るスライドショーで使われる、高校時代に撮った一枚の写真だけだった。過去に戻った健は、これまでの後悔を胸に、礼への正直な想いをぶつけることを決意する。
第11話(最終話)「涙の告白は奇跡を呼びますか」
最後のタイムスリップでも未来を変えられなかった健。しかし、彼の必死の行動は、少しずつ礼の心に変化をもたらしていた。結婚式のスピーチに立った健は、これまでの思い出と後悔、そして礼への消せない想いを、涙ながらに告白する。「幸せになれよ」と。その言葉は、礼の心を強く揺さぶり…。
主人公・岩瀬健(山下智久)のキャラクターと葛藤
岩瀬健は、どこにでもいるような、少し意地っ張りで不器用な青年です。14年間も想いを伝えられない優柔不断さや、過去に戻っても結局同じような失敗を繰り返してしまう詰めの甘さは、決して完璧なヒーローではありません。しかし、彼の魅力は、その人間臭さにあります。
礼の幸せを誰よりも願っているのに、素直になれない。後悔するたびに「次こそは」と意気込むものの、土壇場で臆病風に吹かれてしまう。そんな彼の姿は、多くの視聴者が自らの経験と重ね合わせ、もどかしさを感じながらも強く感情移入しました。
山下智久さんは、そんな健のコミカルな一面と、恋に悩む切ない表情を見事に演じ分けました。タイムスリップを繰り返す中で、健は単に過去をやり直そうとするだけでなく、自分の過ちと向き合い、人として少しずつ成長していきます。彼の葛藤と成長の物語こそが、本作の縦軸となっているのです。
ヒロイン・吉田礼(長澤まさみ)の魅力と心の揺れ
吉田礼は、快活でしっかり者、そして誰よりも健のことを理解しているヒロインです。彼女は決して、ただ助けを待つだけの存在ではありません。健の不器用さや本心に気づきながらも、自分から踏み込めないもどかしさを抱えています。
彼女が多田のプロポーズを受け入れたのは、健への想いを諦めたからというよりも、煮え切らない健との関係に終止符を打ち、前に進むための決断でした。長澤まさみさんは、そんな礼の複雑な乙女心を、繊細な表情の変化で表現しました。
健がタイムスリップすることで過去の行動が微妙に変化し、それによって礼の記憶や感情も少しずつ揺れ動いていきます。「何か違う」という違和感を覚えながらも、健の必死な姿に心を動かされていく。彼女の心の揺れが、物語のサスペンスと感動を高める重要な要素となっています。
物語の鍵を握る謎の妖精(三上博史)の正体と役割
健を過去へと導く妖精は、物語におけるトリックスターであり、同時に導師のような役割も果たします。イギリス紳士風の洒脱な出で立ちで、飄々とした態度をとりながらも、その言葉は常に核心を突いています。
「人間とは、物事が上手くいかなかった時に、理由を求める生き物である」
「大事なことに気づくのは、いつも事が終わった後だ」
彼が健に投げかける言葉は、単なる皮肉や説教ではなく、人生の普遍的な真理です。妖精は健に安易な救いの手は差し伸べません。あくまでチャンスを与えるだけであり、それをどう活かすかは健次第。彼の存在は、健自身の内面的な成長を促すための触媒として機能しています。三上博史さんのミステリアスで含蓄のある演技が、このキャラクターに圧倒的な存在感を与えました。
健を支える親友たちの紹介(エリ、ツル、幹雄)
健と礼を取り巻く3人の親友たちの存在も、この物語に欠かせない要素です。
- 奥エリ(榮倉奈々): 礼の一番の親友であり、健と礼の関係を最も気にかけている人物。彼女の明るさと行動力が、停滞しがちな5人組の関係を動かすきっかけになることも少なくありません。
- 鶴見尚(濱田岳): 通称ツル。お調子者でムードメーカー。エリへの一途な恋は、時にコミカルに、時に切なく描かれ、健の恋愛と対比されることで物語に厚みを与えています。
- 榎戸幹雄(平岡祐太): クールで大人びた観察者。一歩引いたところから皆の関係性を見守り、的確なツッコミやアドバイスを入れます。彼の冷静な視点が、視聴者の代弁者としての役割も果たしています。
彼らは単なる脇役ではなく、それぞれが悩みを抱え、成長していくもう一人の主人公です。彼らの友情が、健の孤独な戦いを支え、物語全体に温かい空気感をもたらしています。
主題歌・桑田佳祐「明日晴れるかな」とドラマの世界観
本作を語る上で絶対に外せないのが、桑田佳祐さんが書き下ろした主題歌「明日晴れるかな」です。切ないピアノのイントロから始まり、壮大なストリングスと共に歌い上げられるこのバラードは、ドラマの感動的なシーンで絶妙なタイミングで流れ、視聴者の涙腺を崩壊させました。
「熱い涙や恋の叫びも 輝ける日はどこへ消えたの?」
「遠い過去よりまだ見ぬ人生は 夢ひとつ叶えるためにある」
歌詞の内容は、まさに健の心情そのものです。後悔と切なさを抱えながらも、未来への小さな希望を信じようとする姿が、美しいメロディに乗せて歌われています。この曲は、ドラマのヒットと共に大ヒットを記録し、2007年を代表する一曲となりました。ドラマと主題歌がこれほどまでに見事に融合し、相乗効果を生み出した例は稀であり、『プロポーズ大作戦』という作品を不朽の名作たらしめた大きな要因の一つと言えるでしょう。
【ドラマ】『プロポーズ大作戦』キャスト・相関図とあらすじを理解したら

チェックポイント
- 最終回のその後を描くスペシャル版: 連続ドラマのラストに納得がいかなかった人も、スペシャル版を見れば安心。健と礼のじれったい関係に、ついに明確な答えが示されます。ハワイを舞台にした、もう一つの「プロポーズ大作戦」は必見です。
- リメイク版との比較: 韓国や中国でもリメイクされるほど、本作のプロットは普遍的な魅力を持っています。文化の違いが物語にどう影響しているのか、オリジナル版と比較しながら見るのも一興です。
- 聖地巡礼の楽しみ: ドラマで使われた大学のキャンパスや結婚式場は、今も多くのファンが訪れる「聖地」となっています。ロケ地を巡りながら、健や礼たちの青春に思いを馳せてみるのも、作品の楽しみ方の一つです。
- 色褪せないファッション: 2007年の作品でありながら、登場人物たちのファッションは今見ても古さを感じさせません。特に長澤まさみさんや榮倉奈々さんのカジュアルな服装は、参考になるポイントが多いかもしれません。
- 人生を変えるかもしれない言葉たち: このドラマには、恋愛だけでなく、仕事や日々の生活にも通じるヒントが散りばめられています。何かに迷った時、ふと妖精の言葉を思い出せば、新たな一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。
最終回ネタバレ:健と礼の結末はどうなる?
最終話、健は結婚式のスピーチで、14年間の想いの丈をすべてぶつけます。「幸せになれよ」と涙で声を詰まらせながら会場を後にする健。スピーチを聞いた礼は、健との思い出が溢れ出し、涙が止まりません。
その様子を見ていた新郎の多田は、すべてを悟ります。彼は礼に、「答えはもう出ているんじゃないですか?」と優しく語りかけ、彼女の背中を押します。ウェディングドレス姿のまま式場を飛び出し、健を追いかける礼。しかし、二人はすれ違ってしまいます。
万策尽きたかと思われたその時、妖精が最後のサプライズを用意していました。スライドショーが再び始まり、スクリーンには「ただいま、スライドは一枚だけ過去に戻ります」の文字が。健は、式が始まる直前の時間に戻るチャンスを得ます。
今度こそ、健は礼のもとへ走り、礼もまた健を探して走ります。そして、二人はついに再会。しかし、物語はここで終わり、二人がその後どうなったのかは明確には描かれませんでした。この余韻のあるラストは、視聴者の間で大きな話題となりました。
スペシャル版(SP)でのその後の物語
最終回のラストから1年後を描いたのが、2008年3月25日に放送されたスペシャルドラマ『プロポーズ大作戦SP』です。
舞台はハワイ。親友のエリとツルの結婚式に出席するため、健、礼、幹雄の3人が現地を訪れます。しかし、健と礼の関係は、1年前から進展がないまま。お互いの気持ちは分かり合っているものの、決定的な一言が言えない、じれったい日々が続いていました。
そんな中、結婚式当日に花嫁のエリが失踪するという大事件が発生。「ツルの気持ちがわからない」という置き手紙を残して…。親友の危機を前に、健は「自分のせいでエリを不安にさせてしまったのではないか」と責任を感じます。そこへ再び妖精が現れ、健はエリとツルを救うため、またしても過去へのタイムスリップを決行します。
健は過去で奮闘し、二人の誤解を解くことに成功。そして、その過程で礼への想いを改めて自覚します。物語のラスト、ハワイの美しい夕日をバックに、健はついに礼へプロポーズ。礼は涙ながらにそれを受け入れ、二人は晴れて結ばれます。連続ドラマのラストでモヤモヤしていたファンも、この完結編で大満足の結末を迎えました。
心に響く名言・名セリフ集(「明日やろうは馬鹿野郎」など)
本作は、心に深く刻まれる名言の宝庫でもあります。
- 「明日やろうは馬鹿野郎」第5話で、礼の祖父が健に言った言葉。先延ばしにしていたら、チャンスは永遠に失われてしまうかもしれないという、強烈なメッセージです。これは健だけでなく、多くの視聴者の胸に突き刺さりました。
- 「人間とは、物事が上手くいかなかった時に、理由を求める生き物である。状況やタイミング、天気や運勢。様々な言い訳を引っ張り出しては自分を慰める」妖精が健に語りかける言葉。失敗を他人のせいにしがちな人間の弱さを的確に表現しています。
- 「奇跡のドアを開ける鍵は、誰の心の中にもある。ただ、それに気づく人はほとんどいない」これも妖精の言葉。運命は与えられるものではなく、自らの手で切り拓くものだということを教えてくれます。
- 「言わなくても伝わるなんてのは、思い上がった人間の幻想に過ぎない」言葉にして伝えなければ、本当の想いは相手に届かない。健の失敗の本質を突いた、厳しいながらも愛のあるアドバイスです。
これらの言葉は、放送から時を経てもなお、多くの人々の座右の銘として語り継がれています。
韓国リメイク版との違いと比較
『プロポーズ大作戦』は、2012年に韓国でもリメイクされました。タイトルは『プロポーズ大作戦~Mission to Love』。主演は、ドラマ『善徳女王』や映画『ブラインド』で知られるユ・スンホと、『となりの美男<イケメン>』のパク・ウンビンが務めました。
基本的なストーリーラインは日本版を踏襲していますが、全16話構成にアレンジされ、韓国ドラマらしいオリジナルなエピソードやキャラクター設定が加えられています。例えば、タイムスリップをさせる存在が「妖精」ではなく「タイムコンダクター」という男性であったり、主人公が野球選手ではなくメジャーリーガーを目指す設定であったりと、細かな違いが見られます。
日本版の持つ独特の切なさや繊細な空気感を大切にしつつ、よりロマンチックでドラマティックな要素が強まっているのが韓国版の特徴です。両方を見比べて、文化の違いが物語に与える影響を感じてみるのも面白いでしょう。
ロケ地・撮影場所はどこ?(大学、結婚式場など)
ドラマの世界観を支えたロケ地も、ファンにとっては重要な要素です。
- 大学(立修大学): 健や礼たちが通っていた大学のキャンパスとして主に撮影されたのは、神奈川県横浜市にある横浜市立大学金沢八景キャンパスや、千葉県木更津市にあるかずさアカデミーホールなどです。緑豊かなキャンパスの風景が、彼らの青春時代を象徴していました。
- 結婚式場: 物語の始まりと終わりの場所である結婚式場。印象的な教会は、茨城県土浦市にあったラ・フォレスタ・ディ・マニフィカ(現在は閉館)で撮影されました。
- 高校: 高校時代のシーンは、栃木県栃木市にあった旧栃木県立藤岡高等学校(現在は廃校)などが使われました。
これらの場所は「聖地」として、今でもドラマのファンが訪れる人気のスポットとなっています。
当時の視聴率と人気の理由を考察
『プロポーズ大作戦』は、初回視聴率19.3%でスタートし、その後も安定して高視聴率を維持。最終回では番組最高となる20.9%を記録し、大きな成功を収めました。
人気の理由は多岐にわたりますが、最大の要因は、やはり「後悔」という誰もが共感できる普遍的なテーマを、「タイムスリップ」というエンターテインメント性の高い設定で見せたことでしょう。健の失敗の数々は、視聴者自身の過去の苦い経験を思い起こさせ、彼を応援せずにはいられない気持ちにさせました。
また、山下智久さんと長澤まさみさんという、当時の若手俳優のトップランナーを起用したキャスティングの妙も光ります。二人のフレッシュな魅力と、もどかしい関係性が完璧にハマり、視聴者を強く惹きつけました。さらに、榮倉奈々さん、平岡祐太さん、濱田岳さんといった脇を固める俳優陣の好演が、リアルな友情の空気感を生み出し、物語に深みを与えました。
そして、桑田佳祐さんの主題歌「明日晴れるかな」の存在も忘れてはなりません。ドラマと音楽の完璧なマリアージュが、作品全体の感動を増幅させ、社会現象ともいえるヒットにつながったのです。
DVD・配信での視聴方法(最新は公式で確認)
『プロポーズ大作戦』は、DVD-BOXが発売されています。本編全11話に加え、スペシャルドラマ、さらには特典映像としてメイキングやインタビューなども収録されており、作品をより深く楽しむことができます。
また、動画配信サービスでは、フジテレビの公式サービスである**FOD(フジテレビオンデマンド)**で全話が配信されています(2025年9月時点)。月額プランに加入すれば、いつでもどこでも健と礼の物語を追体験することが可能です。配信状況は変動することがあるため、視聴前には公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。
タイムスリップという奇跡を通じて、本当に大切なことは過去を変えることではなく、今を生きる勇気を持つことだと教えてくれる『プロポーズ大作戦』。まだ見たことがない方はもちろん、かつて夢中になった方も、この機会に改めてご覧になってみてはいかがでしょうか。きっと、明日への一歩を踏み出す元気がもらえるはずです。
【ドラマ】『プロポーズ大作戦』キャスト・相関図とあらすじのまとめ
- 『プロポーズ大作戦』は2007年にフジテレビ月9枠で放送された人気ドラマ。
- 主演は山下智久、ヒロインは長澤まさみ。
- 幼なじみの礼(長澤まさみ)の結婚式で後悔する健(山下智久)が、過去に戻って奮闘する物語。
- 「ハレルヤチャンス」という言葉と共に過去の写真に戻るファンタジー要素が特徴。
- 共演には榮倉奈々、平岡祐太、濱田岳など、豪華なキャストが揃う。
- 三上博史が演じる謎の妖精が、健を過去にタイムスリップさせる。
- 物語は健と礼のもどかしい恋愛模様を中心に、5人の友情を描く。
- 各話で過去の出来事をやり直そうとするが、なかなか上手くいかない展開が見どころ。
- 「明日やろうは馬鹿野郎」など、心に刺さる数々の名言が生まれた。
- 桑田佳祐による主題歌「明日晴れるかな」がドラマの感動を一層深めた。
- 平均視聴率は17.3%を記録し、多くの視聴者から支持された。
- 2008年にはスペシャルドラマが放送され、本編のその後が描かれた。
- 韓国でもリメイク版が制作されるなど、国外でも人気が高い。
- ロケ地となった大学や結婚式場は、放送後にファンが訪れる聖地となった。
- 恋愛だけでなく、友情や人生における後悔と再挑戦という普遍的なテーマを扱っている。
- 健が一途に礼を想い続ける姿に多くの視聴者が共感した。
- DVD-BOXが発売されており、動画配信サービスでも視聴可能(要確認)。
- 脚本は金子茂樹が担当し、コミカルさと切なさが絶妙にミックスされている。
- 今でも多くのドラマファンに愛され続ける平成を代表するラブストーリーの一つ。
参照元URL
- プロポーズ大作戦 - フジテレビ: https://www.fujitv.co.jp/b_hp/propose/
- ビクターエンタテインメント | プロポーズ大作戦スペシャル: https://www.jvcmusic.co.jp/propose/
- ORICON NEWS | 「プロポーズ大作戦」視聴率20%越える: https://www.oricon.co.jp/news/45886/full/