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【ドラマ】『どうする家康』キャスト・相関図・あらすじをネタバレ

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2023年1月8日から12月17日にかけて放送されたNHK大河ドラマ第62作『どうする家康』。誰もが知る天下人・徳川家康の生涯を、これまでとは全く異なる視点で描き出し、大きな話題を呼びました。主演に松本潤を迎え、脚本は『コンフィデンスマンJP』『リーガル・ハイ』などで知られる希代のヒットメーカー・古沢良太が担当。臆病で頼りない「白兎」のような青年が、いかにして戦国の世を終わらせ、江戸幕府を開く「神の君」となったのか。その波乱万丈の生涯を、豪華キャスト陣の競演と壮大なスケールで描き切りました。本記事では、この革新的な大河ドラマ『どうする家康』のキャスト、相関図、そして1話から最終回までのあらすじを、ネタバレを含めて徹底的に解説していきます。

記事のポイント

  • 2023年に放送された松本潤主演のNHK大河ドラマ
  • 脚本家・古沢良太が描く新たな徳川家康像
  • 徳川家・織田家・豊臣家などを巡る壮大な物語と豪華キャスト陣
  • 複雑な人間関係を分かりやすく解説する相関図
  • 各話のあらすじから最終回の結末までのストーリーライン
  • Hulu(NHKオンデマンド)など動画配信サービスでの視聴情報(最新は公式で確認)

【ドラマ】『どうする家康』キャスト・相関図・あらすじをネタバレ

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チェックポイント

  • 主人公・徳川家康を演じる松本潤と主要キャスト
  • 徳川家、織田家、豊臣家など各勢力の人物相関図
  • 物語の始まりから最終回までの全話あらすじ概要
  • 脚本・古沢良太が描きたかったテーマとは
  • 作品の基本情報(放送時期、放送局、話数)

『どうする家康』とは?放送時期・基本情報

『どうする家康』は、2023年1月8日から12月17日まで、NHK総合テレビにて全48回が放送された第62作目の大河ドラマです。

主人公は、江戸幕府を開いた徳川家康。これまで「狸親父」として描かれることの多かった家康を、脚本の古沢良太は、常に「どうする?」と選択を迫られ、悩み、迷い、時には泣きじゃくる、人間味あふれる臆病な青年として設定しました。今川家の人質として穏やかな日々を送っていた彼が、桶狭間の戦いを機に過酷な運命に巻き込まれ、偉大な家臣団の助けを得ながら成長していく姿を描いています。

主演の徳川家康役を松本潤が務め、その妻・瀬名(築山殿)役を有村架純、最大の強敵であり盟友でもある織田信長役を岡田准一、そして後の天下人・豊臣秀吉役をムロツヨシが演じるなど、その豪華キャストも放送前から大きな注目を集めました。

音楽は、ピアニスト・作曲家の稲本響が担当。メインテーマ「暁の空」をはじめとする壮大かつ繊細な劇伴が、物語の世界観を深く彩りました。語りは、家康の母・於大の方も演じた寺島しのぶが務め(一部回を除く)、物語に重厚感と温かみを加えています。

主要キャストと登場人物一覧(徳川家康、瀬名、織田信長、豊臣秀吉ほか)

本作は、主人公・徳川家康を中心に、彼を取り巻く家族、家臣団、そしてライバルたちという、非常に多くの登場人物によって物語が紡がれます。ここでは、物語の中核を担う主要なキャストと登場人物を抜粋して紹介します。

  • 徳川家康(演:松本潤):本作の主人公。今川家の人質として育つが、桶狭間の戦いを機に独立。臆病で優しい性格だが、数々の「どうする?」という選択を乗り越え、天下泰平の世を目指す。
  • 瀬名(演:有村架純):家康の正室。今川義元の姪。家康と運命的な恋に落ち結婚するが、後に悲劇的な運命を辿る。本作では、慈愛に満ちた理想主義者として描かれた。
  • 織田信長(演:岡田准一):家康の生涯にわたり、恐怖と畏敬の対象であり続けた「怪物」。圧倒的なカリスマ性と冷酷さで天下統一を推し進める。
  • 豊臣秀吉(演:ムロツヨシ):信長の家臣から天下人へと駆け上がった「猿」。底知れない欲望と野心を持ち、家康の前に立ちはだかる。
  • 今川義元(演:野村萬斎):家康が人質時代を過ごした駿府の主。公家文化に通じた高貴な人物として描かれ、若き家康に大きな影響を与える。
  • 武田信玄(演:阿部寛):「甲斐の虎」の異名を持つ戦国最強の武将。家康の前に最大の壁として立ちはだかり、三方ヶ原で彼を恐怖のどん底に突き落とす。

【徳川家】キャストと人物紹介(松本潤、有村架純、松山ケンイチ、山田裕貴など)

物語の基盤となるのが、家康を支える徳川家の人々と個性豊かな家臣団「チーム家康」です。

<徳川家>

  • 徳川家康(演:松本潤):主人公。
  • 瀬名/築山殿(演:有村架純):家康の正室。信康と亀姫の母。
  • 於愛の方(演:広瀬アリス):家康の側室。後の二代将軍・秀忠の母。明るく大らかな性格で、家康の癒やしの存在となる。
  • 松平信康(演:細田佳央太):家康の嫡男。真っ直ぐな性格だが、その純粋さが織田家との関係において悲劇を生む。
  • 五徳(演:久保史緒里):織田信長の娘で、信康の妻。
  • 徳川秀忠(演:森崎ウィン):家康の三男で、江戸幕府二代将軍。偉大な父との関係に葛藤する。

<徳川家臣団(徳川四天王 ほか)>

  • 酒井忠次(演:大森南朋):家康の叔父的存在で、家臣団のまとめ役。「えびすくい」が得意。
  • 本多忠勝(演:山田裕貴):生涯無傷を誇った戦国最強の武将の一人。無骨だが忠義に厚い。
  • 榊原康政(演:杉野遥亮):冷静沈着な知性派。時に家康に厳しい意見も述べる。
  • 井伊直政(演:板垣李光人):徳川四天王最年少。赤備えの「井伊の赤鬼」として恐れられる。
  • 石川数正(演:松重豊):家康の片腕として外交・内政を支えたが、後に秀吉のもとへ出奔する。
  • 本多正信(演:松山ケンイチ):三河一向一揆で一度は家康を裏切るが、後に最強の「イカサマ師」軍師として家康の天下取りを支える。
  • 服部半蔵(演:山田孝之):三河の忍びを束ねる服部党の頭領。忍者だが任務に消極的な面も見せる。
  • 大久保忠世(演:小手伸也):家臣団のムードメーカー的存在。
  • 鳥居元忠(演:音尾琢真):家康の幼少期からの忠臣。伏見城の戦いで壮絶な最期を遂げる。

【織田家】キャストと人物紹介(岡田准一、北川景子、ムロツヨシなど)

家康に「白兎」とあだ名をつけ、その運命を大きく左右した織田家。本作では、圧倒的な存在感を放ちました。

  • 織田信長(演:岡田准一):尾張の戦国大名。家康を「喰うか喰われるか」の瀬戸際に追い込みながらも、奇妙な信頼関係で結ばれる。
  • お市(演:北川景子):信長の妹。浅井長政に嫁ぐが、数奇な運命を辿る。家康の初恋の人でもある。
  • 濃姫(演:北川景子):信長の正室。北川景子がお市と一人二役で演じる可能性が噂されたが、本作では登場しなかった(※ただし、信長が家康に「妻」について語るシーンは存在する)。
  • 柴田勝家(演:吉原光夫):織田家筆頭家老。「鬼柴田」の異名を持つ猛将。
  • 明智光秀(演:酒向芳):信長の家臣。本能寺の変を起こし、信長を討つ。
  • 織田信秀(演:藤岡弘):信長の父。家康(当時は竹千代)を人質として預かる。

【豊臣家】キャストと人物紹介(ムロツヨシ、和久井映見、佐藤浩市など)

信長の死後、家康の最大のライバルとして、そして新たな主君として君臨した豊臣家。

  • 豊臣秀吉(演:ムロツヨシ):信長の草履取りから異例の出世を遂げた男。人懐こい笑顔の裏に底知れぬ野心を隠し持つ。
  • 寧々(演:和久井映見):秀吉の正室。暴走する秀吉を案じ、家康にも助言を与える。
  • 茶々(演:北川景子):お市の長女。秀吉の側室となり、秀頼を産む。後に大坂城の主として家康と対峙する。(北川景子はお市と茶々の二役を演じた)
  • 豊臣秀長(演:佐藤隆太):秀吉の弟。兄の天下取りを冷静に補佐する良識派。
  • 石田三成(演:中村七之助):秀吉の側近。「正義」にこだわる実直な官僚だが、その潔癖さが家康との対立を深める。
  • 千利休(演:古田新太):希代の茶人。秀吉の側近だが、家康とも通じる。
  • 大野治長(演:玉山鉄二):茶々の乳兄弟で、豊臣家の中心人物として大坂の陣を主導する。
  • 豊臣秀頼(演:作間龍斗):秀吉と茶々の子。家康を凌ぐほどの威厳を持つ貴公子として成長する。

【武田家】【今川家】ほか各勢力のキャスト陣

家康の成長に欠かせない、序盤の強敵たちも豪華キャストが演じました。

<今川家>

  • 今川義元(演:野村萬斎):駿河・遠江・三河を治める大大名。桶狭間の戦いで信長に討たれる。
  • 今川氏真(演:溝端淳平):義元の嫡男。家康の幼馴染だが、父の死後、家康の離反により今川家を没落させてしまう。
  • お田鶴(演:関水渚):鵜殿長照の妹。家康に敵対する。

<武田家>

  • 武田信玄(演:阿部寛):戦国最強と謳われた「甲斐の虎」。家康を三方ヶ原の戦いで完膚なきまでに叩きのめし、生涯のトラウマを植え付ける。
  • 武田勝頼(演:眞栄田郷敦):信玄の子。偉大な父の後を継ぎ、長篠の戦いで織田・徳川連合軍と激突する。

全話(1話〜最終回)のあらすじをネタバレ解説

『どうする家康』の物語は、家康の生涯における重要なターニングポイントを軸に、大きく3つの局面に分けることができます。

【序盤:第1回「どうする桶狭間」~第16回「信玄を怒らせるな」】

物語は、今川義元(野村萬斎)のもとで人質として何不自由なく暮らしていた松平元康(後の家康、松本潤)が、妻・瀬名(有村架純)と幸せな日々を送るところから始まります。しかし、第1回「どうする桶狭間」で、主君・今川義元が織田信長(岡田准一)に討たれるという衝撃的な事件が発生。

元康は、駿府に残した瀬名と子らの元へ帰るか、故郷・三河へ戻るかの選択を迫られます。家臣団に説得され三河・岡崎城へ入った元康は、今川家からの独立を決意。しかし、それは苦難の始まりでした。

三河の地盤を固めるため、悪戦苦闘する中で起きたのが「三河一向一揆」(第7回~第9回)です。家臣団の半数が敵に回り、本多正信(松山ケンイチ)にも裏切られるなど、家康は人生最初の大きな挫折を味わいます。

その後、瀬名と信康、亀姫を駿府から奪還(第5回~第6回、第11回)し、織田信長と「清洲同盟」を結びます(第12回)。今川氏真(溝端淳平)との戦いを経て三河・遠江を平定。しかし、その先に待ち受けていたのが、戦国最強の武田信玄(阿部寛)でした。

【中盤:第17回「三方ヶ原合戦」~第32回「小牧長久手の激闘」】

家康の生涯最大の敗北とされる「三方ヶ原の戦い」(第17回)が、中盤の幕開けとなります。信玄の圧倒的な武力の前に死を覚悟した家康は、恐怖のあまり脱糞し、命からがら浜松城へ逃げ帰ります。この時の無様な姿を描かせた「しかみ像」のエピソードは、家康の原点として描かれました。

信玄の死後、家康は武田勝頼(眞栄田郷敦)との「長篠の戦い」(第20回)で勝利を収めます。しかし、平穏は訪れません。家康の嫡男・信康(細田佳央太)と、その妻で信長の娘・五徳(久保史緒里)の不和、そして正室・瀬名(有村架純)の行動が、信長の疑念を招きます。

本作の最大のクライマックスの一つが、瀬名と信康の事件(第23回~第25回)です。瀬名は、戦のない「慈愛の国」を作るという壮大な計画を立て、武田と通じていました。信長から妻子を切るよう命じられた家康。瀬名は自ら死を選び、信康もまた非業の最期を遂げます。この悲劇が、家康に「天下泰平」という重い十字架を背負わせることになりました。

悲しみを乗り越えた家康は、信長をもてなす「安土御饗」(第26回)を経て、信長を討つ決意を固めます。しかし、その矢先に起きたのが「本能寺の変」(第27回)です。信長が明智光秀(酒向芳)に討たれたことを知り、家康は絶体絶命の「伊賀越え」(第28回)に挑みます。

信長の死後、天下の覇権は豊臣秀吉(ムロツヨシ)が握ります。家康は秀吉と「小牧・長久手の戦い」(第31回~第32回)で激突。戦術的には勝利するものの、政治的に秀吉に屈し、臣従することを決意します。

【終盤:第33回「裏切り者」~最終回「神の君へ」】

秀吉の臣下となった家康は、関東への移封(国替え)を命じられ、未開の地・江戸の町づくりに着手します(第35回)。一方、秀吉は側室・茶々(北川景子)との間に秀頼が生まれると、暴走を始めます。

秀吉の死後(第38回)、家康は天下取りへ向けて動き出します。石田三成(中村七之助)との対立が深まり、ついに「関ヶ原の戦い」(第41回~第43回)が勃発。家康は、家臣団の結束と数々の寝返り工作によって、この天下分け目の決戦に勝利します。

征夷大将軍となり江戸幕府を開いた家康(第44回)でしたが、最後の敵として豊臣家が残っていました。茶々が実権を握る大坂城との対立は決定的となり、「大坂冬の陣」(第46回)、「大坂夏の陣」(第47回)へと突入します。

最終回(第48回「神の君へ」)、大坂城は落城し、秀頼(作間龍斗)と茶々は自害。ここに戦国の世は終わりを告げます。家康は、瀬名や信康、そして散っていった多くの家臣たちに「戦のない世を作る」という誓いを果たし、静かにその生涯を終えました。

脚本・古沢良太と音楽・稲本響の世界観

『どうする家康』が従来の作品と一線を画したのは、間違いなく脚本家・古沢良太の手腕によるものです。古沢は、歴史上の人物を現代的な感覚で再構築することに長けており、本作でもその才能が遺憾なく発揮されました。

家康を「か弱きプリンス」として設定し、彼が困難に直面するたびに「どうする?」と狼狽し、家臣団と泣き笑いの議論を繰り広げる姿は、これまでの大河ドラマにはない斬新なものでした。特に、三河一向一揆での家臣団との対立、三方ヶ原での敗走、そして伊賀越えのパニックぶりは、コミカルでありながらも家康の人間的な弱さを浮き彫りにしました。

また、瀬名(築山殿)の「悪女説」を覆し、彼女を平和を希求する理想主義者として描いた点も、本作の大きな特徴です。瀬名と信康の死を、単なる信長の命令による悲劇ではなく、家康がその理想を受け継ぎ「天下泰平」を目指すための原動力として位置づけた解釈は、多くの視聴者に深い印象を与えました。

この古沢脚本の世界観を、音楽面から支えたのが稲本響です。メインテーマ「暁の空」は、家康の苦悩と夜明け(天下泰平)への希望を見事に表現しました。戦闘シーンの勇壮な曲から、家臣団とのコミカルなやり取りで流れる軽快な曲、そして瀬名や信康を偲ぶ悲しくも美しい旋律まで、多彩な劇伴が物語の感情の起伏を増幅させました。

視聴率の推移と世間の評価・感想

『どうする家康』の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)は、全話平均で11.2%でした。初回の15.4%からスタートし、中盤は10%前後で推移しましたが、最終回は12.3%と有終の美を飾りました。

世間の評価や感想は、放送中から賛否両論が巻き起こりました。

肯定的な意見としては、「家康の人間的な弱さが描かれていて共感できる」「古沢脚本らしいテンポの良い展開が面白い」「松本潤の演じる家康の成長物語として感動した」「瀬名の新しい解釈に泣けた」「家臣団のキャラクターが魅力的」といった声が多く聞かれました。

一方で、否定的な意見としては、「従来の歴史解釈と違いすぎる」「家康が弱すぎる、情けない」「合戦シーンのCGが安っぽい」「コミカルな描写が多すぎて重厚感がない」といった批判もありました。

特に、瀬名と信康の事件や本能寺の変の解釈については、SNS上で大きな議論となりました。しかし、これほどまでに賛否が分かれたこと自体が、古沢良太の描く「新しい家康像」が、視聴者に強いインパクトを与えた証拠と言えるでしょう。

【ドラマ】『どうする家康』キャスト・相関図・あらすじをネタバレしたら

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チェックポイント

  • 物語の重要な伏線と結末の考察
  • 名シーンや名台詞の紹介
  • 動画配信サービスでの視聴方法(Hulu、U-NEXTなど)
  • DVD・Blu-rayのリリース情報
  • 作品のロケ地や関連情報

最終回の結末をネタバレ!家康が選んだ道とは

最終回(第48回「神の君へ」)は、大坂夏の陣の終結から始まります。家康(松本潤)は、孫である千姫(原菜乃華)からの秀頼(作間龍斗)と茶々(北川景子)の助命嘆願を退けます。二代将軍・秀忠(森崎ウィン)が、父・家康の覚悟を継ぎ、豊臣家の滅亡という非情な決断を下しました。

燃え盛る大坂城で、秀頼と茶々は最期を遂げます。ここに、100年以上続いた戦国の世は名実ともに終わりを告げました。

数年後、家康は駿府で穏やかな晩年を送っていました。南光坊天海(小栗旬)と共に、自らの生涯を振り返り、「神の君」として祀られるための物語を編纂しています。そこには、瀬名(有村架純)や信康(細田佳央太)、そして多くの家臣たちへの想いが込められていました。

家康は、瀬名が夢見た「誰もが笑って暮らせる慈愛の国」=「天下泰平」の礎を築いたことを確信します。そして、瀬名や信康、今は亡き家臣たち(酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政、鳥居元忠ら)の幻影に囲まれながら、眠るように息を引き取りました。

家康が選んだ道は、多くの犠牲の上に成り立つ、茨の道でした。しかし、彼はその全ての痛みを背負い、「厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」の旗印の通り、戦乱の世を終わらせるという誓いを果たし切ったのです。

物語に隠された伏線と考察ポイント

『どうする家康』には、古沢脚本ならではの巧みな伏線と考察ポイントが散りばめられていました。

1. 瀬名(築山殿)の理想と「慈愛の国」

本作最大のオリジナル解釈と言えるのが、瀬名の存在です。彼女は信康と共に、武田家や諸大名と連携し、戦をせずとも済む平和な国づくりを目指していました。この計画は信長に露見し、彼女は「悪女」の汚名を着て死を選びます(第25回)。しかし、彼女の理想は家康に受け継がれます。最終回、家康が築いた江戸の町を見て「瀬名が夢見た国に近づけた」と語るシーンは、物語全体のテーマがここに集約されていたことを示しています。

2. 信長の「白兎」という呼びかけ

信長(岡田准一)は、家康のことを「白兎」と呼び続けました。これは当初、家康の臆病さや弱さを揶揄する呼び名でした。しかし、物語が進むにつれ、その意味合いは変化します。信長は、自分と同じ「孤独」と「覚悟」を持つ者として家康を認め、自分亡き後の世を託す相手として見ていた節があります。本能寺の変(第27回)直前、家康が信長を討つ覚悟を決めた時、彼は「白兎」から「狸」へと変貌を遂げたと言えます。

3. 本多正信の役割

一度は家康を裏切りながらも(三河一向一揆)、家康の最大の軍師となった本多正信(松山ケンイチ)。彼は常に家康の「汚れ役」を引き受け、冷徹な策略(イカサマ)を実行しました。関ヶ原の戦い(第41回~第43回)における数々の裏切り工作も彼の手によるものです。家康の「優しさ」と正信の「非情さ」は、表裏一体の関係であり、どちらが欠けても天下泰平は成し遂げられなかったことを示唆しています。

名シーン・名台詞で振り返る『どうする家康』

本作には、視聴者の心に残る多くの名シーンと名台詞がありました。

  • 「どうする、元康!」(第1回 ほか)桶狭間の戦いで今川義元が討たれた際、家臣団から選択を迫られるシーン。以降、家康は生涯にわたり「どうする?」と問い続けられます。
  • 「わしは、寅の年、寅の日、寅の刻に生まれた男じゃ!」(第3回)今川氏真に攻められ、絶体絶命のピンチで家康が放った虚勢。この「ホラ」が、家臣団を奮い立たせ、家康自身の覚悟を決めさせるきっかけとなりました。
  • 「えびすくい」(第4回 ほか)酒井忠次(大森南朋)が場を和ませるために踊る宴会芸。家臣団の絆の象徴であり、最終回近く、忠次が亡くなる直前にも再び登場し、涙を誘いました。
  • 「厭離穢土 欣求浄土」(第6回)瀬名奪還作戦で多くの犠牲を出し、絶望する家康に、登譽上人(里見浩太朗)が授けた言葉。「戦乱の世(穢土)を離れ、平和な世(浄土)を求める」というこの言葉が、家康生涯の旗印となります。
  • 三方ヶ原の「しかみ像」(第17回)武田信玄(阿部寛)に完敗し、恐怖のあまり脱糞しながら逃げ帰った家康。その戒めとして自らの無様な姿を描かせたシーンは、彼の原点となりました。
  • 「待ってろよ、俺の白兎」(第27回)本能寺の変で信長が最期に放った言葉。家康への歪んだ愛情とも、未来を託す言葉とも取れる、本作屈指の名台詞です。
  • 石川数正の出奔(第33回)家康の片腕であった石川数正(松重豊)が、秀吉のもとへ出奔した事件。本作では、家康を天下人にするため、あえて自分が「裏切り者」の汚名を着るという、究極の忠義として描かれました。

動画配信はどこで見れる?Hulu(NHKオンデマンド)での視聴

『どうする家康』全48話は、NHKの公式動画配信サービス「NHKオンデマンド」で視聴可能です。

「NHKオンデマンド」は、月額990円(税込)で、放送中の最新作から過去の大河ドラマ、連続テレビ小説、ドキュメンタリーまで、NHKの名作が見放題となるサービスです。

また、「NHKオンデマンド」は、他の動画配信サービス(VOD)を経由しても利用することができます。

  • Hulu(フールー):「NHKまるごと見放題パック」が提供されており、Huluの月額料金に加えてNHKオンデマンドの料金を支払うことで、Huluのプラットフォーム上で『どうする家康』を視聴できます。
  • U-NEXT(ユーネクスト):U-NEXTも同様に「NHKまるごと見放題パック」を提供しています。U-NEXTは毎月付与される1,200ポイントをNHKオンデマンドの料金支払いに充当できるため、実質的に追加料金なしで視聴できる場合があり、お得です。

Amazonプライム・ビデオでも、「NHKオンデマンド」チャンネルに登録することで視聴可能です。

なお、NetflixやTVerなどでは配信されていません。配信状況は変動する可能性があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

DVD・Blu-ray BOXの発売情報と特典内容

『どうする家康』は、DVDおよびBlu-ray BOXが「完全版」としてNHKエンタープライズから発売されています。

  • 大河ドラマ どうする家康 完全版 第壱集(第1回~第12回収録/特典映像:ノンクレジットOP、出演者インタビューなど)
  • 大河ドラマ どうする家康 完全版 第弐集(第13回~第27回収録/特典映像:出演者インタビューなど)
  • 大河ドラマ どうする家康 完全版 第参集(第28回~第38回収録/特典映像:出演者インタビュー、メイキングなど)
  • 大河ドラマ どうする家康 完全版 第四集(第39回~最終回 第48回収録/特典映像:出演者インタビュー、メイキング、クランクアップ集など)

各BOXには、特製ブックレットが封入されており、ドラマの世界観をより深く楽しむことができます。全巻セットも販売されており、一気見したい方や、特典映像を含めて作品をコンプリートしたい方におすすめです。発売日や価格の詳細は、NHKグループモールや各種ECサイトでご確認ください。

ロケ地・撮影場所(ゆかりの地)まとめ

『どうする家康』の放送に合わせて、徳川家康ゆかりの地では大規模なPRや「大河ドラマ館」の設置が行われ、多くの観光客で賑わいました。

  • 愛知県岡崎市家康の生誕地であり、物語の原点となった場所です。「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」が設置されたほか、岡崎城、家康が幼少期に学んだ大樹寺、徳川家の氏神である伊賀八幡宮などが主要なスポットです。
  • 静岡県静岡市家康が人質時代(幼少期)と大御所時代(晩年)を過ごした場所です。駿府城公園、今川家の人質時代に過ごした臨済寺、家康が祀られている久能山東照宮などがあります。
  • 静岡県浜松市家康が青年期に拠点とした場所です。三方ヶ原の戦いの舞台であり、家康が17年間を過ごした浜松城(出世城)が中心です。
  • 岐阜県関ケ原町天下分け目の決戦の地、関ヶ原古戦場跡。家康が最初に陣を置いた桃配山、石田三成が陣を置いた笹尾山など、決戦の地を巡ることができます。
  • 岐阜県岐阜市織田信長が拠点とした岐阜城。信長と家康が会談した場所としても描かれました。
  • 滋賀県金ヶ崎の退き口や姉川の戦い、本能寺の変後の伊賀越えなど、滋賀県(近江)は多くのエピソードの舞台となりました。

このほか、京都市内の寺社仏閣や、各地の城跡など、全国にゆかりの地が存在します。

総集編の放送予定と内容

『どうする家康』の総集編は、全4章構成で2023年12月29日にNHK総合テレビで放送されました。

  • 第1章「波乱の幕開け 故郷・三河へ」
  • 第2章「躍進の時」
  • 第3章「試練の連続」
  • 第4章「天下泰平への道」

全48回の壮大な物語を、約4時間半に凝縮し、家康の成長と苦難の道のりを振り返る内容となっています。再放送については、NHKの公式サイトや番組表などで最新の情報をご確認ください。また、総集編もNHKオンデマンドで配信されています。

『どうする家康』の次に観たいおすすめ大河ドラマ

『どうする家康』を楽しんだ方に、次におすすめしたい大河ドラマや関連作品を紹介します。

  • 『麒麟がくる』(2020年)『どうする家康』の直前の時代、明智光秀(演:長谷川博己)を主人公に描いた作品。織田信長(演:染谷将太)や豊臣秀吉(演:佐々木蔵之介)、徳川家康(演:風間俊介)も登場し、本能寺の変に至るまでの過程を異なる視点で楽しむことができます。
  • 『真田丸』(2016年)脚本・三谷幸喜、主演・堺雅人(真田信繁/幸村)で大ヒットした作品。『どうする家康』では最終盤の敵として登場した真田家が主人公です。家康(演:内野聖陽)が「狸親父」として強大に描かれており、『どうする家康』との対比が非常に面白い作品です。
  • 『おんな城主 直虎』(2017年)『どうする家康』で井伊直政(板垣李光人)が登場しましたが、その直政の養母・井伊直虎(演:柴咲コウ)が主人公の物語。今川家の支配下にあった遠江の国衆の苦難が描かれており、『どうする家康』の序盤と時代が重なります。
  • 『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』(ドラマ・映画)脚本・古沢良太の代表作。大河ドラマではありませんが、古沢脚本特有のテンポの良い会話劇、奇想天外な展開、魅力的なキャラクター造形が好きな方には必見の作品です。

【ドラマ】『どうする家康』キャスト・相関図・あらすじのネタバレまとめ

  • 『どうする家康』は2023年に放送された第62作目のNHK大河ドラマ
  • 主演は松本潤が務め、徳川家康の生涯を演じた
  • 脚本は『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太が担当
  • ヒロイン・瀬名(築山殿)を有村架純が演じた
  • 織田信長役の岡田准一、豊臣秀吉役のムロツヨシなど豪華キャストが集結
  • 相関図は徳川家を中心に、織田家、豊臣家、今川家、武田家など複雑な関係性が描かれる
  • 物語は家康が今川家の人質となっていた時代から始まる
  • 桶狭間の戦いをきっかけに自立し、三河統一を目指す
  • 信長との同盟(清洲同盟)、三方ヶ原の戦いでの敗北など試練が続く
  • 本作の核心の一つとして、瀬名と信康の事件が新たな解釈で描かれた
  • 本能寺の変、伊賀越え、小牧・長久手の戦いを経て、秀吉との関係性が変化
  • 関ヶ原の戦いで勝利し、江戸幕府を開く
  • 最終的に大坂の陣で豊臣家を滅ぼし、天下泰平を成し遂げる
  • 古沢良太独自の解釈による「弱くて臆病」な新しい家康像が話題となった
  • 「どうする?」という問いかけが作品全体のテーマとなっている
  • 音楽は稲本響が担当し、壮大な世界観を彩った
  • 全48回で放送され、最終回の結末も注目を集めた
  • 動画配信サービスではHulu(NHKオンデマンド)などで視聴可能(最新情報は要確認)
  • DVD・Blu-ray BOXも「完全版」として全四集がリリースされている
  • 岡崎、静岡、浜松など、ゆかりの地(ロケ地)も観光スポットとして人気を集めた

『どうする家康』は、臆病な一人の青年が、多くの犠牲と家臣団の支えによって、日本史上最も有名な天下人へと成長していく壮大な物語でした。古沢良太脚本による斬新な解釈は、私たちに徳川家康という人物の新たな魅力を提示してくれました。

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